【一発に泣く】ACL 準々決勝 第2戦 鹿島-広州恒大 レビュー
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【一発に泣く】ACL 準々決勝 第2戦 鹿島-広州恒大 レビュー

スタメン

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<鹿島>
・土曜日のリーグ戦で白崎と三竿が負傷。名古と永木が代わって入る。
・ACL登録外のブエノに代わって、チョン・スンヒョンがスタメン起用。
<広州恒大>
・第1戦から2人変更。馮瀟霆と黄博文がスタメンに。

鹿島の攻め筋

広州恒大は守備時は4-4-2のブロック、攻撃時はタリスカが降りて両WGが高い位置を取る4-2-1-3の形を取った。守備時は基本的にブロックを崩さないが、エウケソン、タリスカ、パウリーニョ、楊立瑜の前線4人はほとんどプレスバックせずに攻め残り、実質7人で守って4人で攻める形となった。

これに対して、鹿島はビルドアップへのプレッシングが緩いため、相手1列目の守備は簡単に突破していたが、そこからは大外からの攻撃が多くなり、相手守備網を攻めあぐねる時間が多かった。もっとも、これは相手に追い出されているとも言えるが、リスク管理のためにあえて外からの攻撃を選択していた部分もあるのだろう。鹿島が何より警戒していたのはアウェイゴールを許すことであったし、相手の攻撃の最大の脅威はボールを奪ってからのカウンターだったからだ。中央よりサイドの方がゴールに遠い分だけ、直接ゴールに迫れる可能性は低くなるということだ。

そうした中でアクセントを付けていたのが、前線の伊藤と土居である。伊藤は自身に中々シュートを打てる機会が巡って来なかったが、前線で身体を張り、ワンタッチで味方に落とすポストプレーをこなすことで、味方を確実に押し上げていた。また、土居はいつものようにスペースに落ちては顔を出し、ポゼッションを成立させていた。前半の攻撃が左サイドでボールを持つ機会が多かったのは、彼がハーフスペースでパスの受け手になっていたからだ。ただ、いつもに比べてドリブルで相手陣内に切れ込む動きが少なかったのは気になったが…。

広州恒大の攻め筋

広州恒大も前半は鹿島のプレッシングがそこまで強くなかったこと、またボランチの黄博文が最終ラインまで下りてビルドアップに参加して数的優位を作り出したことから、比較的ボールを持つ時間は作ることが出来ていた。

ただ、だからといってポゼッションするかと言われればそうではなく、軽くプレスを受けた段階でエウケソンか楊立瑜をターゲットにして、ロングボールを蹴ることがほとんどだった。リスクを避けることも狙いだっただろうし、この2人で押し込むことも狙いだったのだろう。なお、この試合の広州恒大の攻めはほとんど右サイドからに偏っていた。右サイドからのクロスでパウリーニョを小泉にぶつけて質的優位から得点を狙っていたのかもしれないが、パウリーニョが本調子ではないことも理由だったのかもしれない。この試合、パウリーニョは終始存在感がなかった。

ただ、広州恒大の攻撃は鹿島守備陣の安定した守りによってことごとく跳ね返されていた。特に犬飼のパフォーマンスには光るものがあり、エウケソンの馬力に苦戦することこそあったものの、空中戦の強さや的確なインターセプトやカバーリングを見せ、守備陣を支えていた。だからこそ、前半CKで町田がマークを外したところからタリスカに決められてしまったアウェイゴールが本当にもったいなかったし、これが最後の最後まで尾を引いてしまう。

特攻プレス決行

後半、2点取らなくてはいけなくなった鹿島は、大岩監督の言うところの「ギアを上げて」死なばもろともの前プレ作戦を決行。これが功を奏し、広州恒大の苦し紛れのロングボールをことごとく回収しては、ショートカウンターの波状攻撃を繰り出していく。そんな中で、51分にプレッシングで相手のパスミスが伊藤に渡ったところからカウンターがスタート。最後は上がっていたレオ・シルバのシュートがセルジーニョに当たってネットを揺らし、これで実質1点差に迫る。ちなみに、広州恒大はゾーンで守っていたものの、スライドやプレスバックの意識があまりないためか、ほとんどレオ・シルバへのケアがなく、前半からレオ・シルバはフリーになる機会が多かったので、得点に繋がるのもある種必然と言える。

鹿島の誤算と広州恒大の対応

レオ・シルバのゴールで押せ押せで行きたかった鹿島だが、後半の20分ごろから足が止まり始め、プレスの強度が落ちていった。特に、これまでポゼッションで起点になっていた土居の消耗が激しかったのが、鹿島にとっては痛かったし、ここから相馬が入るまでの5分間ほどで広州恒大に落ち着く時間を与えてしまったのがことさら痛かった。

鹿島得点後~80分頃まで

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さらにカンナバーロの手当ても的確だった。失点後の押し込まれる状況を見て、すぐさま4-5-1に守備ブロックを変更。全体的にラインも下げさせ、カウンターの脅威を削ってでも人海戦術で守るやり方に切り替えたのだった。

鹿島も相馬、上田と攻撃のカードを切る中で再び攻撃の勢いを増していくのだが、結局は最後までこの人海戦術の前にゴールを割ることが出来ずに苦しんだ。終盤、鹿島は山口を右サイドに入れて、土居を2.5列目の位置に配し、最後は犬飼を前線に上げて攻め続けたのだが、ラストプレーのチャンスでも決め切ることが出来ずにタイムアップ。2年連続アジア制覇の夢はここで潰えてしまった。

まとめ

失点が痛かったのは事実だが、チーム内で空中戦が強い町田のところでマークを外されてしまったのだから、ここに責任の全てを押しつけるのは酷だろう。いるメンバーでは打てる手は打ったが、それでもどこかでもう1点奪っておけば…、という試合だった。

ただ、攻守においてセットプレーで町田が活きるので代えづらいことを考えれば、小池、山口、相馬と2列目をこなすスピードがあるというタイプの似たような選手を3人もいれる必要があったのか、といったベンチ入りの人選などについては再考の余地があるように思える。終盤になって足が止まった土居を代えられずにバランス保持のために効いていたレオ・シルバを下げざるを得なかったこと、ドリブル突破でチャンスを作り出していた相馬や山口を徹底して使いきれなかったことも含めてもう一度突き詰めて、残り3つの大会に再び向かっていくべきだろう。

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