今週のメキシコホラー映画 屍夫人が若い女の血を狙う
ブエナスタルデス!今週もインドの殺人バスを乗りこなして無事に土曜朝の教養の時間、メキシコホラーの時間にたどり着きました!
殺人バス乗り場。
今回の作品は、『La señora Muerte (Madame Death) 』という、1969年の映画。今回は英語字幕付きというご褒美のおかげで話を追うことができたわ!
夫がガンで死んじまったッ!生き返らせたければ若い女の血をもってこいッ!まずは貴様の血をよこせっ!!きゃー!!医師の言うがままに夫を生き返らせるために変な機械に繫がったら、顔が半分シワシワババァになってしまったわっ!!事件だわ??!キチガイ医師の言うがままに次々と若い女を殺める女、マルレーン。殺すたび、殺意が快楽に変わる…ファッションデザイナーの裏の顔は、ラ・セニョーラ・ムエルテ=屍夫人!!!
馬鹿げた設定だが、マルレーン役の女優による渾身の演技で引き込まれてしまうセクシー殺人日誌。最初しか出てこない上横たわった半裸姿を晒し続ける夫が妙に性的だ。
マルレーンは、キチガイ医師に騙され利用されているし、時折苦悩するのだが、殺しを楽しみ始めているのがすごいよ。しかもその都度はあんまり後悔してない。その時顔は、例の半分シワシワの顔。でも、特殊メイクで固定された半分より、メイクなしのもう半分の顔の凄まじいこと。名演技。ハイヒールで被害者に迫り、殺した上で血をちゅううううっと抜く!←音付き
キチガイ医師の部下は意志薄弱なせむし男!マルレーンに惚れちまいます!!!
本作は、もう解説するまでもございません!マルレーンのファッションスタジオが繰り出す当時最先端の洋服の数々も見もの。マルレーンは、キャリア、愛←何でも言うことを聞く夫、美貌、知性、すべてを持った女だったの。それを失わなきゃなんないなんて許せないわ!私をしたって働いている若い子達に申し訳が立たないってものよ!!!
若い娘たち…不倫してるコも…が、異常な男に惨殺されるのが八十年代アメリカスラッシャーホラーの定番だったが、こちらは、自立した女が主体的に若い女を殺していく。アメリカホラーならせむし男が殺していきそうなんだが、本作はそうはいかん。フェミニズムの影響かもしれないね。
このあと、女同士の親密さを周囲が罰しようとしたら返り討ちに遭う『Alucarda』が作られるわけね。
サタン!サタン!ルシファー!ルシファー!
ひいいいっなんて罰当たりなッ汚れた女どもよサタンを追い払ってやるッ!!←マダム百合子入ってます。
私の中では、そうね、今回のマルレーンは少しゆり子性を察知したわ。トチ狂ってしまった完璧な女性。殺しの快楽も知ってしまった魔女として破滅するマルレーン。スペイン語で死はムエルテ、死神は女だと考えられている。
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