091 滑落の位置
高山の雪解けがはじまる頃、Instagramのストーリーから「親友が滑落した」という情報が飛び込んできた。といっても滑落した本人が投稿していたので、心配する理由もなく「ご安全に」とだけメッセージだけ送ったのだが、後日話を聞くと、単独であれば助からなかったほどの滑落だったそう。
たまたま滑落した位置がよかったことと、レスキュー知識のある友人と遊んでいたことで、大事に至らず済んだようだ。
「50mの高さで仕事をしても誰も死ぬことはない。危険なのはは2mの高さの時、大丈夫だろうと言う気持ちが死を招く」と、先日取材させてもらった工事会社の代表が言っていた。安心と安全は違う。安心している時ほど安全ではないことを自覚する必要があるそうだ。
命はかからないまでも、制作の現場でもそういうことはある。
しっかりと予算を組んだプロジェクトでは凡ミスはほとんど起きないのに、「タダでいいよー!」なんて気軽に受けた制作では、だいたいミスがおきる。
慣れって本当に怖い。
そもそもこのタイトルである「滑落の位置」は友人であり落語家の「桂九ノ一」の変換でミスして出てきたもの。滑落のやりとりをしすぎたせいか、HPを更新する際にこのような変換が行われた。(とは言え滑落の話も実話で、滑落したのはY哉くん)
僕の名前「たかつゆうじ」は、特に面白い打ち間違えはないけど「祐」の字をかなり高い確率で「裕」と書かれる。
「裕」には裕福や富裕、余裕といった意味があるらしく、「祐」には神が人を助けるという、祐助や天祐という意味があるらしい。僕の名前は岡山神社の神主さんがつけたと聞いたが、なるほどそう言う想いを込めてくれていたのか。
「名は体を表す」と言う意味があるが、確かに裕福でなければ余裕もない僕の名には、祐次がちょうどいい。
神の次に人を助ける人、高津祐次をご贔屓に。
いや、嘘、みんな僕をずっと助けて。
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-こと-
桂九ノ一「ラクゴラモーン vol.07」
滑落の位置こと、桂九ノ一の落語会「ラクゴラモーン」のチラシの撮影とデザインを担当した。
アウトドアでは「滑落」は死に直結するけど、落語家にとっては「落ちる」ことは生に直結する。
滑落の位置は9月15日、動物園前の動楽亭。
ぜひ桂九ノ一もご贔屓に。
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