「いい」は「しなくていい」の「いい」
娘、昨日は日中ずっと寝ていただけでなく私が帰ってきてからもいびきをかいて寝続けていました。たまにものすごく眠る日があるのでそれでしょうか。眠れるならそれでいいです。眠れる時に眠ればいい。明日の朝まで起きなくたっていいじゃないか、にんげんだもの。
11時を過ぎても起きてきません。クスリ、一回お休みかなあ。今さら一回二回飲まなくても影響はありません。こういう日があってもいいんだ。自分にそう言い聞かせて、そろそろ寝ようかとアイスノンを用意して横になったら娘が起きてきました。
「なんか食べる?」
「いい」
この「いい」は「食べなくていい」の「いい」です。
「クスリだけ飲んで」
「んあ」
急いでクスリを用意します。
「あ、パジャマに血垂れてるから着替えて」
外から見てもわかるぐらいに血が染み出しているのです。パジャマでこれなら下着はどれほど大変なことになっているか。
「いい」
この「いい」は「着替えなくていい」の「いい」です。
「いや、着替えてよ」
「いい」
「じゃ、せめてパンツ型のナプキン履いてよ。履いてないから血垂れてくるんでしょ」
「いい」
何を言っても無駄です。無駄なんです。
クスリを飲んだ娘はトイレにも行かずにまた居間のソファベッドに寝転がりました。
「おやすみ〜」
いつものように返事はありません。
「そうだ、アイスノン、使う?」
数日前、娘が私が用意したアイスノンを勝手に使って寝ていたのです。頭が冷たいのが気持ちいいようです。
「使う」
「じゃ、持ってくるね」
自分のために用意したアイスノンを娘に差し出します。娘が毎日使うんだったら、もうひとつ買ってもいいかもなあ。でも急に「いい」って言って使わなくなったりするからなあ。アイスノンの他に、(元)妻が骨折した際に買った固くならないタイプの冷却剤がたくさんあるので、娘にはそっちを使ってもらってもいいかもしれません。
娘が起きてきたのがちょうど12時、そんなこんなでバタバタして気がついたら12時半ぐらいでした。明日も仕事だ寝なければ。
微妙に眠れません。ラジオを聞きながらウトウトします。寝落ちしてもいいぐらいのつもりです。そしてまさに寝落ちせんというタイミングで娘が叫び始めました。絶叫。ここしばらくややボリュームが抑えられ気味だったのに今日は全開です。別の部屋にいるのにうるせー。のどが裂けるんじゃないかという音量。
なんかこの後も叫ばれると嫌なので声をかけに行きました。
「叫ぶのやめて」
「うるさいッ、死ねッ」
暗闇の中でも娘の視線が定まっていなのが分かります。こういう時、娘には何が見えているんだろうか。何も見えていないのかなあ。なんか聞こえてるんだろうか。幻聴、もうやめて欲しい。
いちおう声はかけたので寝ることにします。これでやめてくれるといいのですが。
私がまた横になった瞬間に絶叫。なんなんだよ、本当。
また声をかけに行きます。
「叫ぶのやめてよ」
「うるさいッ、死ねッ」
「死ねとか言わないで」
「死ねッ、あっち行けッ」
この言葉のまったく通じない感じ。悲しいです。
部屋に戻って横になって、ブツブツ喋っている声は聞こえますが絶叫は収まったようです。寝るか。
寝てたら絶叫で起こされました。
やってらんねえなあ。
娘に声をかけに行きました。
「お願いだから叫ぶのやめて。頼むから。言ってもお願い聞いてくれることないけど、お願いだから叫ぶのやめて。お願いします」
なんか泣きそう。泣きそうなんだよ。なんで深夜に叫ぶのやめてって頼まないといけないんだよ。これはどういう人生なんだよ。
娘は「しゃあああああ」みたいな意味のない言葉を吐き出しています。ただ、今日はだるいのかなんなのか、叫ぶ声だけは元気ですが起き上がって暴力を振るうような気配はありません。そういう気配を感じ取っているから私も何度も声をかけているわけです。なんだろうなあ、このどうにもならない感じは。
部屋に戻ってまたラジオを聴くことにしました。音楽を聴いていると娘のぶつぶつ喋る独り言も少しは気にならなくなります。叫ばれると無駄ですが。
気がついたら娘が静かになっていたようです。2時すぎでした。私はトイレに行ってから寝ました。
朝、7時過ぎに目が覚めました。娘の声は聞こえません。寝ているのでしょうか。居間に様子を見に行きます。いびきをかいて寝ていました。2時すぎから寝たのか。ということは、今日の日中ずっと起きていたら日中起きてう夜寝るサイクルに戻るな。
昨日の私は勘が冴えていたのか、娘用にパックの蕎麦とお惣菜のメンチカツを買ってあります。ご飯も炊けています。起こさないようなるべく静かに過ごして出かけてしまっても、娘の食事は大丈夫です。それでもサラダを用意しました。私の朝食はサラダとメンチカツとキュウリにしました。
さて、そろそろ出かけるかと思ったら娘が起きてきました。起きた娘は洗面所に直行して着替えを始めました。あ、パジャマと下着、着替えるんだ。そうだよなあ、さすがに気持ち悪いでしょ。
着替えてさっぱりした娘に蕎麦を食べるか聞くと食べると言います。用意しました。バナナとヨーグルトもあります。食後にコーヒーも出しました。日中眠れないようにカフェインありで。サラダとメンチカツはお昼に食べてねと念押ししました。クスリも飲んでもらいます。汚れた下着とパジャマはそれから手洗いです。またすごい血の量だ。洗濯機は帰ってきてから回そう。
それが今朝の話。
ちょっと疲れました。
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