ハロートレーニングのチラシ 求職者が「訓練を受けたい」と思うキャッチコピーに勝手に変えてみた。改善例をビフォー・アフターで紹介します。
ハロートレーニングは、希望する仕事に就くためのスキルや資格などを得る公的職業訓練のこと。ハローワーク(公共職業安定所)で紹介されるケースが中心ですが、市役所などでもチラシが置かれているのを見ます。
訓練を受ける人を募集する上で、チラシが重要な広報媒体です。でも私は、ハロートレーニングのチラシを見るたびに「これではせっかくの訓練の良さが伝わらない」「もったいない」と思い続けてきました。
この記事では、ハロートレーニングの説明会や求職者支援訓練、公共職業訓練に「思わず参加したくなる」キャッチコピーを作ってみました。ビフォー・アフター形式で3例紹介します。
もし募集に苦労されているのであれば、参考にしてほしいと思います。※私が作成したキャッチコピーを使いたい場合は、連絡をいただければ無償で提供いたします。私の連絡先はこちら
この記事でお伝えすること
【ビフォー1】
ハロートレーニング説明会の典型的なチラシ
ナゾの事業名が大きく書かれています
ハロートレーニングの説明会では
▼多様な職業訓練のコース
▼訓練中に受給できる給付金制度
▼申し込み方法
などが紹介されます。説明会の典型的なチラシがこちら。
ビフォー・アフターを比較するためキャッチコピーを抜き出します。※山崎県は、事例を紹介するための架空の自治体名です。
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ハロートレーニング説明会
就職に役立つスキルを身につける
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本当に偉そうでスイマセン。でも言わせてください。
「ハロートレーニング」という事業名は、一般にはまだまだ知られていないナゾのコトバです。一般の人、つまり仕事を探している人からすると「ハロートレーニング説明会」と言われても何の説明会かわかりません。ましてや、ハロートレーニングを受けることで自分にどんなメリットがあるのか何もわかりません。これはもったいないと思うのです。
さらに言うと、こんなチラシも見ます。
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ハロトレ説明会
就職に役立つスキルを身につける
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職業訓練の業界では、ハロートレーニングをハロトレと略されているのだと思います。でもハロートレーニングという事業名が知られていないのに、その略称はさらに知られていないと思います。
【アフター1】
ハロートレーニングのメリットを
キャッチコピーにしてみた
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受講料無料で
就職に役立つスキルが身につく
ハロートレーニング説明会
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ハロートレーニングには、プログラマーや、医療事務、介護福祉サービスなどのスキルを身につける求職者支援訓練や、金属加工やCAD、住宅リフォームなどを学ぶ公共職業訓練があります。
公共の職業訓練なので原則・無料です。つまり「受講料が無料で、就職に役立つスキルが身につく」わけです。このメリットを直球で伝えるキャッチコピーにしてみました。
あなたが仕事を探している側だとして、ビフォーとアフターどちらの方が「参加したい」と思うでしょうか?
次は就活中の悩みを元に、ハロートレーニングを受けた場合のメリットをキャッチコピーで伝えてみます。
【アフター2】
ハロトレを受けることで就職にどう役立つのか
就活中の悩みをキャッチコピーにしてみた
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就職したいのに
スキルや経験が足りない
ハロートレーニング説明会
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例えばWeb業界で働きたい。でもスキルも足りないし、経験もない。こうした方向けに、3~6ヶ月のコースが用意されています。この中ではWebデザインを学んだり、企業で実習したり。つまり基本的なスキルや経験が身につきます。
仕事を探している方の困っていることや悩みに答える形で、ハロートレーニングが提供できるメリットをキャッチコピーで伝えました。この場合のメリットは「就職にどう役立つか」です。
あなたが「希望する仕事に就きたいのにスキルがない、経験も足りない」という悩みを抱えていた場合、ビフォーとアフターどちらに「参加したい」と思うでしょうか?
実はこのキャッチコピー、ハロートレーニングのリーフレットに、小さな文字で書いてあった文章を元にして考えました。
ハロートレーニングには、伝えるべき価値や魅力があるんです。それを仕事を探している人の視点で再発見して、わかりやすく伝える。これが広報の基本であり本質です。
実は厚生労働省も広報の改善を呼びかけています。
ぜひ、もう一歩踏み込んで、利用者に訓練の価値や魅力が伝わるキャッチコピーを作ってほしいと思います。
次は公共職業訓練のチラシです。
まずはビフォーから。
【ビフォー2】
公共職業訓練の典型的なチラシ
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CAD技術科
就職率86%
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CADというのは、コンピューターを用いた設計ツールのこと。これも「CAD技術科」という訓練コースの名前を前面に出すよりも、次のキャッチコピーの方が、興味を引くのではないでしょうか。
【アフター3】
就職率を一番大きく伝えた
キャッチコピーにしてみた
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就職率86%です
CAD技術科
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※元にしたチラシは少し前のものなので、現在もCADを学んだ後の就職率が高いかどうかは不明です。
ここで大事なのは仕事を探している方の視点で考えてみること。訓練を終えた後、就職できるかどうかは大きな関心事のはず。
一方、コースの提供側にとっても「就職率が高い」「訓練終了後は引く手あまた」というのは、まさに伝えるべき価値、魅力だと思います。
どちらが「参加したい」となるか。見比べてみてください。
【まとめ】
ハロトレの周知・広報 「訓練に思わず参加したくなる」キャッチコピーの作り方を紹介しました
仕事を探している人がスキルや資格を身につける。その結果、早期に希望する就職がかなう。公共職業訓練は大切な制度だと思います。
だからこそハロートレーニングやハロトレといった事業名や略称、また訓練コース名ではなく、仕事を探している人から見た価値や魅力を伝えてほしいと思うのです。
公共職業訓練の広報には、さまざまなルールや決まり事があると聞きます。でも、そのルールの中でも工夫の余地はあるはず。連絡をいただければ、どんな工夫が可能なのか、一緒に考えたいと思います。私の連絡先はこちらです。
【伝えてほしいハロトレの価値や魅力】
●受講料無料で就職に役立つスキルが身につく
●就職活動の悩み事に対応している
●就職率が高い
自治体やNPOなど公的な団体には喜んで協力します。▼ここで紹介したキャッチコピーを使いたい(連絡をもらえれば無償で提供します)▼チラシにアドバイスが欲しい▼職場で研修を-など。 連絡先はkohou-oyen@iris.eonet.ne.jpまで。お待ちしています。