【15】コピーライターの私がデザインで入選できた理由
うれしいご報告をひとつ。
米国SpoonflowerのDesign Challengeで入選しました。
毎週違ったお題が出て人気投票で優勝を決めるコンテスト。
エントリー数は毎週600〜1000点以上。1人1点だけ応募できます。
Spoonflowerの登録デザイナーが3万人だから2〜3%がコンテストに参加している計算です。
3万人の中身は:
・プロのテキスタイルデザイナー
・テキスタイルが趣味のグラフィックデザイナー
・テキスタイルが趣味のイラストレーター
・その他一般人
今回のお題は Boardsportsでした。
スキー、スケート、サーフィン、スケートボードなど板乗りスポーツ全般。
結果発表は毎週木曜日、Spoonflowerのサイトで行われます。
先週、600点近いデザインから選ばれた優勝作品がこちら:
きれいですね!
日本の伝統柄っぽい波模様がポップに使われてます。色ごとに地紋やグラデーションをさりげなくあしらって、とても丁寧な作品。
作者のパトリシアさんはカナダ在住のブラジル人イラストレーターで、ペーパークラフトアーティストとしても活躍中。私の拙い作品になぜかしょっちゅう「いいね」をくれる優しい人で、相互フォローしています。
2位以下も繊細で伸びやかなデザインが出そろいました。
色づかいも素晴らしい:
上位はやはりプロが多いなぁ。
昔グラフィックデザイナーだったママさんもいます。
ルーマニア(2位)、カナダ(3位)、オーストラリア(7位)など国もさまざまです。
お題の「ボードスポーツ」をみんな自由に解釈して描いてますよね。
サーフィンやスケボーの板を並べたデザインが多い印象。
次に多いのが板乗りを楽しむ人々や動物たちで・・・あっ!
私の作品がありました!(↓)
27位。黒猫がスケートボードで爆走する絵柄です。
入選できた2つの理由。
1つめはアイデアです。
板乗りをする動物をモチーフに選ぶデザイナーは多いだろうと予測できました(実際多かった)。猫をスケボーに乗せただけではプロのイラストレーターやデザイナーたちに画力で負けてしまう(笑)
そこで今回少しアプローチを変えたんです。
お気づきですよね。
オッドアイ。
目の色が左右で異なる odd eyes の猫を主役に抜擢しました。青と紺。赤と紺。色だけでなく視線も変えてパターンに変化を持たせています。
目の色がいい感じのアクセントになりました。
もう1つはタイトルです。
意外でしょう?
Spoonflowerのデザインコンテストはタイトルも大事。ぞんざいなタイトルの作品はなかなか上位に食い込めません。
Spoonflowerの人気投票を毎週楽しみしている人が世界中にいます。
1000点近いエントリーを全部見るのは楽しいけれど大変で、1作品あたり数秒ずつでも1時間近くかかる。ひよこの雌雄を瞬時に見分けるようにパッパッと選んでいく時、意外にチェックしているのがタイトルです。作者がデザインのどこを見てほしいか、なぜこの絵柄を描いたかを知ることができるから。
たとえば『窓からの眺め』というお題がSpoonflowerから出たとします。
すると自分の作品にも『窓からの眺め』とタイトルを付けてエントリーする人がいる。これではあなたの作品の何がどうユニークなのかを伝えられませんよ〜、とSpoonflower運営さんたちも言っています。
あなたの窓から何が見えますか。
庭、小鳥、街、山々。
うーん、もっと具体的に。
たとえば『毎朝来る雀』『父が丹精した庭』『屋根の恋猫たち』なんてどうですか。そのタイトルに思わず立ち止まり、デザインをしげしげ見てくれる人がいたらしめたもの。1票入れてくれる確率がぐっと上がります。
というわけで私もタイトルをしっかり作りました。
オッドアイの黒猫がスケボーしているので
Odd-eyed black cat skateboarding
うわー、つまんねー(笑)。絵を説明しているにすぎません。そこでこんなふうに変えてみた。
Legendary Odd-Eyed Skater
伝説のスケボー乗りはオッドアイ。
スケートボーダーたちは自分を「skater」と呼ぶそうです。「伝説の」をつけたら物語性が生まれました。誰よりも速いスケボー乗りは黒い子猫だった、そんな絵本が書けそう。
タイトルが功を奏したのか、今回は上位64人中27位に選ばれました。上位に選ばれると通常5ドルのデザイン登録料が免除され、入賞の発表直後からサイトで販売できます。世界中の会員にこういう(↓)カラフルなメルマガも送られます。
上の画像をクリックすると入賞者一覧へ飛べますよ。入選作品を一つ一つ拡大して見られるので楽しいです。
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毎週プロのデザイナーたちの高い壁が立ちはだかりますが、ひるむことなく挑戦を続けたい。
きょうのまとめです。
コピーライターの私がなぜデザインで入選できたか?
それは、私がコピーライターだったから。
すべてのテキスタイルデザインには名前が必要です。愛情こめて良い名前を考えてあげましょう。