指輪

デザインとアートにできる経済への手助け-小さなマインドセット-


「陶芸の世界を一気に衰退させた出来事がある!!」


そう熱く語ったのは、今やお皿一枚買うのに半年待ちの超人気陶芸家だ。彼は、という言い方をするのは恐縮してしまうほど、若かりし頃の自分を支えてくれた僕にとって偉大すぎる方でもある。

彼は陶芸の世界を心から愛している。人生すべてを陶芸に捧げてきたと言っても過言ではないだろう。そんな彼が言う陶芸を衰退させた出来事、それは

割れない陶器の開発•販売の開始


だった。

今話題の信楽焼。僕が個人事業主として独立した25歳から関わり始めて11年になる。当時は物が売れない時代やバブルの恩恵を忘れられない親世代と現代のリアルに苦しむ子世代とのジェネレーションギャップなど、地方の陶芸産地は冷えに冷え込んでいた。いや、今もそうだ。


僕はあえてそんな産地に飛び込むことによって、日本という国を根底から変えようと考えていた。まさに地域のマインドリセットだった。


しかし、現実はそんなに甘くなかった。地方で仕事をしたり、田舎と呼ばれる場所に住んだことのある人なら分かると思うが、しきたりや文化が、同じ日本とは思えないくらい存在する。

ちなみにこれから地方で仕事をしたいと考えいる方は有料ではあるが、下の記事を参考にしてほしい。


それでも多くの陶芸家の協力や日本財団などの力、地元企業の力を借りて、日本の伝統文化のために活動を続けていた。

主に以下が事業概要だった。


•埋もれている文化的価値を一般化する

•海外に向けて価値を可視化する

•都内での販売促進

•作り手を語り部に育て、職人をCtoCに慣れさせる

•時代に合わせた商品開発


僕も含め、多くの人たちがお金だけではなく惜しみなくスキルを出し合い、産地のため、日本のため、そして自分たちの家族のために尽力していた。そして、少しずつ色んなことが形になりつつあった、まさにその時。

僕の目に飛び込んできた看板。でもその看板に書かれた言葉の深い意味を理解するのにかなりの時間がかかった。

割れないお皿、売ってます


割れない?

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