見出し画像

作家を目指していた俺の場合

先日アップした自分の原稿の「雑感」を再読していたら「こちらの記事も」的な案内が出ていて、目を通してみると、思っていた以上に多くの方々が小説家・作家を目指しているのだとわかった。中には既に断筆宣言されていた方も。

俺自身の場合は自己紹介でも書いたけれど、大学卒業後は情報誌の編集制作の仕事に就いていた。本が好きだと言う事もあったけれど、仕事内容が想像していた以上に楽しくて。つい最近、ネットで『好きなことを仕事にする』ということに関しての記事を読み、確かに好きなことを仕事にできる人は限られているのだなとも再認識した。実際、情報誌の編集制作の仕事に就くこと自体、ハードルが高い事はよく判っているから。

結局、体調を大きく崩したりしながらも四十代のはじめ頃までは、何とか情報誌の編集制作の仕事にと、実際かなり無理をしていた時期も覚えている。上手く転職できるまでの間は、派遣社員として校正の仕事でも随分と働いていた。そんな中で、三十代のはじめにドラマの脚本の学校に通い、自分でドラマの脚本を書くようになった。それが、時間の経過と共に、小説の方が多くの人に読んでもらえるだろうと思うようになって。

それでも、道が切り拓けたと感じたのは2014年にフランス書院さんのコンクールに応募した官能小説の処女作が二次選考までは通った事実だ。それまでは純文系の作品を書いては大きな出版社のコンクールに応募していたものの、全くの鳴かず飛ばずだった。ほぼ同時期にテレビ朝日のドラマの脚本のコンクールにも自分の作品で応募していて1次選考だけは通ってくれた。

この二つの事実は、自分がそれまで積み重ねてきたことが間違っていなかったことを教えてくれた。つまり、どんなタイミングにせよ、自分の書いた原稿を読んで認めてくれる人がこの世にいると教えて貰えたようなものだった。

それをきっかけに2018年の2月頃にネットで原稿募集をしている出版社を片っ端から検索して見つけ出し、自分の書いた原稿が何とか出版されることはないものかと期待しながら時を待った。すると、オリオンブックスさまより官能小説での原稿依頼をいただけた。生まれて初めての経験だった。きちんと原稿料もいただけるし、新たな作品が電子書籍として世の中に発表される。嬉しくて天にも昇るような気分だった。

その後も夕霧文庫さまやいるかネットブックスさまとの出会いがあって。勿論、最初はサンプルとなる作品を出版社に送った上で審査があった。どちらの出版社からも認めていただけた。

これまでに自分自身のブログなどでも、こういった自分の経験した内容は何度かアップしてきた。けれど、小説家・作家を志望されている方の目にはあまり届いていないのか、どうなのか。もっと高い理想を持たれているのかもしれないし、そこは何とも言えないけれど。

自分の書いた作品が読者の方に読まれることこそが一番の目的だろうし、そこで対価も得られるのならば、たとえ電子書籍のみの出版であるとしても物凄くありがたいことだと俺自身は考えている。

多くの作品を書き残していく中で、人気のある作品もあれば、不人気の作品もあるだろう。けれど、どんな作品にしても自分にとっては大切で可愛い我が子のような存在なのだし、人気の出るような作品を書こうと自然に誰もが努力するのが当たり前だとも思うし。

俺も今の自分を四十代のはじめには全く想像すらできなかった。デビューできるまでは誰もが不安を抱えながら、前に進もうと足掻いているのだろう。だからこそ、自分自身が遠回りした経験も踏まえた上で、小説家・作家を目指している方々には、原稿募集している出版社への持ち込みをお薦めする。その段階でも採用されなければ、また新たな作品を創作して、別の出版社に原稿を持ち込む作業も惜しんではならないと思う。

廃業してしまったNP文庫さまで出版して貰った作品と併せると、全部で42冊の作品が電子書籍として今現在販売されている。2018年6月に51歳でデビューして、これまでに既に長い月日が経過しているけれど、それまでの自分の人生の積み重ねに無駄な事など一切無かったのだと、今は感じている。勿論、今後も作品を書き連ねていきたいと思う次第だ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?