IDFAオプトイン化の影響は広告だけじゃない
iOS14がリリースされて間もなく1ヶ月が経とうとしており、いよいよ新機種が発表されました。
新OS発表当初には、IDFAのオプトイン化という衝撃的な内容に多くのマーケッターや広告関連事業者がド肝を抜かれましたが、後日その実施は来年に延期されるとの発表があり一旦は落ち着きを取り戻しているかと思います。しかしながら、これは「延期」であり「中止」ではないので、近い将来には必ず行われるであろう対応となります。
では、IDFAのオプトイン化はどんな影響を与えるのでしょうか?
IDFAについて最も影響が出るのは広告や計測周りになるかと思いますが、この辺りは専門の方たちが昔から何度もご説明されていますし該当記事も数多く存在している為、今回は『事業会社のデータ活用』という点に絞ってその影響について書きたいと思います。
IDFAについて
そもそもIDFAとは何かを簡単におさらいしておきます。
iOS端末における広告識別子をIDFAと言い、これを活用することで広告主等は各iOS端末におけるユーザー行動をトラッキングが出来、このトラッキング情報を用いた広告配信を行うことが可能となります。
アプリを持っている企業やアプリ向け広告を出したい企業にとって、IDFAの活用は必要不可欠なユーザー識別の手段となっています。
今回の新OSで問題になったものは、仕様変更により利用者の同意がなければ広告主側はIDFAを取得できなくなる点です。これが実行されれば今まで可能であったユーザー識別が出来なくなり、企業の広告施策に大きな影響が出るというのが今回の大きなポイントとなっています。
しかしながら、広告以外にもsの影響は発生しると思われ、そのうちの一つとしてデータの活用が考えられます。
自社のデータ活用に影響が出ないかは要確認
現在の企業のデータ活用の例を一つ上げると、以下の図のような形でデータを活用しているケースが有ります。
【自社データ】 WEBやアプリ、POSで発生するデータを、構築したDMPやCDPに蓄積させる。この時得られるデータは、ユーザーから直接取得できるデータや各媒体の行動データとなります。
【外部データ】 自社では特設ユーザーから得られないデータを外部データから取得するもので、例えば
■パブリックDMP:ユーザーの詳細なデモグラ情報や趣味趣向データ
■3rd partyデータ :他社のアプリやWEBでの行動データ
などを保有しています。
事業会社からすると、自社で取得できないデータを補うことが出来ればより精緻なマーケティング施策が可能となる為、可能な限りこういった外部データを活用してるケースが多く、その際の連携の手段として活用しているのが、ブラウザCookieであったりIDFAであったりします。
よって、今後IDFAについてはユーザの同意が必須となった場合には、自社データの中で外部データと連係が出来るユーザーと出来ないユーザーが存在するようになり、企業としてはこれまでと同様のマーケティング施策が実行できなくなる可能性が有ります。
そのため各企業のマーケティング担当者だけでなく、データに関する担当部署の方々においても、、今回の件で影響が出ないかは確認するほうが良いかと思います。
まとめ
今回はAppleの仕様変更に伴う問題でしたが、マーケティング領域においてはGoogleの仕様変更の影響にも都度対応を迫られるなど、改めてテックジャイアントの影響の大きさを実感しています。
今回のIDFAの仕様変更が実行されることで、これまで広告収益で運営していたアプリなどはほぼ確実に収益の減少に見舞われると思います。そうすると、利用者には無料で提供していたアプリが有料化となるなどの事案が出てくるのではないでしょうか?
柔軟性が本当に求められる時代ですね。
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