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(小説集) 剣鬼悪辣

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よく分からん奇行短編小説と、連載長編小説です。 暴挙とも思われる事を書いてしまうが、それすら誰かの救いになるのなら、我悪辣の名の下に、太刀を振るう事鬼の如し、そういう事です。
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#コラム

【アロン】

【アロン】

朝焼けが始まる。
俺にとってそれは、見慣れた光景で、景色がブルーに染まってゆくその姿を。
何の、感慨もなく、見ていたんだ。
昨夜の事は、朧げで。消えなかった事を後悔した。

A moment of silence...

「寝てるの?」
顔を上げるのが余りにも面倒で、眼だけ動かして、声の主を探した。女。記憶を辿って見たが、思いつかない。
先刻までの事は、思い出したくない。
確か、そう、カラオケ屋

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