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syn学校2時間目~栄養と健康~

こちらの記事はsyn学校という大人のためのオンライン学校のセミナー動画を文字起こしし、最後にセミナー動画をすべて見ることができる記事となっています。

全10回の内容となっており、
0時間目~カラダとココロ~
は無料で全て見ることができるようになっていますので、こちらもぜひご覧ください。

1時間目~人の身体~はこちら。

今回は栄養と健康ということで、ただの栄養学ではなく、「現代における栄養と健康」を考えていくための内容となっています。
それでは早速始めたいと思います!


1.健康とは何か

日常生活の中で、「健康に良い〇〇」というフレーズを耳にすることが多いと思います。
例えば、特定の食事法やサプリメント、健康飲料などが挙げられます。
「この食事法が健康に良い」
「〇〇という成分が体に良い」
「このサプリで健康に」などの情報が溢れています。

しかし何が良くて何が悪いかを議論する前に、そもそも健康とは何か、を考えなければなりません。

まず、健康の定義について考えてみましょう。
日本WHO協会によると、

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」

日本WHO協会より

とされています。これは、単に病気がない状態を指すのではなく、身体的な健康だけでなく、精神的および社会的な満足感が重要であることを示しています。

また、1時間目~人の身体~で詳しく触れていますが、そもそも現代社会では、症状があることが不健康で、症状がないことが健康とされがちです。

しかし、これは大きな誤解です。
実際には、症状があることこそ身体が適切に反応しているサインなのですから。

例えば、風邪をひいたときに発熱するのは、身体がウイルスと戦っている証拠です。
ウイルスが体内に入ってきても適切に反応できなければ熱も咳も鼻水も出ず、徐々に弱っていき最後には死んでしまいます。

つまり症状こそが身体の正常な反応であり、今の自分の状態を教えてくれるヒントなのです。

重要なのは、健康も栄養も手段であるということです。
多くの人が「健康になりたい」と願いますが、その目的は何でしょうか?
健康であること自体が目的ではなく、健康な心身で「何を」したいのかを先に考える必要があります。

例えば、
「家族と楽しく過ごしたいから健康でいたい」
「こんな仕事をしたいから健康でいたい」
といった具体的な目的があるはずです。
この順番こそ、何よりも大切なのです。


2.治療食と日常食

食事法を考えるとき、概念として大きく「治療食」と「日常食」に分類することができます。
この分類は、食事の目的や用途によって異なります。

健康維持や病気予防、症状の改善など、それぞれの目的に応じた適切な食事法を選ぶことが重要です。

治療食とは、不健康な状態や特定の健康問題を改善するために行う食事のことです。
つまり、特定の方向に偏ってしまった身体を元に戻すため、逆側に偏った食事をすることなのです。

糖質制限食やケトジェニック、マクロビオティック、ファスティング、MEC、あらゆる「健康に良い」と言われている食事法は治療食です。

そのため、ある食事法をして体調が良くなったとしてもそれは「あなたの身体がその逆側に傾いていただけ」であり、その食事法は一時的に効果を出しただけなのです。

しかしほとんどの人は、自分がよくなった食事法を「ずっと続けて」しまうのではありませんか?

すると当然ですが、今度は反対側に傾いてしまうのです。

治療食については、以下の点を抑えておきましょう。

  • 即効性が高い:急激な栄養変動が体内で起こるため、効果がわかりやすい。

  • 目的が明確: どんな偏りを戻すためにその食事法を選択するかを明確にする。

  • 短期間で実施: 治療食、なので数週間から長くても3か月程度でやめる。
    ※長期間すると体調を崩す要因となる


日常食とは、日々の生活の中で長期間にわたって取り組む食事法です。

治療食とは違い、長期的な視点が含まれるため、栄養素だけで考えてはいけません。産地や飼育方法、食べ合わせ、時期、誰と食べるか、どうやって食べるかなど色々なことを考慮する必要があります(詳細は後述します)。

日常食は以下のような特徴があります。

  • 即効性は低い: 当たり前ですが、劇的に変わることはありません。

  • 持続可能: 長期間続けることができるように、種々のリスクが少ない選択をする。

  • 包括的に考える:完璧主義にならず、ざっくりと捉える


治療食と日常食の使い分けについて簡単にまとめてみます。

  1. 期間を決める: 治療食は短期間で行うことが前提です。通常、1~2週間から数か月間で行います。

  2. 目的を明確にする: 具体的な健康問題や症状を改善するために治療食を選びます。目的が達成されたら日常食に戻すことを忘れないようにしましょう。

  3. 変化を観察する: 治療食を行う際は、体調や症状の変化をしっかりと観察します。変化が見られない場合や悪化する場合は、食事法を見直す必要があります。

  4. 治療食は治療の一環であると自覚する: 治療食はあくまで治療の手段であり、日常的に続けるものではないのです。

あらゆる薬が健康な身体には毒になるように、治療食もまた状態に合わせて使わなければ毒になってしまう、ということを覚えておいてください。


3.様々な食事法のメリットとデメリット

健康志向が高まる現代では、多くの食事法が提案されていますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。ここでは、代表的な食事法について、その特徴や利点、注意点を解説します。

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