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5時間くらいかけて書いた特許技術の分析noteを『NotebookLM』でやり直したらサクッと終わってしまった話

こんにちは。マインディアでマーケティングを担当している石渡です。

2年ほど前に、この2つの記事を書きました。

ノバセルとテレシーの特許技術を、特許公報を読み込んで解説するnoteです。僕自身はテレビCMの効果分析にはある程度知見があるのですが、それでも特許公報というのは書き方や言い回しが独特で、あまり読み慣れていなかったので読むのにかなり時間がかかり、読み込み → 理解 → noteの執筆にはおそらく2本合計で5時間くらいかかったと思います。

普段自分で書いたnoteには「スキ」やSNSでのシェアをいただくことはあっても内容に関しての質問を直接いただくことは少ないのですが、この2本のnoteに関してはいろいろと直接ご連絡をいただくことも多く、それだけ「みんな気になるけど読みづらい」のかなと思っていました。

それを、今回はNotebookLMでやり直してみた話です。

書いている人

現在は株式会社マインディアという会社でBtoC・BtoB両方のマーケティングをしています。

何か気になる点があればお気軽に下記Xまでご連絡ください!フォローもしていただけると嬉しいです!
X @takahirostone

NotebookLMとは

Googleが提供するAI を活用したリサーチや執筆する際のアシスタントです。現在はGemini 1.5 Proのモデルが使われていますが、Geminiのチャット機能をベースに独自の資料をソースとして与えることで、より回答の精度を上げられるRAGのような使い方ができます。

ソースとして使うのは一般に公開されている情報であったり、社内で使われているマニュアルであったり、さまざまなものを読み込ませることができます。

特許公報を読ませてみた

特許公報は特許情報プラットフォーム『J-PlatPat』で検索できます。検索して表示したものは、「文献単位PDF」のボタンでPDFとしてダウンロードすることができます。

「文献単位PDF」でダウンロード

今回は「ノバセル」「テレシー」両社の特許公報のPDFをソースとして与え、NotebookLMに解説をしてもらいました。

僕が着目していた差異

この2社の特許について、僕が着目していたのは以下のようなポイントでした。

特に大きく違うのは「CMの残存効果」についてです。ノバセルの場合は、CM放映後n分以内のCV数を過去のデータと比較することで効果を測っていました。

一方テレシーは、CM効果CV数を時間帯別に算出し、残存効果も見積もることでもう少し長いスパンでCVが発生するものとして扱っています(残存効果は一定の期間でゼロになるとされています)。残存効果は枠によって一定ではなく、例えば深夜の放映だと残存が長い(朝になってから思い出してCVすることがあるので)ことや、キャンペーンの前半で流したCMの残存を長く見る(フリークエンシーが高まっている後半の方が単発のCMでの効果が高くなるのでその分を前半のCMに割り当てる)ということなども言及されています。

『テレシー』の特許から見るテレビCM効果の分析方法 より

つまり、残存効果の扱いに大きな違いがあると捉えていました。

NotebookLMによる分析

ノバセルの分析

テレシーの分析

両社の違いに関する分析

分析内容に対する考察

上記画像を見てもらえればと思いますが、もう特に言うことないですね。それぞれの違いを表形式で分かりやすくまとめてくれています。僕が着目していた残存効果の扱い方の違いに加え、評価指標や非放映エリアデータの活用有無などにも言及されています。

これが、質問を投げてから1分もかからずに返ってきます。僕の2年前の5時間さようなら。

注意事項

もはや言わずもがなですが、ハルシネーションや入力した情報の取り扱いなど生成AIを活用する上での一般的な注意事項はありますが、まずはこれで大枠を掴んでから全体を自分で読めば理解もかなり早いのではないでしょうか。

逆にNotebookLMをあまりうまく使えなかった例

僕が担当している業務で社内マニュアルとして大量のGoogleスライドが存在する業務があり、そのスライドをソースとして読み込ませることで、「新入社員オンボーディングの際に何でも質問答えてくれるbot」を作ることを試みました。ですが、これはうまくいきませんでした。

推測ですが、おそらくスライド内のページごとの関連性、スライド同士の関連性、用語の定義などがはっきりせず、AIが解釈しづらい資料になっていたためかと考えています。

目次のスライドを作ったり、用語集を用意したりするともっと精度を上げることができそうです。

最後に

何か気になることがある方、ぜひお気軽にXで絡んでください!


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