貝紫染めのポワサンコ
次の布の制作に、なにか変わった染料はないかと探していて。
東京の大島に行った時に「ぱれ・らめーる」という、貝の博物館に行ったのを思い出したので。
検索してみたら…まさか!あるのね!貝の染め物!
その名も、貝紫染め(かいむらさきぞめ)。
かなり興味があったので、調べていたら。日本にも古くから貝紫染めってあるんだけど。
メキシコのミシュテカ族に伝わる貝紫染めは、ほかの貝紫とは別格。
普通は、貝を捕獲して、中にあるパープル線の分泌液(プルプラ)を取り出すんだけど。
ミシュテカ族は、なんと生きたままの貝で染色するんだそう。
かなり波の強い海辺の岩場に、貝が生息していて、人の命が危険にさらされるような場所での染色作業。
貝の分泌液を、用意した糸に直接染色し、生きたままの貝を海にまた返すという…。藍染みたいに空気中に触れて色が変わるらしい。ほかの種類の貝では、生きたまま染色はできないんだって。
この話を知って、なぜか涙がでてきて、泣いてしまった…。貝と人間が対等な立場で共存してるんだ。再生可能な循環を考えていて、貝の繁殖期には染色をおこなわないらしい。すごいよね…。
この糸は男性が染めて、村の女性に渡して布を織るんだって。村の女性は腰機織りで織った布を三枚横に並べて縫ったポサワンコという腰巻のスカートにするそう。
いやね、最近、MoMAの講座でポワサンコの文字が出てきて。あれ?この話…と思って調べたら、ここに繋がったのです。偶然にも、なんか感動。
そして、なんとネットで、ポワサンコが出品されていたので譲って頂きました!!!
30年以上前に作られたとのこと。偶然、私と同じ時代に生まれた布というところにも、また、ご縁を感じてしまいました。
こんな素晴らしいモノが、私のもとに来てくれたことに本当に感謝です。
『紫(むらさき)紫草から貝紫まで』竹内淳子 著、今月はこれを…読み切るのが目標。
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