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コロナウイルスによってGAFAの行方が変わる?(The Economist 2020年5月2日版)

The Economist 2020年5月2日版から、「Big tech is thriving in the midst of the recession」の記事を取り上げてみたい。 テーマは、「これからのGAFAは、コロナウイルスの影響によって見通しが変わってくるのか。テクノロジーはサンフランシスコ(シリコンバレーのあるところ)からシアトルへと移るのか?」について。

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皆さんご存知のGAFA。
4社とも好調である認識は強いし、コロナウイルスの影響においても好調をキープしているように思える。
しかし、この記事に読むとGAFAの力関係は変わっていくような気もしてきた。

結論から言うと、テクノロジーの重心がシリコンバレーのあるサンフランシスコからシアトルに移るのではないかということ。

現在アメリカでは、戦後最大の失業率(unemployment rate)になっている。さらに格差は拡大していくのか。
民主主義や資本主義について考えなおすきっかけにもなる気がしている。

基本概念の整理

■GAFA
・Google、Amazon、Facebook、Appleの4社。
・さらに、Microsoftも加わると合計5社が、米国でいう最大Tech firm。

■S&P500
・アメリカの代表的な500社の株価指数。

■サブスク
・定額料金を支払うことで、一定期間のサービスが受けられること。

■eコマース(Electronic Commerceの略)
・電子商取引のこと。

記事の簡単な要約

Big Tech 5社(GAFA+Microsoft)は、S&P500の20%を占めている。S&P500はアメリカの代表的な会社(大手)の株価指数であるため、その中で20%を占めているということは、かなり大きな会社ということがわかる。

また、その5社はここ数十年で急激に成長した。自分がこれらの会社のことを知ってからまだ10年も経過していない。

そんなTech業界だが、エディターいわく「過去10年間を支配していたビジネスモデルから離れ、サブスクリプション・eコマース・ビジネスインフラストラクチャの新時代に向かっています。」とのことだ。

また、「今まで当たり前に勝ち続けてきたシリコンバレーにあるTech会社が、これから勝ち続けられるのか?」とも言っている。

確かに、伝統的な大企業であるフォードやボーイングと比べると、コロナウイルスの影響を好機に変えているのが、Tech業界であるように見て取れる。しかし、そうでもないというのがエディターの意見。

AlphabetとFacebookの主な収入源は広告収入で、それらは圧迫されている。
またAppleにとっても、デバイスの売上が落ちる可能性が高い。

そんな中、サブスクリプション(NetflixやSpotify)、eコマース(Amazon)、ビジネスインフラストラクチャー(Microsoft)は好調だ。そして、この好調が持続し続ける可能性は高い。

Facebookはビデオ通話の提供の強化を急ぎ、Googleはクラウドコンピューティングの運用を強化している。また、Appleは電話を割り引いてサービス部門を宣伝している。しかし今のところ勝者はMicrosoftとAmazonとなる。
この2社は、いずれもシアトルに拠点をく。

つまり、シリコンバレーのあるサンフランシスコからシアトルへ、テクノロジーの重心が移る可能性が高いということだ。

自身の見解

当たり前のように勝ち続けると思っていたGAFA。
頂点に上り詰めるのはとても速かったが、もしかしたら落ちるのも速いのかもしれない。

特定の会社に力が傾くことは、個人的には賛成しない。
政治的な力もそこに加わるし、格差が広がる可能性も高いためだ。

現に、コロナウイルスの追跡調査をするために、GoogleとAppleが手を組んでウイルスを追跡するアプリを作成中だ。
民主主義の下、それらは本当に許されるのだろうか。国民は受け入れるのだろうか。

追跡アプリについては、台湾では蔡英文総統が説明を尽くして国民の理解を得た。シンガポールでは国民の20%程度しか利用されていないようだ。
(最低でも国民の60-80%は追跡アプリをしようしないと、正確なデータは取れないらしい)

今ではテクノロジーなしには生きられない。ただ、どのようにテクノロジーと共生していくのかは考えなければならない。

まとめ

これからもTech業界からは目が離せない。

普段何気なく利用している、PCやスマホ。ただその裏には、このような力関係があることを理解しておきたい。

これを機に、民主主義や資本主義の在り方を再定義することも必要だ。

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