詩327 頭、染められて
頭のなかが蒸れた青垢だらけで散らかっている。
すっきり片付けたい。
掃除機で部屋をキレイにするように
一 掃 し た い
探し物をしていても
この頭のなかでは容易に見付からない。
スカイグリーンのような、魯鈍な色で
そこら中、染められている
琴線が震えるような人を探しても
まったく見付からない。
ハートの欠片が2個か3個見付かるだけで………
モ ヤ モ ヤ す る
食べるものの味がしない。
脳が複雑骨折しているからだと疑ってみるけれども
それはどうも怪しいネ、と
藪 医 者 曰 く
時雨は夏ではない、と分からないのは
頭のなかが散らかっているせいであって
決して煙たい人のせいではない。
勘 違 い だ
嫌いな人を探るのは至極簡捷である。
けれども、人的嗜好はほぼ掌握できない。
季節の移り変りが理解できずに、この頭は嫌悪で
いたる所、染められている
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