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Vol.104 「探る」と「捉える」

 前回紹介した

この本の中で、若松先生が書かれていた「探る」と「捉える」について自分でも考えておきたいなと思います。

 本の中ではこのように書かれています。

 私は、子どもたちの学んでいる様子を見取る際、「捉える」(教師の視点)「探る」(子どもの視点)の二つの視点を意識しています。表情や態度、仕草、発言、学習成果物、振り返り…といった、起きている事実や過程、結果を二つの視点で捉えることで、よりよい指導や支援の在り方を見つけようとします。

木村明憲・佐藤和紀・若松俊介(2023),これからの「学び」の話をしよう P89

このあとに「捉える」とは、「探る」とは、と具体例とともに詳しく紹介されています。

 以前、若松先生と宗實先生が書かれた

こちらの本でも、同じような内容のことは書かれていたのですが、この本を読んだ時にはあまりこだわることなくスッと読み流してしまっていました。

 きっと、「今の」自分が「大事にしたいことだな」と思ったんだと思います。

 今、知ることからはじまるということを大切にしています。

  • 一人ひとりの現在地

  • 学びの過程

  • (学校・家庭での)生活の様子

  • 「どうなりたいか」というおもいや願い

いろいろなことを知ることで、その子とのかかわりを考えることができますし、「よりよい」ところをともに見つけようとすることができると思っています。

 だからこそ、「見取る」ということを大切にしていますし、その子を知るために「聴く」とか「話す」とか「一緒に」ということも大切にしています。

 特に授業においては、一人ひとりの「見取り」を土台として構想しています。

 例えば、国語科では

国語科「たずねびと」での見取り

一人ひとりがはじめて「たずねびと」を読んで、どんなことを感じたのかを「探る」ということをします。そして、「同じような考えの子同士で聴き合うと自分の考えがよりはっきりするだろうな」と「捉え」そういった場づくりをします。

 なので、一人ひとりのありのままを大切にすることもしますが、その時には

  • 単元の目標

  • 指導事項

  • 教師としてのおもいや願い

も、もちながら見取っています。

国語科「たずねびと」での学習過程

 だからこそ、ちゃんと指導事項で目指すところに向かうことができるようにあれこれ教師としてのかかわりを考えます。それは、全体で物語の設定を確認するような直接的なことだけではなく、場づくりのような間接的なことも含めて考えます。

 もちろん、単元計画も事前につくりますが、ただそこに縛られるのではなく、常に今の子どもたちの様子から授業を構想する、練り直すようにしています。

 あと、「知ることからはじまる」については総合的な学習の時間のような教科書がない学習において特に大切にしたいなぁとも思っています。

  • 今、子どもたちに必要なことをなにか

  • どんな気づきがあったのか

  • 困っていることはなにか

  • どうしたいのか

総合的な学習の時間は、様々なところへと広がっていく学びをつくることができるからこそ、ちゃんと一人ひとりのことを知ろうとしないと、なにをしたらいいのかがわからなくなります。

総合的な学習の時間での見取り

 総合的な学習の時間はとても長期的な学びとなりますが、この時間をどう充実した学びの場とするか、ちゃんと一人ひとりを捉えながら前へと進めていきたいです。

 「知ることからはじまる」「はじめる」とおもしろいです。押し付けたり、引っぱったりしてしまわないようにしたいです。

 そのためにも「探る」「捉える」という視点をもちながら、「見取る」ことを大切にしていきたいなぁと思っています。

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