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❨519❩1973.2.1.木.曇/ボゴタの街中でスられた!/Bogota:Columbia

2・3日ゆっくりようと思ったところ、何日になるか分からなくなった。
パスポート、トラベル・チェック(600ドル)、その他大切な書類を全部、すられてしまった。

今日に限って、後ろのポケットに入れたのが悪かった。朝10時頃、市内の一番にぎやかな通りの、公園の近くだった。

車の間を通り抜けようとしたら、前から背広のオッサンが来て、2・3度立ち往生した。
何んだこの野郎と思ったが通り過ぎ、5・6秒して、ハッとして後ろポケットをさぐったら、もう後のマツリ。
しまったと思って見渡したが、人ゴミの中。
遅かりし、うらの助だった。
多分、三人ぐらいの組になったスリだったろう。

まずはホテルへ引き返し、チェック・ナンバーの控えを取り、すぐシティーバンクへ走り、届けだけはすませる。
銀行では、ややこしい紙に40分位かかって手続きをすませた。8日かかるというが、あまり当てにならない。
もし戻らなかったら、日本へ帰らねばならないかも。

パスポートの方は、其の後日本大使館へ行ったが、警察の説明が必要という事で、明日に延びる。
約二週間もかかるというし。 アベ・マリヤ!

一体この先どうなる?現金約20ドル。
ホテル代と飯代に、二週間はギリギリの線だ。

スリの野郎、今頃、間抜けのハポネスと、チェックを見ながら腹かかえて笑ってるだろう。まあよくスッたと、俺はほめてやるヨ!
あの時を考えると全く、もう1・2秒早く気がつけば、捕まえられたのにと、腹が立って来るが・・・もう考えまい。この先を気をつけ よう。

ボゴタの中心街

しかし、自転車の時に継ぐ、デカいヘマだ。
全く全く、叩いても叩いてもにぶい頭だぜ!
俺のどうしようもないノンキさに驚いた。
自分では気をつけているつもりなのに、やはり外から見ると、スキがあるのだ。

しかし、こう度々イヤな目に合うと、日本へ帰りたくなる。
もしチェックが戻らなかったら、仕方ないから金を送ってもらい帰るが、逆に考えると、今が俺の体を頭を、ホントに生かすチャンスかも知れない。

裸の状態から、全く頼る者がいない所で、どうして食って行く?つきつめて考えればそこまで行くが、実際にチェックが戻らないと分かってから、改めて考えよう。

あゝ、何んと空しい、それでいてスキッとした夜だ。
何よりも、命あって生きている事だけには感謝はするが。

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