光の啓示01

光の啓示「第1章 自然体」

第1章 裏か表かのつづき 自然体

美術館めぐりをした翌日はウブドのギャラリー巡り、
といっても当時はギャラリストが運営しているギャラリーは1.2軒ほどしかなく、そのほとんどが今でも沢山あるようなアーティストたちのスタジオ兼ショップだった。

バリ2009 137

伝統的なバリスタイルからモダンアートを制作するアーティストたちも徐々にふえてきた時代。

午後はそんなスタジオを回ってアーティストたちの制作を見学していた。
名前は思いだせないが、あるアーティストが抽象画を描いていた。

ちょうど黄色を塗っていたとき、黄色の絵の具が無くなった。
まだ黄色に塗る部分が半分以上残っている。
黄色の絵の具のストックを探したがなかったみたいだ。

黄色の絵の具を買にいくのかな?
そんなことを思いながらみていたら

なんと、
青色の絵の具を絞り出し、
何事もなかったように、その部分を塗り始めた。

え~っ!?
そんなのあり~!

そうきたか!!

私なら、この部分は黄色で塗ると決めて、絵具がなくなった場合は制作を一時中断して、画材ショップに行って黄色の絵の具を買ってきて、続きの部分を塗ることだろう。

しかし、彼は躊躇することなくそこにある色で塗り続けた。

それでいいのか?
作品が制作途中で変わっていってもぜんぜん気にせず
なにもなかったのように、
あまりにも自然に描いていたので驚いた。

私:黄色の絵の具を買にいかないの?

アーティスト:黄色、ひまになったらね。

私:そ、そうなんだ。

今度っていつ?と突っ込みをいれたいところだが、
もくもくと制作を続けているのでやめておこう。

私:えがいてる途中で色を変えることはよくあるの?

アーティスト:そういうときもあるよ。

私:作品が変わってもいいの?

アーティスト:それも流れだからね。

なるほど、流れに逆らわないのもありってことか。
なんか自由でいいな。

そういえばバリ島の人々は、
みんな、肩の力が抜けているというか、
無理してないというか、

自然体なのです。

日本はなんでも揃う豊かな国だ、
でも自然体で毎日楽しく過ごしている人は何人いるだろうか?

生まれてから今までの29年間は、あまり良くなかったな、
良くないなりにも一生懸命に生きてきた。

私は、なんのために生まれてきたのだろうか?
16歳でひとりぼっちになり
働きながら夜間高校へいき
その後も生きるためにいろんな仕事も経験した。

国内外も放浪し自分はなに者なのか、
なにがしたいのか、
どう生きていきたいのか、
必死になって探したけれど、
いままで見つけることができなかった・・・・。

光の啓示01

あの光は、あの音(声は)この道にすすめという
神の啓示だったのか?
あのできごとから、この数日の急展開も
おみちびきということなのか?


そもそもアートが私にできるのか?
コイントスで、バリの神様は日本へもどれとでたけれど、
ほんとにだいじょうか?

このままウブドに残りたいな。
なんか弱気になってきた。

つづく


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1989年の夏、私がアート活動を始めたきっかけになったある出来事から現在に至るまでの経験や出来事を記憶にある限り綴っていきます。

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