竹美映画評56 『セイント・モード/狂信』(“Saint Maud”、2019年、イギリス)
今回の『セイント・モード』は、若い看護師の女性を主人公に、信仰は救いになり得るのかと問うている。重病で死期の近い元ダンサー女性アマンダの住み込み介護をすることになった看護師モードは、神によって救われ、常に神を傍に感じる経験から、アマンダのことも救おうとする。初めはうまくいくかに見えたモードの介護は、アマンダが呼び入れた若い女性の登場で躓いてしまう。更に、モードは偽名で本名はケイティーであることが明らかになる。逃れたい過去が追いついて来たとき、彼女の精神はバランスを崩していく。