BリーグとJリーグの昇降格制度の弊害
BリーグはJリーグと同じ昇格・降格が存在します。J1→J2→J3→JFLのように現在バスケはB1→B2→B3が存在し、それぞれ昇格・降格制度があります。
そしてこの制度にもBリーグはテコ入れを始めました。単年競技成績のみによる昇降格廃止を決めました。
これまでB1の下位4チームによる残留プレーオフ、B2の上位4チームの優勝プレーオフがあり、下位2チーム、上位2チームが自動昇降格、3位同士が入れ替え戦となっています。
そして、上のカテゴリーに進むにはライセンスが必要です。B1ライセンスがなければ勝っても昇格することができません。今年のB2の1位と2位の2チームは両方ともライセンスを持っていなかったので昇格できませんでした。
開幕から3年シーズンが経ち、順位とともに考察していきたいと思います。
先にバスケの最高峰であるアメリカのNBAについて話しておくと、昇降格がなく、30チーム(2カンファレンス・6ディビジョン制)でリーグを展開しています。戦力均衡のためにドラフト制度などかなーーーり複雑で様々なルールが存在します。しかも毎年、新しくなったり追加されたりします。
歴史もあり、ビシネス的にも大きく成功している同競技のリーグが存在しているのに、日本のJリーグ、ないしはサッカー式の意味が本当にあるのを考察していきます。
まずは3シーズン分の順位表を比較していきます。
2016-2017シーズン順位
NBLとbjリーグが統合し、Bリーグが開幕したこの年、王者になったのは栃木ブレックスでした。
シーズンも全体の2位。そして、この年に露呈したのが、旧NBLチームがやはり強いという結果でした。
三遠も旧JBLチームでした。降格プレーオフはすべてbjのチームであり、結果、東北のbj出身の2チームが降格しました。地区を分ける必要性は(Jリーグには地区制はない)、あってもせめて東西2地区制で良いのではとこの時すでにSNS上で多くの方が議論されていました。
2017-2018シーズン順位
このシーズンはアルバルクが優勝しました。このシーズンで東地区にいわゆる強豪チームが偏ったことで、3地区制度についてもより懐疑的になりました。公平性もなければ、地域のアクセス、ファイナンスの観点からも必要なのか?そもそもJリーグには存在しない地区制度をなぜ導入したのか?こんなに小さい国での交通費削減は必要なのか?なお、チームによっては他地区の本拠地のがアクセスも良く、距離も近く、金額が安い事実が起きている。それ以上に所属地区によって試合数(対戦カード)が変わり、勝率に大きな影響がおきてしまった。
そしてB2から昇格した2チームが初年度にそのまま降格した。メンバーをあまり変えずに挑んだ西宮、メンバーを大きく入れ替えた島根が揃って降格しました。
これは次の年により表向きになることだが、バスケの性質上、Bリーグの昇降格制度におきる障害が表面化してきました。
2018-2019シーズン順位
アルバルク東京が2連覇で幕が閉じました。このシーズンは、制度において大きな課題が浮き彫りになった1年だったと思います。
昇格した2チーム、2シーズンぶりに復帰した秋田、B3から一気に上がってきた福岡、結果、降格圏から脱した秋田と、経営不振により、勝敗に関係なく自動降格となった福岡にわかれました。3年連続で降格プレーオフにいった横浜が負けるも、B2上位2チームがB1ライセンスを持ってなく最終的に降格をのがれました。
今年も昇格チームがその年に降格、B2においても昨年降格した島根が再び来シーズンに昇格します。秋田も降格した年に昇格しました。この現象はB1カテゴリーのみならず、B2とB3にも同じことが起きてるので競技特性によるものだと考えられます。
Jリーグの昇格降格クラブの比較
(引用:http://soccer-fam.jp/jleague-j2j3-history)
Jリーグで近年もっとも昇格降格を繰り返しているのは、唯一、湘南ベルマーレで、ほぼ毎年昇格降格を繰り返しています。大分トリニータはJ1からJ3まで降格し、J1まで昇格してます。
Jリーグの面白いのがメンバーそのままなのに上位だったクラブが、翌年負けて降格したり、メンバーそのままでも、昇格したJ1でも勝てたり、降格したJ2でも勝てなかったりと、どこが勝つか、結果が読みにくいリーグなのです。世界一どこが勝つかわからないリーグとも言うサッカー関係者もいました。これはサッカーと言う競技特性が関係してると思われます。
競技特性と関わるお金との関連性
