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Vol.1 篠山竜青 人間味のある男

ご存じだろうか?篠山竜青と言う男を。
バスケ日本代表のキャプテンを務める男だ。

メリとハリを見事に使い分け、
ファンをFUNで魅了し、
チームの垣根を越えてファンから愛されている。

バスケ界屈指のエンターテイナー

去年の6月の終わり。
Bリーグとして初めて、
選手によるディナーショーが開かれた。

「飲んで食べてやってください。
熱いものは熱いうちに、
冷たいものは冷たいうちにでいきましょう!」

小気味のいいトークと、
サービス精神たっぷりのおもてなし。
時にはビールの売り子に扮し、
参加者全員と個別に記念撮影まで行う。

あらゆる仕掛けと軽快な話術で、
会場に集まった100人近いファンを虜にする姿に
いちスポーツ選手の
最上級のファンサービスを見た気がした。

「なぜ、バスケ選手がディナーショーを?」
彼の言葉を借りると、
バスケ界は"触れ合いが少ない"らしい。

これは、ちょっと意外だった。
選手のSNS使用率は他の競技と比べても高く、
なんならファンとの触れ合いが多い印象もある。
だが、その理由を聞いて、妙に納得した。

Jリーグは練習もオープンで、
練習場からクラブハウスまでの間は
サインしたりとかは普通。
しかし、Bリーグはどこも練習が非公開で、
出待ちも今はできないので、
ファンとの距離がある。

彼はこういったリアルな活動を通じて、
その距離感を率先して埋めようとしていた。

日本バスケ界のために

篠山と言えば、
これまでBリーグの発展を
一番に訴えてきた男でもある。

例えば、W杯を決めた帰国会見の時も。

これがゴールではなくて、出発点だと思います。
バスケットボールを日本でもっとメジャーにし、
文化にしていくためにも、
世界を驚かせるようなプレーを
していかないといけない。
その為にはBリーグをしっかり
盛り上げていくことが必要だと考えています。

キャプテンとして自分を犠牲にしてでも
常に背中で引っ張る
日本バスケ界のオピニオンリーダー。
当時は、どこかそんな風に見ていた。

もちろん、
それは否定する必要のない周知の事実。
しかし、本人の中では
また違う側面も持ち合わせていた。

「バスケットを広めたい思いは当然あるが、
それは個人の野望と両立できる部分で
根っこの部分はめちゃくちゃエゴイスト」
だと言う。

-自分が活躍することが
Bリーグを発展させる邪魔にはならない-

この言葉は、
あらゆる本質をついていて、
とても大好きな言葉だ。

特別ではなく、あくまで「普通」

底抜けに明るく、
エンターテインメント性にも富む篠山は
メディアに取り上げられる事も多い。
周りの選手と比べても、
会場のファンを巻き込む能力は際立つが、
それでもあくまで自分自身は「普通」だと言う。

普通に落ち込むし、
普通に楽しいときもあれば
普通にめっちゃ暗くなりたいときもある。

一方で、
「いつも元気でポジティブ」といったイメージも
偽りではなく、それもまた自分。

決してどちらも、
作り上げられた虚像ではないのだ。
これは誰しも当てはまる事かもしれない。

一人でいる時と、人前に出る時。
意識してなくても振る舞いが変わってる、
なんて経験は誰もがあるのではないだろうか。
けれどどちらも、本当の自分には変わりない。

我々ファンは、
この「普通」を時折感じられるからこそ
親近感を感じ、応援したくなるのだと思った。

彼を見ていると
メディアの前でさらけ出す「メリ」の部分と、
対照的にコート上で見せる
実直で真摯な「ハリ」の部分とのギャップが
最大の魅力だと思う。

常にある危機感が推進力に変わる

日本代表のキャプテンを持ってさえ、
明日の代表メンバーに
自分の名前があるかどうかは保証されていない。

篠山の場合、特にその危機感が強い気がする。

A代表デビューは2016年、27歳の時。
近い年上の先輩達や、1つ下・2つ下の後輩達が
若くからA代表に招集されるのを横目に、
なかなか、その瞬間は訪れなかった。

チャンスがなかった訳ではなく、
代表招集が期待された14-15シーズンには
左足の脛骨を骨折するなど、
ケガにも悩まされた。

一時は代表を諦めかけたほどの挫折。
その経験が胸に刻まれてるからこそ、
彼のプレーには危機感と覚悟を感じるのだろう。

2018年6月29日。
W杯出場をかけたアジア予選、
相手は強豪・オーストラリア。

開幕から4連敗を喫していた
日本代表にとっても崖っぷちだったが、
直前の親善試合で
パフォーマンスが落ちていた篠山にとっても
生き残りをかけた大一番だった。

6/29 vs オーストラリア 79-78 ○

世界ランク10位の
オーストラリアから歴史的大勝利をもぎ取り
チームの勢いと共に篠山も存在感を増した。
破竹の8連勝。
13年ぶりに自力でW杯出場を掴んだ。

しかし、結果は5戦全敗...

NBAプレイヤー2人を擁し
史上最強と謳われたニッポンが
世界を相手にどこまでやれるのか。

オリンピック前哨戦としても注目を集めたが、
世界はそう甘くはなかった。

9/1 vs トルコ                67-86   ●
9/3 vs チェコ                76-89   ●
9/5 vs アメリカ               45-98   ●
9/7 vs ニュージーランド 81-111 ●
9/9 vs モンテネグロ        81-111 ●

本当の世界を体感してきた日本代表。
"篠山が語ったW杯"に
心を動かされたファンも多いだろう。

今24歳であれば、「いい経験をしてます」と
次の世界までしっかり成長してと言えますけど、
「これをいい経験に持ち帰ります」と言って
そんな顔して帰っていい年齢ではないので、
試合の中でアジャストしなくちゃいけなかった

チェコ戦後のこの言葉を聞いて、
僕は彼の言葉をもっと届けたいと思った。

我らはこれからも"篠山一丸"

"篠山一丸"の意味はさておき、
上手くは説明できないが、
彼の言葉には吸引力がある。
それは発言の一つ一つへの責任、
覚悟の現れのようなモノかもしれない。

そこにファンの想いが重なり、
一体感が生まれる。
まさに"日本一丸"である。

ある時、
バスケキャリアのゴールを
教えてくれたことがある。

川崎で永久欠番になる事。

予想していなかった回答にビックリしたが
彼なら本当に叶えてしまうのではと
思わずにいられない。

ただその為には、
まだまだ何も成し遂げてないと言う。

僕は僕でこのポジションで満足せずに
もっともっと頼られる、
信頼されるポイントガードになりたい。

今年の川崎の強さは圧巻で、
底上げされたチーム力と勢いで中地区を制した。
篠山自身も終盤戦でケガから復活し、
初のチャンピオンの座も視野に入れていた矢先、
シーズンが終わってしまった。

来シーズン、
篠山の言う「結果」を獲りに行く挑戦が
もう一度始まる。
その先に自身が定めるゴールも近づくだろう。

日本代表の活動で言えば
2021年に東京五輪とアジアカップ、
2023年には自国開催のW杯と
日本バスケ界のステージはまだまだ上がる。

当然、その大舞台に彼が立っている事を
我々ファンは望むし、
その為なら全身全霊を惜しまない。

バスケキャリアをかけて彼が紡ぐストーリーを
我々ファンは応援するし、愛を叫び続けたい。

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