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あれはたぶん、不思議の国のアリス症候群。

 小学校の低学年ぐらいまでけっこう病弱でした。
 工業地帯の近くに住んでいたせいか鼻も悪くて、耳鼻科に通っていたんです。

 風邪を引くと辛かった。頭痛や悪寒や鼻づまりに加えて、必ず変な幻が見えていました。熱にうなされて布団をかぶっていると、左手薬指の上に蒸気機関車が乗っかってくるんですよ。機関車が小さいのか薬指が巨大なのか、指の上にすっぽり収まるように乗ってくる。お、重い。半べそで耐えていたのを今も覚えています。

 で、きのう。
 ネットニュースに目が釘付けになりました。

自分の体の一部が大きく、または小さく感じたり、もしくは時間が実際よりも早く過ぎ去っているような、そんな体験をするような症候群

 これですよ、まさにこれ。
 指に乗る機関車の幻は病気だったのか‥‥。

 不思議の国のアリス症候群。
 病名がまたすごい。

 著者のルイス・キャロルも病気の経験者なのではないかという仮説にはびっくり。子供がよくかかる病気で、たいていは自然に治るらしい。

 原因はウイルス!

まだはっきりとしたメカニズムは解明されていませんが、上気道炎発症後やEBウイルス感染症後に起こるケースが多いと考えられているようです。

 私は鼻も弱かったから上気道炎になりやすく、エプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)につけ狙われやすかったのかも。

 その後、父の転勤で桑畑に囲まれた空気の良い所へ引っ越すと、風邪を引いても薬指に蒸気機関車は現れなくなりました。

 重苦しい幻影から解放されたのは何よりでしたけども、魔法を失ったような気もしてちょっと寂しかった(笑)

 似た経験のある人います?


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