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読まれない文章には「読む動機」がない

これだけ情報やコンテンツがあふれた時代に、自分が書いた文章を読んでもらうのはけっこう大変です。

ブラウザの向こうにいる読み手はNetflixを観たりYouTubeを観たりとけっこう忙しいのです。人生の時間も限られています。

そんななか「なぜあなたの文章を読まなければいけないのか?」という理由が必要になります。読んでもらおうと思ったら、その文章を読む「動機」をつくる必要があるのです。

あなたは村上春樹ではない

「書いたものは読まれるはずだ」と思い込むのは危険です。

もし書き手が村上春樹であれば、動機なんかなくても読まれるでしょう。なぜなら「村上春樹だから」です。でも、ぼくらは残念ながら村上春樹ではありません。なので、読んでもらうための動機がいります。

なるべくその文章の早い段階で「読む動機」を示すことです。もちろんタイトルも重要だし、最初の数行も大切です。

読み手が人生の時間を使って、なぜそれを読むべきなのか? 「これを読まなくては損をするかも」といかに思わせられるか?

そこが勝負です。

具体的に「読む動機」にはどんなものが考えられるでしょうか? 思いつく限り挙げてみましょう。

「役立ちそうだから」

いちばんわかりやすいのが「役立ちそうだから読む」ということです。

ノウハウ記事はその典型です。「〇〇を〇〇する方法」とか「〇〇するための7つのコツ」といったものはよく見ますよね。

ノウハウ記事をバカにする人も多いですが、読み手にとっての「自分ごと」にするためには役立つコンテンツをお届けするのは王道です。

また「ノウハウ記事と見せかけて、言いたいことを伝える」というトリッキーな技もあります。とにかくリンクを踏んでもらわないと話は始まらないわけです。

「この記事はあなたにとって利益がありますよ」と示すことで読んでもらえる確率は高まります。

「共感できる/できないから」

人は共感したい生きものです。共感できることが書いてあれば読む動機になります。「あー、それ俺も思ってたよ」とか「自分だけじゃないんだ」と思いたい。それで安心感とか一体感を得るのかもしれません。

いつの時代も「あるあるネタ」はお笑いのテッパンです。人は「あるある」に反応するし、「わかる!」と思うとなぜか笑ってしまいます。

逆に「共感できない」というのも読む動機にはなります。「なんでそんなこと思うんだろう?」「これ、自分と真逆じゃん」と思ったら、気になって読んでしまう。下手をすると炎上になりかねないですが、読む動機にはなるでしょう。

おそらく共感も反発も覚えないものはそもそも感情が動かないので読まれる確率は低くなる気がします。中途半端でどうでもいいものはコンテンツとして弱いのです。

「おもしろそうだから/知りたいから」

これはあたりまえですね。

シンプルに「おもしろそう」「知りたい」というのも動機になります。笑える話、怖い話、エロい話、ミステリー、あとは専門的な話でも「知りたい」と思えば動機になる。

いつの時代も人には「好奇心」があります。そこを刺激する文章であれば動機になります。

「知ってる人の話だから」

芸能人、タレントの記事を読んでしまうのは知ってる人の話だからかなと思います。「くだらないな」と思いながらもつい気になって読んでしまう。それはテレビで観た「あの人」だからです。

全国的な有名人でなくても、インフルエンサーやその業界の有名人の話であれば、気になって読んでくれる人はいそうです。

知っている人についての話を書くのは「読む動機」になりそうです。

「みんなが読んでるから/評判がよさそうだから」

本でも「◯万部突破!」「ベストセラーランキング◯位!」と書いてあると手にとってしまうことはあります。

この「みんな読んでるから」「すでに評価が定まっているから」というのも動機になります。

最近「第三者のレビュー」というのは効果が大きいなとよく思います。

「ぼくの文章おもしろいんで読んでください!」と自分で言うよりも、第三者が「あの文章ヤバイよ!」「読んでおいたほうがいいよ!」と言っていると「なになに?」と見に行きたくなります。

ぼくは自分の書いた記事の感想をよくリツイートでシェアするのですが、それは第三者の感想が威力を持っていると思うからです。

思いつく限り「動機」を並べてみましたがどうでしょうか?

これらの動機をタイトルもしくは最初の数行で示すこと。もしくは、ほのめかすことです。すると読み手側に「文章を読む動機」が生まれます。動機さえできあがれば、あとはこちらの世界に引き込むことができるはずです。

なかなか自分の文章が読んでもらえないなと思ったら、その文章を読む動機がどこにあるのかを一度考えてみる。すると突破口が見えてくるかもしれません。

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