虚像4〜侵された人々〜 この様な事で、何者でも無かった者が何者かになった様な錯覚を覚えても何ら不思議ではない
テレビ等の報道特集で
地方移住者と地元住民との
トラブルが取り上げられる事がある
強調されるのが
[他所者を受け入れない地域の閉塞感]
この手の報道を見た時に、私は強い違和感を覚える
この問題の本質は[地域の閉塞感]なのか?と
「地域の人々が纏まりが無く協力的ではない」
[侵され人]が良く口にする言葉だ
ここで言う[地域の人々]とは
恐らく[地域の事業者]の事を指すのだろう
この様な投げ掛けに湧き上がる疑問がある
何故協力される事が前提なのだろう?
これも二つ目の記事で取り上げた
[侵され人]の特徴だ
地域事業者を纏めたがる
そこで良く[侵され人]が持ち掛けるのが
[地域を巡って貰う型]の[イベント]だ
前述した通り
[イベント]を批判している訳では無い
ただ持ち掛ける[イベント]に
地域事業者を巻き込むと
要らぬ問題や誤解を招きかねない恐れがある
例えば[洋服屋さん]と[魚屋さん]では
各お店に、ご来店されるお客様の
目的/単価/客層が全く異なる
自身が、お客様目線に立てば分かる事だが
[侵され人]の目線に、それは映らない
何故なら、その大半は事業の経験や
集客の経験がない者が殆どだからだ
同じ地域にあると言う安直な素人考えで
纏めようとすれば、お客様目線を度外視した
お粗末な物になるのは明白だろう
その土地で古くから商いを営んでいる事業者の方々は、その辺りを充分に心得ているし、商売のプロだ
ましてや、突然現れた
得体の知れない[侵され人]が纏める事等
到底無理な話しだろう
例えるなら
長年勤める職場に突如現れた能力値も経験値も不明な新人社員が、我が物顔で職場やプロジェクトを纏め、押し進めようとしている
その様な状況をすんなりと受け入れられるだろうか?
もし、協力してもらえる様で有れば、その協力者は
余程に奇特な方か、物事を深く考えないタイプの
どちらかだろう
地域事業者から見た[侵され人]は
「得体の知れない新人社員」
[侵され人]から見た地域事業者は
「他所者を受け入れない閉鎖的な人々」
と言う様なズレが生じる
多かれ少なかれ最初に述べたトラブルの根本的な
問題はここに有る様に思えてならない
例に挙げたのは[地域事業者]だが、[地域住民]に
置き換えたとて、似た様な事だろう
つまり、その土地への理解度が足りていないのだ
二つ目の記事で紹介した<祭り>が良い例だ
<祭り>は、どの地域に於いても、その地域の人々にとってアイデンティティの様な物
安易に外郭から眺めたイメージだけで
「この地域の人はイベントが好き」
「だからイベントには人が集まる」等と
地域性、住民性を括って語れば
反感を買う事になりかねず
一歩間違えれば、侮辱にすらなるだろう
では何故この様な摩擦が起きるのか?
これには、前回の記事で触れた[地方メディア]が
関係している様に思う
[移住] [出店]そして [地域活性化]
このワードを含む物で有れば
人口の少ない地域では
良くも悪くもニュースになり易く
暫くは取り立てて話題になる
冷静になれば、どの地域でも日々行われている事だ
ニュースになると言う事は、その地域にとって
それだけ希少性の高い事なのだろう
この様な事で、何者でも無かった者が
何者かになった様な錯覚を覚えても
何ら不思議ではない
実は恥ずかしながら、私も経験がある
所謂[悦に入る]と言うやつだ
身を持って味わった経験だからこそ
この様な記事を俯瞰的に書けるのかも知れない
歴史ある土地や地域には
目には見えない風土や風潮は未だに
根強く残されている
そこに住む人々のアイデンティティや
プライドも当然ある
つまりは[領域]だ
安易な[虚像]をぶら下げて
おいそれと踏み込んではいけない
もし、地方への移住を考えている方がいれば
その事を充分に考慮した上で、ご検討頂きたい
次回につづく↓
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