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vol.1『「働く」を考える』

■今回の課題図書

労働法(第9版)/水町勇一朗著

■はじめに

「ガチムチ(無知)学びの旅」vol.1のテーマは「働く」について。まさに第1回らしいテーマかと。このnoteでは、毎週課題図書を読みそこから派生して生まれた問いや着想なんかを、社会保険労務士的な視点だったり、そうでない視点だったり、そのときの自分の興味関心のままに書き綴っていこうかという試みです。まあ趣味ですね。

■「労働法(第9版)」を読んで得た学び・感想

労働者は歴史的に事業主に搾取されてきた歴史があり、労働基準法は労働者を守るための法律である。だから、労働基準法には、原則として労働者に課される罰則がないという点には合点がいった。
また、法律というのは色んな立場の人の視点を複合的に考える必要があり、現代の労働基準法は頭がいい人たちが喧々諤々議論した結果として、今の法律が最適解としてあることを知った。勉強する前は、労働基準法は古臭いというか現代社会に合ってないのではと感じていたけど、この本を読んで、労基法は日々アップデートされていており、現代日本に合致したものになっている。

著書を読んで

■レンガ職人の話

上記を学んだうえで、レンガ職人の話をふと思い出しました。
「キャリア」とか「働く」っていう文脈でよく出てくる「レンガ職人」の話。知らない方のために改めてお伝えしておきます。


【レンガ職人の話】
旅人が中世ヨーロッパの街を歩いていると、3人のレンガ職人に出会います。旅人がある町を歩いていると、汗を流しながら重たいレンガを運んでは積み、を繰り返している3人のレンガ職人に出会いました。
旅人は3人に「何をしているのですか?」と尋ねました。(なぜそんな質問したのかは疑問ではありますが、そこは別の機会に考えましょう。)

すると、その3人のレンガ職人は次のように答えたそうです。

Aさん「親方の命令でレンガを積んでいるんだよ。」
Bさん「レンガを積んで壁を作っているんだ。」
Cさん「レンガを積んで、後世に残る大聖堂を造っているんだ。」


これらの発言からわかるのは、3人のレンガ職人のその仕事に対する「認識」の仕方が違うわけですね。一般的には以下のような文脈で語られることが多いですね。

Aさん:命令されて仕方なくレンガを積んでいる=「労働」
Bさん:何に使うかわからないけど壁を作っている=「仕事」
Cさん:後世に残る大聖堂をつくっている=「天職」

つまり、その仕事の解釈(意味づけ)の仕方で、仕事(ひいては人生)の満足度って変わるよねって話です。

■社会保険労務士の視点からみたレンガ職人の話

この話を社会保険労務士的な視点だと少し違った見方をするかと思います。
レンガ積みの話を社労士の先生にすると、以下のような回答が返ってくるのではないかと推測します。(あくまで想像であり偏見に満ちてますが)

【社労士先生の言いそうなこと】
・レンガ職人3人のしているものはすべて「労働」にあたる(「仕事」や「天職」は法に明記されてない)

・そもそも「労働」それ自体の定義も労働基準法には明記されていない

・ただ、「労働者」は定義されている(労働基準法9条:「職業の種類を問わず、事業所又は事務所に使用されて、賃金を支払われる者」をいう)ので、そのように考えると、「労働」は「職業の種類を問わず、事業所又は事務所に使用されて、賃金を支払われる行為」と推定する。

・AさんとBさんは、労働条件通知書もしくは雇用契約書上で従事する業務内容が記載されているはずなので、それをちゃんと見直したほうがよい。

・Cさんは仕事に意義を感じているようには感じるが、それに対して正当な対価が払われているか、やりがい搾取になっていないかなど雇用実態を注意深くみる必要がある。

社労士の視点(独断と偏見)

興ざめですね。笑
ただ、正論ですしその通りすぎますね。

社労士という仕事は、あくまで法に則って正しく労務管理がされているか、労働者が守られているかといったことを確認する、いわば労務ポリス的な仕事です。

ただ、だからといって、「事業主の敵」というわけではないです。なぜなら、労働者を傷つける(法に背く)事業主には罰則(罰金or懲役)があって、その罰則を受けないように事業主を守ることも社労士の大事な仕事だからです。

■「労働」に対する解釈の違いを生むもの

ここからは完全に趣味の話になります。
このレンガ職人の話を聞いて、個人的にはある問いが生まれてしまいます。

【問い】
同じ労働をしていても、その労働に対する認識に差が生まれるのはなぜか?

今回の問い

個人的には以下の2点が大事な気がしますね。

①自分の生きる目的を認識していること
②目的に合致した仕事を自ら選んでいること

簡単にまとめましたけど、みんながそう簡単できることではない気がしますよね。特に①を見出せている人はどのくらいいるのだろうとは思いますね。

ひとつ気になるんですが、明日のご飯を食べるのがやっとの貧しい人が、意識したらCさん(天職)の状態になれるんですかね。

これは想像ですけど、貧しい人は、努力してもそのようには思えないんじゃないかなという気がしてます。

要は、その仕事をどう認識するのかっていうのは、自分の意思というよりも置かれた環境によるする気がしていて、今やっていることを「労働だ」と認識しているAさんみたいな人に「天職だと思いましょう!」っていうのは少し酷な気がしています。(ある程度、精神的に余裕のある人でないと、そのような思考をしないのではないか、というのが現段階の仮説です。)

■「天職」の呪縛

この話を聞いて個人的に思うのは、「すべての人が天職を持つべき」みたいな圧力のほうが問題な気がしているんですよ。

個人の意見ですが、現代の学生さんや20代~30代の人はそういった同調圧力に苦しんでいる人が多い気がしています。

とはいっても、僕自身はCさん(天職)的な思想ですね。人間は生まれながらに決められた目的はないと思ってますし、平等に与えられた時間を自分で選んだ使い方をしたいなと思っています。

■最後に

私は、他者の評価などではなく「自らの欲求に素直に生きる」ということに昔から憧れがありまして、自分もそうありたいと日々思っています。意識はしてますが、実践するとなるとなかなか難しいですが(笑)

同時に、自分の欲求に素直に生きている人をみると、憧れとともにその人の「想い」を実現できる手助けをしたいなとも思います。

そういった思いもあり、大学時代の友人(代表である辻社労士)とともに、筋肉系社労士事務所「C-tres Consluting Firm」を立ち上げました。

「想いを持って走る人が、ヒトのことで立ち止まらなくていいように、全力で走れるサポートする」を胸に運営しております。

そういうわけで、想いを持った、以下のような事業主の方なんかには特にお力になりたいと思います。

・労務管理を自分でやるのが時間的に限界になってきた
・組織が拡大する前に社員が定着する土台をつくっておきたい
・労務管理はなんとなくやっているがきちんとできているか不安
・起業したばかりで労務管理を何から手をつけていいかわからない

人を雇用したら、労務管理ってちゃんとやらないと後々めんどくさいことになるけどけっこう手を取られてしまう「重要だけど緊急度低めタスク」ですが、このようなことで想いの実現スピードが遅くなってしまうのはもったないかなと個人的には思います。そういった労務管理のもろもろでお困りなどあれば、noteのメッセージやtwitterからお気軽にご連絡いただければ幸いです!(ご相談でご料金は不要です)

長々と失礼しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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