サッカーの面白い点はお金を選手につぎ込んでも、簡単に勝てるかわからないという事実です。じゃあバスケはというと、サッカーと比較したらお金をつぎ込めばある程度勝てるスポーツなのです。これはバスケットボールという競技特性が関連していますが、実際にお金で勝てるというのがデータで出てしまっているのです。
Jリーグではヴィッセル神戸がイニエスタ選手の年俸が、J1の他のクラブの1クラブ辺りの総人件費を上回ったにもかかわらず、結果、勝てていません。他にもポドルスキやビジャといったスター選手を集めたにもかかわらず、現在13位(第12節終了時)と低迷しています。
確かに潤沢な資金があれば、スペインやドイツなど圧倒的なビッククラブが勝っている事実があります。
バスケではどうなのか?すでに証明されています。Bリーグの例は後ほど説明しますが、例えばNBAでは1人のスター選手が移籍することで、地区優勝チームが最下位に落ち、1人の選手が加入して最下位争いから1位になる事例もすでにあります。お金をかけ、スター選手を集めると勝てるか否かでいうと、勝つ確率が上がるため、優勝したい想いが強い選手はサラリーよりも勝つを選んで移籍をすることがあるので、近年、スター選手を集める傾向にあります。
しかし、お金で人を集めまくればどこでも勝てるになると面白みがなくなりす。なのでNBAではサラリーキャップという制度を設けています。
◆サラリーキャップとはチームに所属するすべての選手の年俸総額を一定の上限金額を設けて規定するもの。年俸の高騰を抑え、チーム間の戦力の不均衡をなくすことが目的。超えた場合、ラグジュアリータックス(贅沢税)、反則金がチームに課されます。
サラリーと勝率の相関性
Bリーグ、日本のバスケでは「外国人プレイヤー(帰化枠含む)」「チームサラリー」「5人という競技特性」この3つの相関性と比重が大きいため、サッカーと明らかに違う”結果”になってしまうのです。
つまりJリーグ式が障害になってしまうのです。
まずお気づきだと思いますが
・アルバルク東京:4位→3位(優勝)→4位(優勝)
・千葉ジェッツ:6位→2位→1位
・栃木ブレックス:2位(優勝)→6位→2位
・川崎ブレイブサンダーズ:1位→5位→5位
・シーホース三河:3位→1位→9位
・琉球ゴールデンキングス:8位→4位→6位
連続プレーオフ出場した6チームが(三河のみ今シーズン9位で3年連続を逃した)こちらになります。
千葉、東京、川崎、三河、栃木、これらのチームにはいくつか共通点があります。サラリー5000万以上のプレーヤーがいること、そしてサラリーの合計(勝利給やボーナスも含む)が4億以上のチームだと推測できます。
Bleagueが公式で出している決算において”人件費”ですと2シーズンは
・アルバルク東京:③3億1900万→①5億1900万→6億前後
・千葉ジェッツ:①3億6900万→②4億6600万→5億前後
・栃木ブレックス:②3億6700万→③4億7800万→5億前後
・川崎ブレイブサンダーズ:⑦2億2100万→④4億900万→5億手前
・シーホース三河:④3億2500万→⑤4億700万→5億手前
・琉球ゴールデンキングス:⑤2億300万→⑥3億2800万→4億前後
これは選手だけの人件費ではないにしても参考になります。さらに、選手にはボーナスがついてきます。
こちらにはプレイオフ出場経験があるチームです。
・名古屋ダイアモンドドルフィンズ
・サンロッカーズ渋谷
・新潟アルビレックス
・京都ハンナリーズ
・富山グラウジーズ
・大阪エヴェッサ
・三遠ネオフェニックス
サラリー3000万前後のプレーヤーがいること、そしてサラリーの合計が3億前後のチームだと推測されます。
サッカーと比較して勝ちやすい競技なわけです。スポーツチームのオーナーを考えている大きな企業は参考にしてください。勝ち方があります。
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業界内部を割と特殊な立ち位置で知っていて、バスケ界に遠すぎず近すぎずだからこそ、いろんな方面の方から得れた情報に、推測と考察を加えて書こうかなと。なのでバスケにかつて身を置いていた経験と今の仕事から得れた情報、独自の見解を加えたことを書いていたのですが。
さらに深い話は、誤解が生まれないように非公開(有料)にしようかと思います。あ、興味がある方がいたら(需要があれば)書こうかなと思います。いなければ特に書きません。あとはその辺に詳しい人たちと議論した動画配信したい笑
ちょっと公開しにくい情報もあるので...
クラブ経営もリーグ経営もしたことないので評論家と言われてもいいのですが、よくこの話関連の事を聞かれるようになったので書きました。
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