見出し画像

人の悩みなんて。

うちの父の持つ呪いの装備品「職業コンプレックス」。
この装備を身に着けているため、周りの人々を職業で判断してしまうようだ。

私の旦那のこともそうだった。言っとくけど、その仕事辞めたらその人に価値はないよ?そんなの願い下げだよ?と、そういう内容の話を私に言ってきたことがあった。私、この人が好きだから結婚したいって言ってるんですけど。

妹の付き合っていた彼氏のときもそうだった。父は、妹の元彼のことをたいそう気に入っていたらしく、今は別の彼氏がいるというのにも関わらず、「ああ、あの子と結婚すれば良かったのに~良い仕事にも就いていたし、性格も良かった。」などと、いつもいつも言っていたらしい。別れた瞬間に元彼のことが嫌いになってしまう私からすれば、なんと腹立たしい話であろうか。

しかし、なにを思ったのか妹は彼氏と別れて、元彼と婚約をし、同棲まで始めてしまった。まぁ、始めたは良かったが、だんだん結婚に対しての不安が募り、ひと悶着後に婚約破棄となったらしい。現在は、元彼と婚約する前の彼氏とよりを戻して結婚し、子どもを儲けている。
うちの両親はカンカンに怒っていた。

私も妹も、この両親が再婚をすると言ったときには否定することなく受け入れたのに。
親の結婚に子どもは口を出せないのに、どうして子どもの結婚に対して親は色々と文句をつけてくるのか。

子どもには見る目が養われていないからだろうか。
しかし、私から見ればこの両親はもう大人なんだけど、2人とも全く見る目がない。自分のことしか見えていないような気がする。

うちの父のことばかり悪く言っているが、私も呪いの装備を持っている。
「ファミリーコンプレックス」略してファミコンだ。

昨日の朝、母から届いた「夜電話するね。」という一通のLINE。
送ったお中元のお礼の電話だと分かってはいたが、なぜだか大変憂鬱な気持ちになり、朝からそのことだけは考えないようにしていた。電話がくることは変えられないのだが、考えると辛くなるので、思考の中から排除しようと努めていた。
しかし、電話のくる時間が近づくにつれて、自分を誤魔化すのも難しくなり、ため息ばかり出てくる。結局、一人で考えることに耐えられなくなって、旦那に胸の内を聞いてもらった。

少しずつ話し始めると、いつの間にか家族の昔話になり、しまいにはワンワンと泣きながら旦那に思いをぶつけていた。ここ3ヵ月ほど、抗うつ剤を飲み続けたおかげで「元気になったなぁ私。」と思っていたが根っこの部分は何一つ変わっていなかったのか。

遠くに離れているから平気な気がしているだけで、元凶が近づいてくると不安が増幅していく。「また傷つけられるかもしれない。」という恐怖が襲ってきて逃げたくなる。

結局、昨日は涙が止まらず、旦那に代わりに電話に出て貰い、私は浴室に潜伏していた。旦那と母の電話は30分以上続いた。
いったい何を話しているんだろう。
この間、父が言っていた子どもを作れという話だろうか。
何か旦那が傷つくようなことを言われていないだろうか。

心配で心配で堪らなかった。

ようやく私のもとに戻ってきた旦那が、私のことを抱きしめてくれた。私はごめんね、ごめんね、という気持ちになってひたすら謝り続けた。

「今日は俺にも電話を代わってもらおうと最初から思ってたらしい。」

ああ、やっぱり旦那にも子どもについてどう思っているのか問い詰めるつもりだったんだな。

「隣の空き家の外壁が崩れてきて、どうしたら良いか相談された。」

は?空き家?そんなものはどうでもいい。バカにするな。
子どもの話なんだろ。そんな前置きはいらない。

「30分くらいずっと、空き家について聞かされた。」

私はずっと、なにか恐ろしいことを言われると思い悩み、怯えていたが、両親の悩みは全く別ものだったようだ。外壁の話が出てくるなんて、これっぽっちも想像してはいなかった。空き家問題、大変だよね。でも今の私にとっては、これほどどうでも良いことは他にないよ。
人の悩みなんて、本当にしょうもないなぁ。悩んでることがバカバカしくなってしまった。

私の行き場のない悲しみは、実家のお隣さんの外壁とともに崩れ去った。


⋆ ⋆ ⋆ ⋆

昨日は色々と考え込んでしまって、noteを書くことができませんでした。

私の憂鬱な時間と、毎日noteの連続記録カエセ!

「おきのどくですが まいにちのーとのしょは きえてしまいました」
デロデロデロデロデロデロデロデロ デン デロン  ♪

今日から新しくやりなおしです。

ここまで読んでくださって、 ありがとうございます。 mai〓