【受験ノート】共立女子大学

 共立女子大は、千代田区一橋にあります。最寄り駅は、都営新宿線の神保町駅。徒歩5分以内です。位置的には北の丸公園を挟んで、西側に大妻女子大、東側に共立女子大があると言えます。元々は、江戸城の一郭ですから、堀に囲まれています。西側の千鳥ヶ淵には橋はかかってませんが、東側の牛ヶ淵には橋があって、清水門から北の丸公園に入ることができます。北の丸公園は、手入れの行き届いた広々とした公園です。学校のすぐ近くに、緑ゆたかな公園があることは、明らかにメリットだと思いますが、共立女子大は、別段、そのことをアッピールしたりはしてません。

 Campus Bookと云う小冊子で取り上げられているのは、神保町駅の傍にあるボンディと云う欧風カレーの有名店や、石釜で焼くホットケーキが自慢の茶房TAMTAM や、昭和にタイムスリップした気分に浸れるレトロな喫茶店のさぼうるとかです。何故か、とんでもなく離れた皇居外苑をMapで紹介しています。地下鉄の駅にすると3つも離れた皇居外苑に、共立大生が憩いに行くなんてことは、まあ、ないと想像できます。皇居外苑と云うのは、つまり天皇皇后両陛下が、一般参賀で新宮殿の窓のところにお出ましになった時、集まって来ている人たちが小さな旗を振りながら、天皇皇后両陛下のお姿を拝顔する所です。まあ、そんな有名なとこが、すぐ近所にあるんだと云うことをアッピールしたいんだろうと思います。

 私のような進路のベテランたぬきは
「何言ってるんだ。ついこの前まで、1、2年は西八王子に通わせていたじゃないか。それも西八王子の奥。西八王子駅からだと、地下鉄5つ分くらい離れたとこに」と、突っ込みたくなります。あっ、多摩地区のみなさんは、当然、ご存知の筈ですが、多摩には地下鉄はありません。都営新宿線は、新宿のちょい手前あたりから地下鉄になりますが、京王線に乗り入れて来ている都営新宿線の快速橋本行きのことを、地下鉄だとは誰も思ってない筈です。

 西多摩から撤退して、千代田キャンパスにすべての学生を押し込んだため、当然のことながら、人口密度は高くなりました。余裕を持って行動しないと、授業に遅刻してしまいます。キャンパスの混雑状態を多少なりとも、緩和するために、130周年記念事業として、2016年に新2号館をopenさせました。8階建てで屋上があり、SFが今はやりのLearning Commonsです。Learning Commonsを訳すと、学びの共有地です(commons と云うのは中世ヨーロッパ農民たちが自由に使えた入会地と云うのがルーツの意味です)。Learning Commonsに明確な定義はありません。ただ、これも今はやりのActive Learningを実施できるspaceを設置することがきまりのようです。Active Learningは、つまりグループ学習です。Active Learning、Learning Commons、Peer Learning、Service Learning 、Project Based Learning、Learning Portfolioなどなど、取り敢えず、Learningをつけたアカデミックっぽい言葉だけが先行している感じもします。

 共立女子大のLearning Commonsには、畳を敷いて、ちゃぶ台を置いて、座布団を並べている一画があります。
「お一つ、星一徹が乗り込んで来て、ちゃぶ台をひっくり返すとかも、あり?」と、私などold generationは、つい妄想してしまいます。

 新2号館の1、2階を、コミユケーションギャラリーと、名付けています。つまり、ラウンジです。確かにそれなりに広々としていて、混雑緩和には、貢献していると思われます。地下には、体育館と博物館。体育館部活の学生にしてみると、全面、体育館にして欲しかった筈ですが、大学として、権威とハクをつけるためには、博物館と云った施設も設置しておかなければいけないんです。大妻大には、コタカ記念部屋はありますが、ちゃんとした博物館はないので、そこは一歩リードなのかもしれません。大妻には派手なJDもいますが、共立女子大は割とソツなく普通です。無論、ダサい訳ではないです。そこはさすがに千代田キャンパスのJDです。いい感じでお酒落感を出しつつも普通です。スキルの高いnatural makeって感じです。上場企業が一般職で採用するとして、一番は、共立女子大生あたりだろうと云う想像はできます。

 女子大は、どこも出席は厳しいです。授業は少人数ですし、つかず離れず、あたりさわりなく学友と付き合って行くと云うスキルも必要です。空気が読めなければ、当然、やって行けません。が、それは日本の社会の場合、どこに行っても同じです。

 大妻女子大と共立女子大とを比較すると、共立の方が、よりGlobalです。大妻はいまだに国際系の学部は設置してませんが、共立は1990年に国際文化学部を設置しています(その後、国際学部に名称を変更しました)。1990'sは、本当に国際っぽい雰囲気の時代でした。日本人の海外への留学生は、その頃と較べると、今は3分の1以下に減っています。最近、文科省がSGU とかの制度をこしらえて、旗を振り、2020年には東京オリンピックも開催されるので、多少、国際っぽい雰囲気が生まれていると言えますが、1990'sのあの勢いは、ありません。ネットがここまで発達すると、どうしたって、人間は外向きではなく、内向きになってしまうんです。

 共立女子大も大妻女子大同様、地域プロジェクトを立ち上げています。共立女子大には、建築・デザイン学科があります。この学科の学生が、神保町を活性化するために「じんぼうチョウ」と云う、それとなく!蝶っぽいゆるキャラを制作して、神保町で行われているイベントに参加して、イベントを盛り上げています。たとえば、神保町ブックフェスティバルでは、共立女子大の吹奏楽団が演奏して、その周囲をじんぼうチョウが、ふわふわ舞ってる、みたいな。フラのサークルもあります。地域のコミュエティセンターで、フラを踊っているのは、基本、おばさんばかりです。おばさんではなく、現役の女子大生がフラを踊るとなると、付加価値は一気に上昇します。地域のおじさんたちには、今風のストリートダンスとかは、正直、自分たちが知っている盆踊りとは違いすぎて、何が何だか解らない筈です。が、フラですと、多少は、盆踊りっぽいし、おじさんたちでも、充分、ついて行けます。

 就職のケアは、女子大ですから当然、手厚いです。就職対策のプログラムは年間100コマ以上あります。筆記試験対策、応募書類対策、面接対策の三つに重点を置き、個別相談は、経験豊富なキャリアカウンセラーが担当しています。教職を含め、資格関係の指導体制も整っています。が、何よりも立地条件に恵まれています。西生田の山奥とか、稲城の山奥からですと、都心に行くまで、ひと仕事ってとこがあります。移動に時間がかからないことは、生き馬の目を抜く就活の場合、超絶、重要なポイントです。

共立女子大には助手制度があって、学内に80人の卒業生の助手がいて、学生の面倒を見てくれます。学内にいる、フレンドリーなOBと云う位置づけの人たちです。


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