【受験ノート】大妻女子大学

 大妻女子大学の本部キャンパスは千代田区にあります。都営新宿線の市ヶ谷駅から、徒歩10分です。都営新宿線は京王線に乗り入れています。法政大も最寄り駅は市ヶ谷駅です。二つ隣の神保町の近くに、専修大(法学部)と共立女子大があります。日大法学部や日大経済学部、明治大学も神保町からの徒歩圏内です。京王線に都営新宿線が乗り入れている便利さは、大学生or社会人になってから、痛感します。

 狭山に1、2年次は通って、3、4年は千代田キャンパスに移ると云う時代が、かなり長く続いていました。が、都心回帰のトレンドで、狭山キャンパスの学生をすべて、本部キャンパスに戻し、その勢いで、90’sに創設された後発組だった多摩キャンパスの2つの学部も、本部キャンパスに押し込みました。結果、千代田区三番町の本部キャンパスの人口密度は、NIES (Newly Industrial Economies)の首都並みに高くなり、多摩キャンパスの人口密度は、アフリカの村並みにすかすかになってしまったわけです。

 多摩市の出身の生徒が、多摩キャンパスの学部の千代田移転を歓迎したかどうかは、解りません。小学生の頃は、多摩センターが日本で一番大きな街で、二番目が永山だと信じていた人たちが、いきなり千代田区にwarpしたら、culture shockを起こしてしまうかもしれません。誰よりも悲しんだのは、中央大と法政大の多摩キャンパスの男子学生の筈です。共立女子大が、やはり千代田区に回帰し、実践女子大も日野からほぼほぼ撤退して渋谷に移り、大妻多摩キャンパスの三分のこのJDが、地元から去ってしまったわけです。が、多摩キャンパスに残された人間関係学部の学生の付加価値は一気に高まったと云う見方もできます。ただ、人間関係学部は、福祉とか心理と云った勉強が忙しくて、正直、そう遊べない専攻なので、インカレに入って、リア充を満喫すると云った余裕は、ほとんどないと言えます。福祉や心理、あるいは家政学部の食物、被服、児童と云った実学系は、課題がいっぱいで、「バイト」「リア充」「飲み会」の3つが大学生活のメインだと思って入学すると、「あれ?」ってことになります。栄養とか、看護、薬学と云った国家試験に合格して、資格を取らなければいけない学部は、バイトもリア充も、基本、無理だと考えて進学するくらいの覚悟が必要です。

大妻女子大は、チャラくて、派手だと昔から言われています。そういう学生も確かにいますが、or not のいたって地味な学生もいます。大妻は、割合小さい女子大(白百合とかお茶の水とか)に較べると2まわりくらい、普通の女子大(共立とか実践とか)に較べると、ひとまわりくらい大きい学校です。つまり他の女子大より学生数が多いんです。人間が多いので、派手な読者モデルをやっている女の子もいれば、Kotacafe annexで、ひっそりお茶をしている、ぼっち系の学生もいるんです。大妻女子大の学校案内の見聞きの1ページ目には、指ぬきや針山をモチーフにした、陶器の焼き物を展示しているG棟の階段の写真が掲載されています。指ぬきや、針山を見て、
「うわぁ、イケてる大学だわぁ」と、心をときめかせて、入学して来る学生もいるわけです。

 千代田キャンパスにも体育館やアリーナはあるっちゃ、ありますが(なければ、体育の授業ができません)野外の施設やグランドはありません。千代田キャンパスには、建物しかないんです。ABCD棟(つまり昔からある校舎)は、ひとつの敷地内にありますが、その後に新設した校舎(E棟・F棟、G棟、H棟、J棟など)は、いったん道路に出て、道路を横切って、校舎移動をしなければいけません。大妻コタカ記念館や図書館棟も離れていて、不便です(と云っても中央大とか法政の多摩キャンの校舎移動とは較べものにならないほど、近場ですが)。

 スポーツ系の施設は、全部、多摩キャンパスにあります。体育系部活のチア部とか、ラクロス部とか、サイクリング部とか、ゴルフ部とか、マラソン駅伝同好会などは、すべて多摩キャンパスに通って、活動をしているわけで、まあ、正直、それも大変だなと同情してしまいます。千代田キャンパスへの移動で、もっとも被害を受けているのは、(中大や法政の多摩キャンの男子学生ではなく)大妻の体育系部活の学生たちだと言えそうです。多摩キャンパスに今トレンドのGlobal系の学部を新設する計画もあるようです。国際センターを設置して、そっち方面にもある程度、努力しています。が、そもそものことを言うと、大妻コタカが創設した裁継と手芸の塾がルーツですから、Global 志向と云うよりは、domesticな国内派で、やはり今でも、良妻賢母の育成を目標としている学校だと想像できます。留学先の学費が不要の正規の交換留学のシステムが整っているのは、韓国の国民大学と明知大学の2つだけで、あとは留学先の学費が必要な海外研修先の学校です(留学先の学費が不要な大学が、どれくらいあるのかは、留学を考えている生徒は、学校選びの時に、必ずcheckしておいて下さい。英語圏の大学は学費が高いので、学費不要の交換留学じゃないと、経済的に厳しいと思います)。

 千代田キャンパスでも、多摩キャンパスでも、地域連携的な活動は、ある程度、実施しています。多摩キャンパスの学園祭は、入学を希望するJKよりも、地元の子供たちがたくさん来ます。千代田キャンパスの学生は、日枝神社の祭礼である「山王祭」に参加して、地域の方々と一緒に山車(だし)を引いています。地域のおっさんたちは、想像もつかないほど、超絶、喜んだ筈です。まあ同じような祭礼ノリで、靖国神社のみたままつりの御輿もかついでいます。大妻女子大の学校案内には、必ず靖国神社と千鳥ヶ淵がすぐ傍にあると書かれています。千鳥ヶ淵の方は、インカレでリア充になった早稲田あたり男子学生と、一緒にボートに乗ったりするので多少、関連はあると言えますが、靖国神社の場合、御輿をかつがない限り、ほぼほぼ、絡みはない筈です。閣僚の靖国神社参拝を阻止するために、大妻の学生がピケを張ったなんて話は、一度も聞いたことがありません。

「ジュニアスポーツの選手に食の知識を」と云うイベントも、千代田の食物学科の学生が中心になって実施しています。スポーツをする子供たちに、スポーツ栄養の観点から、食の大切さを伝える活動で、栄養バランスの取れたジュニアアスリート弁当の実食や身体測定などを行っています。

 地域の環境美化活動にも協力し、千代田区の「フロアーロード」のボランティアの方々と一緒に、大学周辺の歩道に花植えなども行っています。

多摩キャンパスでは、子供の創造性を育てるワークショップとして、「リサイクルを学ぼう」と云うタイトルで、学生と地域の子供たちが、ダンボールで工作しながら、リサイクルを学んだりもしています。

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