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日本一明るい棺工場【工場見学レポ001・共栄】

株式会社共栄を訪問すると、まずはじめに遭遇するのはスタッフさんの明るい笑顔と元気な挨拶です。中でもとびっきりの笑顔で迎えてくださったのが社長の栗原さん!突き抜けた明るさと元気が会社全体の雰囲気を作り上げていて、ついこちらのテンションも上がってしまうほど。入った瞬間に(この会社が製作している棺は良いに違いない)と感じました。今回は棺専門製造の共栄さんのモノづくりと魅力についてレポートしていきます。

快く迎えてくれた栗原社長(右)とスタッフさん
社員さんが工程を楽しく丁寧に説明してくれました


【ポイント1】
100種以上のバラエティラインナップ

共栄の棺は、エコな棺やアートな棺、ペット用の棺、広島カープ仕様の棺、高級な総檜鎌倉彫刻の棺など、バラエティに富んだラインナップが100種以上あります。オフィス内には、代表的な実物の棺が陳列されていますが、一般的に棺はカタログで見比べるだけで、業界では極めて珍しいのだそう。
その理由を栗原さんに伺ったところ
「え?だって見て触らないと、どんな棺がわからないじゃないですか?」
ごもっとも!
なるほど確かに塗装の輝き、貼られた布の織りや質感、木目や彫刻の美しさは、実際に目の当たりにして実感できました。この豊富なラインナップと品質の高さを実感した人から、共栄さんの棺で見送られたいという声が増えているのは納得です。またこれらは参加者への価格以外での選び方の提供にもつながっています。

北斎の神奈川沖浪裏な棺
ラストメッセージと一緒に見送る棺
天女の彫刻な棺
その他、広島カープな棺や寄木な棺など色々

【ポイント2】
息の合った高速連携作業

共栄では多種多様な棺を製造していることもあり、美しい円弧をつくる曲げ加工や、角を滑らかにする削り作業など、多くの工程が手作業で行われています。特に部材のカットと糊付け作業では、男女のスタッフが息を合わせて高速で作業を進めていました。スピーディに円滑に作業が進んでいくのは見ていて心地よく、惚れ惚れします。ただ、夫婦や親族同士ではペアを組まないようにしているのだそう。理由は、家庭やプライベートで揉め事があって関係がぎくしゃくすれば連携に支障が出るかもしれず、品質にばらつきが出たり、生産性が下がったりといったことを避けるため。人の心情にも配慮した工夫は、高い処理能力と品質の維持、安定した生産の秘訣にもなっています。

木材の配置と接着をスピーディーに…
見惚れるほどの見事なコンビネーションで行っています

【ポイント3】
入棺体験会

参加者が実際に棺に入り、蓋を閉め、予め準備しておいた弔辞を読んでもらう「入棺体験会」を開催しています。わたしも実際に体験しましたが、布団の質感や棺の香り、故人の入り心地や気持ちを実感(?)することができました。葬儀では祭壇だけ豪華にしているケースを何度か見かけてきましたが、祭壇ではなく、故人が横たわる棺の質や趣向を優先したいと感じました。実際、近年は家族葬が増え、故人のためにせめて棺はより良いものを選びたいというニーズが高まっているのだそう。また、この入棺体験により、生きている間に大切な人と一緒に棺を選ぶ人も増えています。この体験会により共栄は、商品である棺選定のタイミングを早めています。

みんなに惜しまれる声がけをしてもらいながら、
蓋をされ、弔辞を読んでもらいました。
我ながら安らかな寝顔だ笑


【まとめ】

(1)100種以上のバラエティラインナップ
→他社にはない、購買意欲を焚き付ける付加価値の高いラインナップを実際に見て触ってもらうことで、価格以外で選んでもらう選定理由を参加者に提案する!

(2)息の合った高速連携作業
→見事なまでの高速連携はエンターテイメント性抜群、見学者を魅了する!

(3)入棺体験会
→ 体験を通じ、何十年も早くに選んでもらう仕組みを構築!

株式会社共栄は、その明るい雰囲気、高品質で多様な棺のラインナップ、効率的な手作業による生産、そして体験を重視した入棺体験など、他にない独自の魅力を参加者に伝えることで、多くのファンをつくる、選ばれる企業でした。中でも早くに選んでもらえように、実際に棺に入ってもらうというアイデアは驚きでした。工場見学で単に会社の魅力を伝えるだけでなく、他にどのようなことを提供することができるのか?お客さまにも喜んでもらえ、かつ事業にもメリットになるのか?この事例を踏まえ、ゼロベースで考える価値はありそうです。

オリジナルユニフォームもカッコイイ!
ユーモアも盛りだくさん
エネルギッシュな会長(左)と社長(右)


👇株式会社共栄オフィシャルウェブサイトはコチラ

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