校正紙のチェックの仕方(1)

さあ、校正刷りが手元に届いたらすることを…

ここで、間違った指示をすると、とんでもない印刷物になってしまいます。
では、ポイントを絞ってアドバイスするよ!

【色調の確認をする前にすること】

さてさて、校正が届いたら、まず最初にする基本中の基本を教えます!
校正は、次のどれですか?

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では、順に特徴と信頼度をあくまでも個人的なイメージで紹介します。

・PDF
文字校やレイアウトを確認するだけのものです。
画像補正の変化具合や画像修正の確認にも使われます。色見本ではない。

・オンデマンド
実際に、出力されるイメージです。しかし、出力環境や出力機によって多少の誤差が生じます。本生産で同じものが出来ると思わない方がいい。

・簡易校正(大判プリント)
これは前回説明したように、社内のCMS(カラーマネージメントシステム)がしっかり構築されていれば信用できますが、多くの会社は⊿E≦2〜3ですので、目安程度と考えた方がいい。特にハイライト部は別物と思っておいた方がいい

・平台校正
現在は稼働しているかどうかわかりませんが、簡易校正に比べ、インキの発色やイメージは本機(本番で使用する印刷機)に近いと思います。しかし、1色づつ刷重ねていきますので、ウエットトラッピングが変わり全体にしっかりとしたインキ発色の良い仕上がり。

また、経験上ですが、他所(校正屋さん)で印刷することが多いので、ドットゲインと使用しているインキメーカーが違うので色調を合わせるのが大変でした…
簡易校正より少し本機に近い程度と考えておいた方がいい。

・本機校正
名前の通り、依頼した印刷所の印刷機で校正刷りを行います。一番信頼度は高いです。今は、どこの印刷所でも行なっています。それなりに料金はかかります…

こだわりのデザインの時は、リスク回避のためにお勧めします。全台校正する必要はありません。ポイントとなる箇所のみでも構いませんので、印刷所の担当者と相談すればいいと思います。


【色調確認】

いよいよ、色調の確認です。
ですが、色調確認する前に必ず確認して頂きたい箇所を順にアドバイスするよ!

◆ 校正紙の全体に、濃度ムラがないか
印刷物には、必ず刷ムラが発生します。咬と咬尻(上下)・針と針尻(左右)などの確認は必ず行いましょう。

◆ 全色ベタ濃度のインキ発色
校正紙の咬か咬尻にはストリップ(測色するマーク)が付いています。ない場合は、面付け時に紙幅にストリップをつける隙間が確保出来てなかった、印刷所の濃度管理が不十分のどちらかです。また、不要な部分をカットして納品された場合は、絵柄内のベタ部分で確認しましょう。

なぜ確認する必要があるのか?
墨濃度を例にすると、ベタ色が真っ黒の時と濃いグレーに見える時は、網点の階調に差が出るから、必ず確認しましょう。

◆  一枚の写真やイラストがページネーションで分割されてないか
冊子の印刷時には特に注意しましょう。確認しないでOKを出してしまうと、製品になった時、別々の写真がレイアウトされているように見えます。校正紙の控えがある場合は、カットして並べて確認しよう!

◆  印刷不良:汚れ、ヒッキーなど
汚れやヒッキーがあるままOKを出してしまうと、印刷所ではこの程度なら良品と判断される恐れがあるよ。汚れやヒッキーがある場合は、その部分に印を入れてトルって指示しよう。


校正紙など確認するには、きちんと管理されて印刷されているか?
が重要です。管理されていない印刷物に、いくら詳細な朱書き(校正戻し)を行なっても反映される確率は50:50です。色調確認の前にすることを4項目確認出来れば、印刷所から一目置かれる存在になるかもね!


校正紙は、絵柄チェックだけではダメ!!

印刷所の技術と色に対するセンスが、校正紙には詰まってます。
絵柄やレイアウトの確認だけでは不十分です。印刷物の種類によって確認する項目が増えていきますが…

それは次回で…


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