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「ロバストなウェルビーイング」というキーワードが巡り巡って。

おおよそ1年前に「2030年 テクノロジーと生きるわたしたちのWell-being」というテーマのパネルディスカッションを企画しました。

『WIRED』日本版編集長の松島 倫明さんのモデレートのもとで、Enhance代表の水口 哲也さん、大阪大学 社会技術共創研究センター 赤坂 亮太さんとのトークという貴重なお時間を頂くことができました。

トークの内容自体の詳細は是非↑のyoutubeを見て頂ければと思います。

その中で、1つずっと引っかかっていたキーワードがあります。それはパネラーの方々が最後に一言ずつみたいなシーンで、赤坂さんが言った

「これからはロバストなウェルビーイングがポイント」

みたいな言葉です。

「ロバストなウェルビーイング」

赤坂さんからは、ご自身の専門である法律などの位置付けを考慮した上で、今後ウェルビーイングを色々な観点で語っていく上で、その議論をよりロバストにするためにも最後の砦としての法律の活用ということが大事になるよ、という示唆を頂きました。

その言葉を聞いた瞬間から、これは結構大事なキーワードが出てきたぞ!という想いを持っていました。

法律的な視点だけではなく、もっとジェネラルにウェルビーイングのロバストさというのはポイントになる気がしました。

簡単に揺らいでしまうウェルビーイングではなく、しっかりとした芯があり、ちょっとやそっとの外部からの揺さぶりではビクともしないウェルビーイング

それは大事でしょ!!みたいな単なる根拠のない直感ですが。


ただし、自分の知識、能力の限界により、それ以上の思考ができなかった。

ロボット屋の端くれとして、ウェルビーイングの「ロバストさ」って何だろうか?と考えるものの、そもそもウェルビーイングに制御モデルってあるのか?、外乱って何だ?と対象が複雑すぎて、ロボットのように制御対象としてウェルビーイングを扱うことに若干ギブアップという気持ちになってました。

地味に悶々とした日々が流れていたのですが、先日緒方壽人さんの「コンヴィヴィアル・テクノロジー 人間とテクノロジーが共に生きる社会へ」を読んでいると、

ハッとさせる文章が書かれていました。


「自立」とは自分一人でしっかりと立つことではない。周りからの支えのいくつかを失ったとしても立てるくらい多くの人に支えられている状況である。

これは!!と勝手にテンションが上がってしました。わたしの頭の中で、「ロバストなウェルビーイング」と「コンヴィヴィアリティ(自立共生)」とが出会いました。

「自立」を「ウェルビーイングのロバストさ」に変えられるのではないでしょうか。

「ウェルビーイングのロバストさ」とは、自分一人でしっかりと立つことではない周りからの支えのいくつかを失ったとしても立てるくらい多くの人に支えられている状況である。

とてもしっくりきました。

もちろん、身の回りで何が起きても変化しない絶対的に良い(wellな)状態(being)があることも大事かもしれないです。ただし、それはけっこう難しい。少なくとも私はそんなに強くないです。笑

ウェル-ビーイングは、周りの多くの存在との絡みの中で実現されます。自分と他人、自分とモノ、自分と自然、自分と社会という多くの関係の中で築き上げられるウェルビーイング。

それらの多様な関係の一部が少々悪い状態(コネクションが切れる状態)になったとしても、ある範囲の中に自分の心の状態が収まっている。そんな感じができれば、自分のウェルビーイングはロバストであると言えるではないでしょうか?

図にすると、こんな感じ!?

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制御などで言われている「ロバスト性」と考え方は違うかもしれませんが、その辺りの整合性はおいおい考えて行きたいと思います。

ロバスト性を高めていくためには、自分にとって大切な関係を複数作り上げていくということが大事になりそうです。

そして、図にしてみて気付いたこととしては、図でオレンジ点線で書いた自分の心が良い状態と感じるレンジを広げていくということも重要ですね。


というわけで、嬉しいのは自分だけかもしれませんが、「ウェルビーイングのロバストさ」と「コンヴィヴィアリティ」の嬉しいセレンディピティがあったので、共有させて頂きました。

では、また来週~

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安藤健(@takecando)

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