動物園のウェルビーイングから学んだ与えないことの大切さ
今日は昔からお世話になっている学会の特別講演で、旭川市旭山動物園元園長で現在、札幌市環境局参与(札幌市円山動物園担当)の小菅正夫先生のお話を伺いました。
タイトルは、『動物たちと 人間たちの共生 -動物園にみるウェルビーイング』。
あー面白かった!
いろんな観点での話があったわけですが、特になるほどなーと思ったのは、動物園の動物にとってのウェルビーイングとはどういう環境かという話。
「アニマルウェルフェア」みたいな話も当然あったわけですが、その辺りの次の内容として『やることがないからの解放』という話が始まったのです。
動物園で動物が寝ているのは、やることないからだと。なるほど。
今まで行ったことある動物園を思い返せば、ほとんどの場合、確かに寝ている。あれは暑いからかと思っていたが暇だったのか。笑
食事も定期的に与えられ、敵もいなくて、繁殖の相手も与えられる。結果、やることなく、暇になる。それは、動物にとって良い状態(ウェルビーイング)ではないと。
動物にとって何がウェルビーイングなのかは私にはわかりませんが、ゴロゴロ寝てるだけというのは確かに違う気もします。
小菅さんが担当した動物園では、簡単には餌にたどり着けないような様々な工夫がされていたり、草むらの中には毒草が混ぜてあったり、その場にはいない動物の声がたまに聞こえるようになっていたりするそうです。
結果、動物もいろいろと考えながら、それなりに緊張感?のあるウェルビーイングな生活を送れるそうです。
一方で、ヒトはと言うと、昔、松下幸之助は「家事からの解放 」として家電を開発し、今の人間は「スマホからの解放」が必要と言われる。どうやったら、ぼーっとできるのかという話をちょうどしたばかりでもある。動物たちと比べると、忙しすぎるのかもしれない。笑
「与えすぎない」というのは、とても大事な指摘だと思った。与えることで、便利になるし、効率も良くなることは確かにある。でも、それが良いかどうかは別問題ということなのだろう。
北海道の動物園から大切なことを教えてもらった気がした週末でした。
では、また来週〜。
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安藤健(@takecando)
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