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【いい守備からいい攻撃へ】天皇杯 準決勝 鹿島アントラーズ-V・ファーレン長崎 プレビュー

天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会 準決勝
鹿島アントラーズ-V・ファーレン長崎
12/21(土) 16:05キックオフ
@県立カシマサッカースタジアム

Teams Information

鹿島アントラーズ

・2年連続14回目の天皇杯準決勝
・天皇杯準決勝の戦績は7勝6敗とほぼ五分
・長崎との対戦は3度目。昨季リーグ戦で2試合対戦して、2試合とも2-1で鹿島が勝利
・カシマでのここ2試合は連敗中
・大岩剛監督の今季限りでの退任が発表済み
・川俣慎一郎も契約満了で退団が決定
・上田綺世と相馬勇紀は規定で出場できず

4冠を目指していたチームも、獲れる可能性があるのはこの天皇杯のみ。優勝という結果はもちろん、ACLに本戦から出場できる権利をつかむためにも、何としても良い形で今季を終えたいところ。
チームはリーグ戦最終節の勝利で底は脱した感がある。とはいえ、依然として得点力に不安は残るし、2週間空いてもここまでシーズンを戦ってきた疲労は少なからずあるだろう。ただ、規定で出られない面々を除けば、全員が出場できる状態なのはプラス材料だ。

V・ファーレン長崎

・今季はJ2で12位。1年でのJ1復帰に届かず
・天皇杯ベスト4はクラブ史上初
・ここまでラウンド16で仙台、準々決勝では甲府をサブ組中心で撃破
・髙田明社長は今季限りでの退任が決定
・髙杉亮太、長谷川悠、幸野志有人、中村北斗の退団が決定
・イ・ジョンホ、イ・サンミンも退団が決定。2人は天皇杯にも出場しない
・秋野央樹、ビクトル・イバルボは規定により出場できず

手倉森誠監督を迎え1年でのJ1復帰を目指したが、プレーオフ圏外の中位をさまようシーズンとなり、昇格戦線から脱落して12位に終わることとなった。ただ、サブ組中心での戦いとなったカップ戦では躍進ぶりを見せ、ルヴァン杯ではクラブ史上初のプレーオフステージ進出、そしてこの天皇杯では格上のJ1勢と当たったのが1度のみ、ここまで4試合連続ホームであるトラスタ開催と組み合わせなどに恵まれた面もあるが、見事クラブ史上初のベスト4進出。退任する髙田社長やクラブを長く支えた髙杉の花道を飾るべく、元日の新国立の舞台を狙っている。ただ、中盤の底で司令塔を担っていた秋野と前線で個の力を発揮できるイバルボが不在なのは痛手だろう。

展望

長崎は今季スタート当初はカウンターが主体だったが、夏に秋野とカイオ・セザールという繋ぎに特長のあるボランチ2枚を迎え入れると、そこからポゼッション志向にシフト。狙える時はシンプルに裏へのカウンターを狙うが、それが出来ない時はボランチにボールを集め、彼らとフリーマンのごとく動き回る前線のベテラン玉田圭司の展開力を活かしてサイドにボールを運んで、そこからクロスなりサイド突破なりでゴールに迫るという形を取っている。

守備は陣形をコンパクトにしつつ、ハーフウェーラインあたりをプレスの開始位置に設定して、なるべく高い位置で守備ブロックの網にかけようとしてくるのが特徴だ。

警戒すべきは前線に入る呉屋大翔だ。今季シーズン途中にG大阪から加入すると、J2日本人トップの22ゴールを奪っている。大学時代からずば抜けた得点感覚を持ち、ゴールパターンも多彩だ。エリア内で彼をフリーにしてしまうと、確実に仕事をされてしまうと、彼からいかに自由を奪うかは鹿島守備陣に託された重要なミッションとなる。

基本的に構図としては、鹿島は長崎にボールを持たせて、ブロックを敷いてそこからカウンターを狙うという形になるだろう。長崎のビルドアップは多くの部分をボランチの個の力が担っている。彼らを野放しにせず、ブロックの外でボールを「持たせている」という感覚にさせれば、それほど危ない場面は作られないだろう。時折センターバックの角田誠がハーフスペースからボールを運んで楔を入れることもあるだけに、角田ではなくその相方の髙杉や徳永にボールを持たせるように出来れば、さらにリスクを軽減できるはずだ。

さらに、長崎の前線の選手は前述の玉田しかり、かなり自由に動いてくる。玉田がブロックの外に出て繋ぎに参加した結果、前線の枚数が足りなくなっているというシーンは、今季の長崎の試合で起こっていた現象の一つである。さらに、自由に動くということは攻撃の機能性以上に「ボールを奪われた時に、いるべきところに人がいない」問題を引き起こすことに繋がる。加えて、長崎はネガトラの切り換えに難があるため、まともに相手のカウンターを食らうシーンがリーグ最終節の新潟戦でも見られていた。鹿島にとっては、ロングカウンターに攻め筋を見出せそうだし、ラインは高いが決してスピードに自信があるとは言えない長崎のセンターバックの裏を前線の選手が狙って取れるシーンもあるかもしれない。ボールを奪った後のプレーがカギとなるだろう。

あとは、とにかく先制点だろう。長崎が先制すると、彼らはボールを手放して、撤退する可能性は十分にある。そうなった場合、現状の鹿島がそれを崩すのはかなり難儀しそうだ。逆に先制点を奪えれば、長崎が前がかりになったところをさらにカウンターで突けるチャンスが生まれる。高さで勝るセットプレーも有効活用したい。

予想スタメン

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鹿島アントラーズ
GK
1クォン・スンテ
DF
6永木亮太
27ブエノ
39犬飼智也
28町田浩樹
MF
4レオ・シルバ
20三竿健斗
25遠藤康
41白崎凌兵
FW
8土居聖真
18セルジーニョ
SUB
GK21曽ヶ端準
DF2内田篤人
DF16山本脩斗
MF11レアンドロ
MF30名古新太郎
MF37小泉慶
FW15伊藤翔
監督
大岩剛

V・ファーレン長崎
GK
21富澤雅也
DF
23米田隼也
22徳永悠平
6角田誠
2香川勇樹
MF
40カイオ・セザール
15島田譲
16吉岡雅和
19澤田崇
FW
33呉屋大翔
11玉田圭司
SUB
GK30徳重健太
DF4髙杉亮太
DF13亀川諒史
MF8磯村亮太
MF20大竹洋平
FW17長谷川悠
FW29畑潤基
監督
手倉森誠

遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください