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青に包まれた浮かれた世界を外から眺めていた頃


2日前、品川の家からの帰りに誕生日の財布を買うために足を運んだ「テラスモール湘南」のイルミネーションの写真。グランドオープンしたのが2011年11月11日なので、12年目に突入するんだな。ここのオープンの時に働いていた飲食店では壮絶なオープン景気を味わい、社員3人で疲れすぎて、パソコン業務を絨毯の上でやっていたら寝落ちをしてしまったなんてことはザラでした。こんな話をするとやっぱり飲食店ってブラックだよなって思うかもですがその通りです 笑。ただこの時は毎日がお祭りのように目まぐるしかったので、キツかった分楽しかった。寝落ちした時に気付いたら朝4時57分で、発注の受付時間まであと3分しかないなんてこともあった。発注をやり忘れると2日後の納品が全く来なくなるという恐ろしい事が起こってしまうため、発注忘れ=死を意味してました。忘れてなくても連日予想を遥かに上回る客数から欠品の連続で、吉祥寺まで10キロのじゃがいもを1パック取りに行くとか、深夜に車で渋谷にビール樽を取りに行くなど、あらゆる店舗に助けを求めながら毎日綱渡の営業を迎えておりました。そんなだったので、起きたら発注締め切り3分前である事を知った店長の反応速度は人の域を超えていて、まさに6本の手を持つ阿修羅のごとくキーボードで数字を打ち込んでいた時の事は今でも脳に映像として残っています。他にもいつもより早く仕込みが終わり(それでも深夜0時)早めに買う方される喜びでウキウキしながら倉庫から台車で在庫を持ってくる際に、多店舗のウェイティング用ポールに車輪を乗り上げてしまい食材を床にぶちまけて、片付けと仕込みのやり直しで結局帰りが2時になったことがあったり、商業施設からの退去時間(朝5時)をバックヤードにいる時にすぎてしまい、カードリーダーが反応しなくなって閉じ込められてしまったりと、今となっては笑い話だが当時は毎日が生きるか死ぬかの瀬戸際でした。そんな思い出が詰まったテラスモール湘南ですが、オープン時から毎年クリスマスには青を基調としたイルミネーションが点灯されていて、クリスマスの繁忙期で壊れそうになった心と身体に癒しを与えてくれました。地獄のような1日を一緒に乗り切った仲間とプロント前のベンチに座り、この幻想的なイルミネーションと行き交う幸せな家族やカップルを眺めながら、セブンイレブンで買った安酒を寒さか疲れかアルコール不足かわからず震えながら飲んでいる時間が楽しかった。そんな私も家族を持って、イルミネーションを背景に子供の写真を撮ってアップしてるんだから上出来だ。どちらの自分も本当の自分。きっとあの頃の自分が今の自分を見たら、クリスマスの情景として眺められていたのだろうか。今の時間も好きだが、浮かれた世間を仲間と外から眺めている時間も好きだった。あの頃には戻れない。だから思い出は美しいのだろう。そういえば今日は442年ぶりの皆既月食でどちらかと言うと赤い日でしたね。

娘が撮った写真で本日はおしまい。

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