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竹美のホラー映画論

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ホラー映画について考えたこと、またそれに関連する作品の評をまとめました。
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#ホラー

ホラー映画から見る現代社会④ 身体から脱走するSF、身体が追って来るホラー

昨今、同性カップルの子育てというトピックが日本でも目に入るようになってきた。 私は、自分…

竹美映画評97 サブコンテクストも美味。インドホラーの新しい傑作 ”Bramayugam”(…

そのうちマジで『ホラー映画で巡るインドの旅』という本を書きたいという企画を持っている。需…

竹美映画評96 韓国女幽霊映画と『エクソシスト』のマリアージュ 『너 또한 별이 되…

(ま、写真は月なんですけども…) 前回紹介した韓国映像資料院の2009年の季刊誌から見つけた…

韓国映画ファンにお勧め。韓国映像資料院~韓国ホラー研究の端緒

韓国の文化庁に当たる省庁の下部組織に「韓国映像資料院한국영상자료원」という機関がある。 …

ホラー映画から見る現代社会① 悪魔が吐かせようとしている本音

昨年、「ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会」という連載をしてみたが、今度は、…

竹美映画評76 笑って震えて 『Evil dead rise』(2023年、アメリカ)

インドでアメリカホラー映画を次々に観ることができ、(字幕無しだったり英語字幕はつらいもの…

竹美映画評65 インドのホラーはマラヤーラム映画にあり?『Kumari』(2022年、インド、マラヤーラム語)

悪鬼に憑かれた女が踊るインドホラーの傑作を未見のわたくし。 ホラーなのに怖くないよと言われ、そして私の実感としても怖くならないように作られているような気がするインドのホラー映画。その歴史に燦然と輝く名作があるらしい。マラヤーラム語映画『Manichitrathazhu』である。 同作は複数の言語でリメイクされた。最近もヒンディー語版リメイクの更にリブート版とも言える『Bhool bhulayaa 2』が、ヒンディー語不振の2022年の公開作としては健闘した。私も観たが、コ

竹美映画評65 ボリウッドならではの新しさ 『Phone Bhoot』(2022年、インド)

ボリウッドの凋落、この言葉を一回書くだけで益々株が下がりそうなボリウッド映画界だが、来年…

罪悪感が生み出すホラー

こんな本を読んでいます。 我々はそもそも何故ホラーや怪談を生み出すのか?コリン・ディッキ…

竹美映画評59 少年はモンスターを退治する 『ブラック・フォン』("The Black Phone…

日本で7月1日公開予定の本作について早めにレビューしてみました。 往生しな!!!ってすごい…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会③「差別する人」だと思われたくない

民主党支持の白人が黒人を搾取するホラー映画がアカデミー賞脚本賞受賞。ソーシャルスリラー作…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ②ロビン・ウッドの論から見たソー…

今回は、ホラー映画に関する優れた論評を残したロビン・ウッドの論を紹介し、彼の論を援用しつ…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会

長らくホラー映画に関する考察をしたいしたい夏(サセコさん)だったのだが、ようやくまとまっ…

竹美映画評56 『セイント・モード/狂信』(“Saint Maud”、2019年、イギリス)

今回の『セイント・モード』は、若い看護師の女性を主人公に、信仰は救いになり得るのかと問うている。重病で死期の近い元ダンサー女性アマンダの住み込み介護をすることになった看護師モードは、神によって救われ、常に神を傍に感じる経験から、アマンダのことも救おうとする。初めはうまくいくかに見えたモードの介護は、アマンダが呼び入れた若い女性の登場で躓いてしまう。更に、モードは偽名で本名はケイティーであることが明らかになる。逃れたい過去が追いついて来たとき、彼女の精神はバランスを崩していく。