見出し画像

詩367 短詩輯15

4 - 89 満月と/創るに励む/神無月/息苦しさも/誰かに届く/形に変わり/胸がかじか

4 - 91 自分のために生きること、それが世界を変えてゆく ────「何でコレができないんだ」とか、嘆く前に

4 - 92 今日も一日を上手く終えられるか、という不安をまとう朝に、空へと食い込む銀杏の、一本の喬木きょうぼくが、落ち葉を舞わせ、暖冬に凪を据えている。今朝はいつもより、見知らぬ人たちの様子が、期せずして、思わしく、目に付きます

4 - 93 原理的な親しみを強いる人の視線は死ねるほど要らない

4 - 95 神様の為されることには不思議が多い ──── 我々が驚くことも、喜ぶことも、悲しむことも、楽しむことも、恐れることもあって、何故なにゆえこれほど豊かな感情にまで及ぶ出来事を、次々と起こされるのか

4 - 96 世の中のあらゆる出来事が美しい。私から発されるもの、私の外において発されるもの、すべて尊い恵みである他はない;誰もが神から等しく、愛されている。自分は何一つとして間違っていない。この世界ほど、まったきものはない。ただ内にあるものは、今と、自分と、神だけである

4 - 97 マスクの隙間から息が漏れる。眼鏡のレンズが曇ってボヤケる。前が見えづらくなる。呼吸をめられずにいると、やがて水分が集まり幾つかの水滴になる。レンズの上で流れ、跡ができる。すると、私の正面で警報音が鳴り始め、警告色に染まった遮断機が下りてきた

4 - 98 冬晴れの青空のもと、冷たい微風そよかぜに当たる。座する川辺の岩に降り注ぐ陽射しが温かい。僅かに顔を上げ、富士山を臨む;今すぐにでも、自然と一体になりたい

4 - 99 スマホは一日に何度も見詰められる。もしも恥ずかしがり屋さんのスマホがあったら、苦労しちゃうだろうなあ

4 - 100 ネットで出会いを求める投稿を、朝な夕な貪るはい。栄養ドリンク的な愛を欲して止まない。ヒマしているから他者にすがって、即席の優位性を消費する。けれども、願わくば、自分に最も抱きしめられたいだろうに

5 - 1 条件さえ揃えば、我々は頓服薬に溺れても善いのか。手軽に消費するように生活を削り、劣化する心。神の言葉から離れることが、最大の不安になろう。素直に拒む、この想い、ポツリ

5 - 2 何に遭っても、何が起こっても、必ず帰ってこれる場所。それが我が内にあったことに、齢二十七にして気付くに至ったことは、感謝の念しかもたらさぬ。神の権威と栄光とを、確と、ここに認めるのである

5 - 3 新幹線が通り過ぎる ──── 駅がひずむ音を立てて微かに揺れる。静けさを孕む待合室で感じる、そのことを、乗車して正に通過するときに、思い出すか想像するかして感じられるか………自身に問う

5 - 4 あなたのことを大切にしたい ──── 私が自分のことを大切するように。あなたには安心していてほしい、いつだって:私の内にある平安・平穏が、あなたのなかにも、ずっと、あってほしいから

5 - 5 共有机にあるカレンダーを見た ──── 12月のまま………年は越したのに。時が流れているのを、嬉しく思う

5 - 6 仕事に没頭し、終えて達成感を得る。その人の姿を「美しい」と思う

5 - 7 できないことを恥に思わない。代わりに、できない自分を可愛いと思う;できない自分を、好意的に受け止める

5 - 8 人を愛することは、自分を愛すること;自分を愛し得る者は、人を愛し得る者 ──── 生き様は如実に語る

5 - 9 日常とは崩れやすいもの。だから、自分も乱れやすい。脆い故に、美しい。平常を保持することは、この上なくかたいこと

5 - 10 平凡な、見慣れた景色のなかに、初な素肌;真理を見付けることは容易くない。けれども、凡事のなかにこそ、真理は潜む。他愛無い遣取りは、厚く真理を隠すアップリケ

5 - 11 神に頼り無私を求める精神が、自我を引き立てる

5 - 12 生活の、糧を得、維持するために、生活は、滞って捗らず。募るもどかしさ、強まる歯痒さ

5 - 13 心の健康を得るために言葉を尽くさなければならない、私は:言葉が心の食物だから。それから栄養を抽出するは理知の力

5 - 14 頭と頭の会話,心と心の会話。同じ会話でも、味はまったく違う。味があるかないか程に、まったく違う

5 - 15 私には、人より多くの留め具がある。だから、人より繊細な動作が可能だが、セットの了するまでに時間を要する。コミュニケーションは、そのことを他者が理解するのに役立つはずだ

ここから先は

0字

¥ 130

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?