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コミュニケーションロボットを作ることで教えて貰ったアンコンシャス・バイアス。

昨年度末に発表したcocoropaという離れた家族に想いを届けるロボット。それ以来、コミュニケーションというものについて議論したり、色々な家の在り方を聞いたりという機会が増えました。今回のnoteは、そんな中で改めて気付かされたコミュニケーションの当たり前について。

まずはFace to Faceとかリアルが一番良いという意識。
新型コロナ以降、なかなかリアルに会ってのコミュニケーションが難しい期間があり、多くの場で「やっぱりリアルがいいよね~」とか「Webも楽だし、移動時間も無くて良いけど、要所要所のポイントはリアルだよね」と言う声を聞きましたし、私自身も比較的同意してました。なんなら、『人間の本質』的にそうなんだろうなとかも思ったりしてました。

ただし、これが完全なるアンコンシャス・バイアスだ!!ということに気付かされたのです。

「リアルの方が良い」という意見は、基本的にはこれまでの生活、人生をリアルで乗り切ってきたというかリアルな世界で勝ち残ってきた人たちの意見だということに気付かされたのです。ある意味で対面コミュニケーションを得意としてきた人の意見が、「対面が良い」ということなのです。

もしくは、ヒトが有史以来積み上げてきたのが、対面をベースとしたコミュニケーションスキルだっただけで、そのスキルを身につけ、有効に活用いるのがマジョリティだということでしょうか。

このことに最初に気付かされたのは、分身ロボットカフェ。家から出ることが簡単ではない人が、家からでも就労するという仕組みは、遠隔化によりこれまで生まれることのなかったコミュニケーションを生じさせていることになります。

その後、先ほど述べたようなリアルの世界の中でマジョリティになりにくく過ごしてきた出歩けなかった人や人見知りの人たちなど色々な方と話をする機会も頂きました。すると当たり前ですが、リアルよりもオンラインでのコミュニケーションの方が良い、そして新しい世界が広がった気がするという話も伺いました。

考えてみれば当たり前の話なのですが、必ずしも、絶対的にリアルが良いというわけではなく、リアルにすると主にリアルのスキルが高い人としかコミュニケーションが図れないということです。

あまり意識することはなかったのですが、だからこそ大事なことかと思います。D&Iとか言いながら、コミュニケーション手段はリアルだけとかにすると、当たり前ですがリアルが苦手なマイノリティの意見は吸い上げることすらできないのです。

これが一つ目の気づき。
そして、二つ目は、結構多くの人が家族や親族との関係で悩みがあるということ。

もっと当たり前の話かも知れませんが、家族の形は人それぞれ。離れて住む高齢な親のことを心配したり、関係で悩んだり。近くで住む親だからこそ悩んだり。そして、高齢側だけでなく、若い子供との関係で悩む親側も。

冒頭紹介したようなcocoropaがめちゃくちゃ刺さる人もいれば、ま~~~~ったく刺さらない人もいます。このあたりは、現在いろんな実験も繰り返していますので、そのうち詳しい話も紹介できると思います。

現代社会特有なのかはわかりませんが、関係性があることで悩む人、関係性がなくて孤独・孤立に悩む人、色々な方がいることもリアリティを持って、わかるようにもなってきました。引き続き、一緒にいるような感覚である「共在感覚」ということをキーワードにしながら、活動をしていきたいと思います。

特に、結論がある話ではありませんが、コミュニケーションロボットの研究開発を通じて、人と人の関係とかコミュニケーションそのものについて、当たり前のことを意識させて貰える機会になりました。

では、また来週〜。
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安藤健(@takecando)
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