家に着くまでが遠足と言われるように、組織になじんで活躍するまでが転職活動です。

転職、採用支援の仕事をしていますが、転職活動というものは、内定が出て入社が決まったらそこでおしまい、ではありません。いい会社に入社できた、やったー!で終わりではないのです。

転職が上手くいく、うまくいかない、を左右するのは、

・転職先が決まる事(一般的に言われる「転職活動」)

だけでなく、

・入社後の事

も大きな要素となっています。

どんなに求められて、面接の時点で相思相愛で入社が決まっても、入社後にボタンの掛け違いが生じて最後には残念な形で退職になってしまう、、という事例も何件か見てきました。

私としては、良い転職先と出会えるようにお手伝いしたいというのはあるのですが、それと同じくらいに、入社するなら、ぜひうまく組織となじんで、長く活躍して頂きたい!と思っています。

(人材紹介のゴールをその方の活躍&組織の発展に置いているのです)

だからね、、

入社が決まった方でも、「この方のこういう部分は、あの組織ではちょっと摩擦や行き違いが起こりそうだな」と思う部分があったら、お伝えするようにしています。

出来れば波風立てたくないし、嫌われたくないし、その方が入社する事は決まっているから、何も言わなくても当社としては売り上げは立つのだけど。

でも私がこれまでの経験から「ここはちょっと気になる」という事に気が付いてしまったら、その方に思い切ってお伝えするようにしています。

求職者の方と企業はお互いに、1時間の面接を3回だとしたら、3時間しか接点を持っていません。一方で私は、求職者の方とも、企業の方とも、それぞれ多くの時間をコミュニケーションで使ってきました。なので双方が分からない、微小な「懸念点」もキャッチする事があるのです。

実は過去に、「ちょっとここは要注意フラグが立っている」という部分を、見て見ぬふりをしてしまったことがあります。入社するのだし、あとは上手くいくように祈ろう、と、、、。結局その方は1年近くでやめてしまいました。どうして見て見ぬふりをして、逃げてしまったのだろうと大後悔をしました。企業にも、その方にも、本当に申し訳なくて、、、。

なのでもう、それからは「その方に嫌われても、怒られてもいい!悪者になってもいい!もはやその方のためなのか、私の自己満足のためなのかも分からないけど、とにかくこの事は話しておいたほうがいい気がする!」

というよく分からないマグマが沸き起こるようになり、そのサインが出たときは意を決して、勇気を振り絞ってお伝えするようにしています。

そんな形で最近は、気になる事がある場合は「入社後の活躍」のための打ち合わせをしています。その後どうなっているか? 先日そのようなセッションを行った方と入社2か月後にお会いした際には、

「いやぁ、あの時高藤さんに、あの話をしてもらってよかったです。仕事内容は経験があるので何をしたらいいか分かっていましたが、会社での立ち振る舞いに関しては、あの話があったおかげで迷走することなくスタートする事が出来ました」

と喜んで頂きました。ちなみにその方は社長さんの評価も高く、ご活躍されています!本当に言ってみて良かった、、。何より私からの話を、まっすぐに受け止めてくれたその方の柔軟な、人間力があったからこそ、なのだと思ってます。


【そしてここから、初めて転職する方へのアドバイス】

転職してまずすることは、組織になじむ事と、業務に慣れる事。自分のすごさをアピールする事は忘れてください。
転職してその後上手くやっている方ほど、最初の段階では意識して、謙虚な姿勢をとって周囲から業務や会社について教えてもらっています。これは若手人材だけでなく、エグゼクティブも同様です。見事なまでに、当社のご紹介で上手くいっている方たちは100%、そうされています。


たとえ変革がミッションで入社したとしても、まずは周りの情報を集め話を聞き、仲良くなり、そこから作戦を立てて実行していくのがセオリーです。(ターンアラウンドマネージャーなども皆さんそうしていますよね)
入社初日から自分のすごさを示して、ついてきてもらおう、という方法は、確率論としては低いと思うのです、、。(が、自信がある方はどうぞ!)

という事で、転職活動といのは転職先が決まる事だけではないのです!残り半分は、入社後の適応の仕方なので、これから転職される方はぜひ、組織へのなじみ方を考えて業務をスタートして下さい。

皆さんの転職が、より良いものになりますように!

(追記)
・・・と書いてみて思ったのだけど、
・自分の事を知る 1/3
・自分に合う会社を探す 1/3
・入社後になじむように努力する 1/3

の割合のほうがしっくりくるかもしれません。自分を知る事も大事ですからねぇ。

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