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90年代の音楽を知らないアナタへ その76 ANOTHER SAD LOVE SONG(93)/TONI BRAXTON まるで歌謡曲。生涯耳ダコな美メロウグルーヴ

トニブラクストンのデビューからシングル2枚目で大ヒットを記録した代表曲。プロデューサーはベビーフェイス。彼が、「女版ベビーフェイス」と鳴り物入りでデビューさせただけあり、ベビーフェイス特有の繊細な表現力や、霞がかったような柔らかさと力強く深みのある声のダブル要素、音をそのまま出すだけではない豊かな機微のある「聴かせる力」は素晴らしいの一言。もうこれこそが才能といわずしてなんと表現できるかというものである。

わたしが当時彼女を知ったのは、この次のシングル「BREATHE AGAIN」だったが、すぐさまこの声に魅了されアルバムを購入。一曲目に収録されていた「ANOTHER SAD〜」の方が断然いいとオニのようにリピートしまくって今に至るわけである。

そのくせにいまだに飽きていないというのは、わたしのしつこい性格ゆえなのか、この曲の魅力ゆえなのか。まぁあまり追求しない方がいいかもしれないが。

曲はベタなミッドテンポの起承転結ある曲だが、これがまさに歌謡曲のようで。いわゆる「耳で覚える歌」になっている。ふと街中で流れていても耳を奪うし、歌が入ってくるし、歌詞が覚えやすいという3拍子がしっかり揃っている。

アルバム2枚目からはアーティスト路線へ変更するが、このセルフタイトルのアルバムはこの歌だけでなくトニの歌を集中して聴かせてくれる粒揃いなのだ。そして中でもこの「another sad love song」は永遠の耳ダコソングとして、私は死ぬまで聴いているように思う。


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