ブラシレスモータのこと(1)
大学を卒業して、入社後すぐに工場実習のため地方へ。
CD-R用のスピンドルモータや産業用モータなどを製造するラインに入りました。大きさや形状のバリエーションありますが、ブラシレスモータという種類のモータです。子供の頃よく使ったマブチモータとはちょっと様子が違うようです。
製造工程は様々あります。電磁鋼板をプレス機械で積層した積層コア、その積層コアには緑色の粉がコーティングされます。材料はガラスのようなものだったかと思います。この後に巻かれる銅線と積層コアとを電気的に絶縁する役割を担います。緑色の絶縁層がコーティングされた積層コアがトレーに沢山並んでいます。その積層コアを巻線機にセットする作業は工場実習の期間中の多くを占めました。積層コアを巻線機にセットすると銅線が巻かれコイルになって戻ってきます。銅線がバラバラにならないように軽くねじるようなことをして、新しいトレーに並べていき、それを延々続けるのです。
モーターの種類毎にコイルもそれぞれ違ってきます。積層コアの形状もそれなりに種類があります。外側に突出するティースの数が違ったり、そのティースに銅線が巻かれるのですが、その巻く方向が種類毎に様々に違う訳です。モータの開発部門の所属となることは決まっていたので、このあたりもちゃんと理解しないとダメなんだろうなーと思いながらひたすらにコアをセットし、銅線を結わいてトレーに並べる作業を続けていました。
工場の休憩時間は本当にシビアでトイレに行ったらタバコ2本も吸えないくらいのあわただしさです。そんな貴重な休憩時間を時々コイルの巻き方向をメモする時間に使ったりもしていました。
半年後、東京の開発部門に配属され、私が担当することになったのは数十ワット程度の事務機器用モータでした。新製品は既存の製品よりも要求される負荷トルクが大きかったりする訳です。
今書いているのは相当昔のこと。この後も一般論の範囲で書いていこうかなと思っています。
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