楽習メッセージVOL.91『「やる気」はいらない?!必要なのは今の自分の「全力」!!』

100点ではなくても、100%を出し切る
今をときめく音楽ユニットYOASOBIのボーカルikuraさんが語った一言です。
ボーカルのikuraさんとコンポーザーのAyaseさんはともに20代の若さでありながら、勉強熱心であるのはもちろん、コミニュケーション能力や発信力が非常に高い。まさに今のそしてこれからの時代に求められる人材のように感じます。(ここ数年ハチ、バルーン、ヨルシカ、ずとまよ、、、などボカロ系の音楽にハマっているので音楽の魅力も書きたいところですが、書き始めるときりがないのでこれくらいにしておきます。汗)
彼女のことばに反応したのは、私は授業で子供たちに『やる気はいらないから全力で取り組むことが大切』と伝えているからです。


教育現場において「やる気」があるかないかという話題は良く出てきます。

やる気になってほしいという気持ちは分かるのですが、私は指導する際に「やる気」があるのかどうかを問わないようにしています。

なぜなら、やる気はコントロールできませんし、そもそも自分自身がどうすればやる気になるのか分からないからです。

やる気の意味を辞書で調べてみると「進んで物事を成し遂げようとする気持ち」、「物事を積極的に進めようとする目的意識」などと書いてあります。

が、いずれも気持ちや意識など他人には分かりにくいものです。

にもかかわらず私を含め、保護者の方々もこれまで学生時代に「やる気はあるのか?」と注意を受けたり、「やる気を出せ」と発破をかけられたりした経験があると思います。

頑張ったつもりでも結果や成果につながっていなければ「やる気があったとは言えない」なんて言われることもしばしばです。

そんな私も、数年前までは生徒にやる気があるのかどうかを聞くことで意識を高められると信じ、やる気にさせる方法を一生懸命に考えていたように思います。

しかし、考えても考えてもやる気を出させるうまい方法は浮かんできませんでした。
行き着いたのはいつも「やる気」に満ち溢れていなければならないのか?ということです。
やる気を出すには目標や目的がないと難しいです。

ということは、いつも目標や目的を持たなければならないということになってしまいますが、目標や目的を決めることはすごく時間がかかります。

また、やる気は行動の前に持つべきことのように思うのですが、注意を受けるのは行動結果の後です。

つまり言われる側にとっては過去の行動を治せと言われているように感じてしまいます。

目を向けるべきは現在のはずなのにです。

私自身が無理だと思ってしまうことなので、生徒に要求するわけにはいかないと考えるようになりました。


では、私が子どもたちに求めているものは何かというと、

その場そのとき、つまり現在の行動が「全力」なのかどうかということです。

私が思う全力とは何かというと、与えられた時間がある限り、できないことをできることに変えるための行動の工夫です。

それこそが重要だと考えています。

もし、全力で取り組んでいるのに結果が出せず課題を解決することができないとすれば、工夫のアイデアが浮かばない状態になっているだけだと思っています。

「やる気」という気持ちとは無関係です。保護者のみなさんをはじめ、指導する人、隣にいる友達など周りの大人はみんな子どもたちを応援しています。

その応援に応えるために、全力を出すことが当たり前になるよう指導します。

やる気がないことに厳しくすることはありませんが、全力を出さないことには厳しく指導します。

やる気は気持ちであり気分ですから上がったり下がったりします。

しかし、目の前の課題に対して、たとえやる気が沸いてこない状態でも解決するために最大限の工夫をし行動することはできるはずです。
やる気なんてあってもなくてもいい。

しかし、やるからには「全力」で取り組むべきであると伝え、それを子どもたちが習慣化できるように力を注ぎます。
これまで見てきた活躍している子、前のめりな子、意欲的な子は、何でも目的意識があってやる気があるというわけではなく、目の前の課題に無意識で「全力」を出す習慣がついています。

子どもたちは全力で行動し、成果をつかみとってはじめて次への「やる気」が生まれると私は考えています。

そのためやったこともないうまくいくかどうかも分からないものに対して「やる気」を持ちなさいとは伝えません。
子どもたちを力強く育てていく上で、やる気になれるものを探してあげるという働きかけをするのではなく、全力を出す働きかけができる機会をたくさん作ることの方が大切であるとエデュパークでは考えています。
子どもたち1人1人のやる気は本人にしかコントロールできません。

しかし、全力を出すことは働きかけ次第で習慣化できます。

子どもたちの「全力」をしっかりと応援していただくことで次への目標・目的が生まれ「やる気」を手にしてくれると信じています。

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