和田崇(㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティングディレクター/経営学修士)

AIベンチャー ㍿Laboro.AI マーケティングディレクター●立教大学大学院 経営…

和田崇(㍿Laboro.AI 執行役員/マーケティングディレクター/経営学修士)

AIベンチャー ㍿Laboro.AI マーケティングディレクター●立教大学大学院 経営学修士(マーケティング論・消費者行動論)→博士後期課程中退●KDDI㍿:クロスメディアプロモーション●G検定保有

最近の記事

” 良い広告担当 ”であるためのディレクションマナーと、その大罪

広告担当、失格折込チラシ、WEBバナー広告、自社HP、スマホアプリ、SEOコンテンツ、リスティング広告、新聞TV・雑誌・交通広告、ノベルティ・・・。20年近く広告主の立場で販売促進やプロモーション、マーケティングに携わり、たくさんの制作物を企画・発信してきました。ですが私自身はこうした制作を自らの手で行うスキルをほとんど持ち合わせていません。これらの制作はすべて広告代理店様、制作プロダクション様、フリーランスデザイナー様などが作り出したもので、私はこうした方々の存在に常に助け

    • 消費者視点のブランド・デザイン ー 記号としてのブランディング

      なぜか存在しない、「消費者視点のブランディング」近年、「デザイン思考」というワードが新たな思考法として注目を集めています。消費者視点に立って観察し、試作し、頭の中でテストを繰り返していくことで最適なアイデアを導出するこの考え方ですが、ブランドもまさにこうした試行錯誤のデザインが必要な領域の一つです。 ですが、ふと考えてみると、”消費者視点”を第一とするマーケティングの一領域であるはずのブランディングにも関わらず、“消費者視点のブランディング”という言葉はあまり聞いたことがあ

      • ブランディングの絶対神、「有名になること」の先へ

        「有名であるため」という神話マクドナルド、Apple、トヨタ、Amazon、無印良品、LUIS VITTON ーー ”ブランド”と聞いて頭に浮かぶ一般消費者を対象にしたBtoC企業ブランドたちの数々。『強いブランドの作り方』といったタイトルの入門書を眺めて見れば、巨額の広告宣伝費を投じられることを前提としたビッグブランドが並び、現実味を感じないことも少なくありません。実際、私自身BtoBブランディングに携わっていますが、同じチームのメンバーから「世の中のブランディングの本は、

        • ブランディングと脳、その“怪しい関係”

          「消費者目線」への疑い新しい知識の多くは学術研究から誕生し、それをヒントに民間企業のR&D部門で研究開発が進められ、企画部門や製造部門の手によって製品やサービスという形で具現化、マーケティング部門の施策を通して私たちの生活へと浸透していきます。 マーケティングという学術がアメリカで誕生し、日本の大学のプログラムにも採用されるようになったは1980年頃と言われています。もちろんそれ以前にも日本ならではの商慣習を伝授するための学問は存在していて、当時は「販売管理論」などの名称で

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          ブランディングには、「変わること」と「変わらないこと」がある

          30年経ったブランディングの現在“ブランディング”という言葉が国内のマーケティング領域でも多く聞かれ始めるようになったのは、バブル真っ只中の1990年代前半。海外のラグジュアリー・ファッションブランドが銀座を始めとした国内主要都市に次々と進出、消費者の買い物嗜好は商品の物的価値から情緒的価値へと大きく変化していきました。学術界でも、デビット・アーカー著の『ブランド・エクイティ戦略』が翻訳版が発売され、マーケティング研究者の必読書になり、ブランドをテーマとした論文の発表数が急増

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          マーケティング・サイコロジーのための20tips | マーケティングとAIと。 (4)

          株式会社Laboro.AIのド文系マーケター、和田です。 今回は、消費者行動・消費者心理を踏まえたマーケティング戦略、「マーケティング・サイコロジー」について、こちらの記事を参考にご紹介していきます。 以外と穴場な消費者行動論マーケティング論には、消費者の行動や心理分析に特化した消費者行動論(Consumer Behavior)という学術領域があります。国内ビジネス界隈でのマーケティング領域では、どうしてもフィリップ・コトラー氏に代表される”マーケティング(=企業サイド)

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          DXに最後の垢。そのレベル感を考える | マーケティングとAIと。 (3)

          株式会社Laboro.AIのド文系マーケター、和田です。 先日参加した、あるマーケティング系の学会でも「来年には『DX』という言葉は消滅しているはずだ」とブッた斬られていましたが、完全にバズワード化してしまった言葉「DX」。 IGS株式会社が今年8月に実施した調査でも、大企業人材の44%がDX業務にネガティブ・無関心であると回答し、「DX」という言葉が登場して数年で結構な嫌われ様です。(*但し、本調査はサンプル数n=298のため、若干信頼性に心配もあります。) DXの定

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          AI時代のマーケターに求められる言語化能力 | マーケティングとAIと。 (2)

          株式会社Laboro.AIのド文系マーケター、和田です。 文系企画職をはじめとするマーケターにもAI技術への理解が求められる時代に入ってきた、という前回のお話しに続き、今回は「能力」という観点でもう少し具体な内容に触れていきたいと思います。 数あるマーケティング領域の中でも、とくにAI導入の要望が多いカテゴリーが、需要予測やレコメンドシステムの開発です。購買を左右する外的要因を踏まえた上で、消費者が欲しているもの、購入タイミング、量を推測するこれらの分野は、言葉は違えど「

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          文系がAIを知るということ | マーケティングとAIと。 (1)

          株式会社Laboro.AIのド文系マーケター、和田です。 ディープラーニング技術の開花と共に「第3次AIブーム」と呼ばれるようになってから早10年、多くの産業での活用例が見られるようになってきました。その有効性が確かめられるにつれ、近年、多くの企業が「AI人材」「DX人材」の採用・育成に力を入れ始めています。 とはいえ、この”AI人材”とはいったいどのようなスキル、知識、ノウハウを保有した人材を指すのかはハッキリとしません。ハッキリしないというよりも、数年単位で求められる

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          AI×マーケティングに必要な発想転換:「データを使う」から「データを作る」へ

          少し前のこと、ある出版社の方から「AI×マーケティングの特集を企画しており、マーケティング分野での目立ったAI活用の事例を教えて欲しい」というご相談を受けました。思い付く事例をお伝えしながらも、最終的には「残念ながら、目立った事例はあまりないと思います。」とお伝えしました。その方は、他にも何人かの方々の話を聞きに行かれたそうですが、やはりパッとするものが見つからなかったようで、その企画は実現に至らなかったと後でお聞きしました。 何を持って「目立った」という言うかは難しいとこ

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          勘なのか、それとも予知なのか。「AI予測」の可能性を考える。

          「AIで需要や売上を予測したい」「AIで未来の消費パターンを予測したい」「AIで生産ラインの欠損率や歩留まりを予測したい」。AI開発を請け負う当社にはこうしたご要望も多く、AI予測に対して多くの期待が寄せられていることを感じます。ですが、AIは本当にこれらの事象を正確に予測することができるのでしょうか。 みなさん、こんにちは。株式会社Laboro.AI のマーケティング担当 和田です。AI(人工知能)について、できるだけわかりやすくお伝えすることを目指したコラム、4回目です

          勘なのか、それとも予知なのか。「AI予測」の可能性を考える。

          日本流、AI活用。フィジカル産業に未来をもたらす「画像認識」の可能性。

          AIがまるで人の目のようにモノを認識するー、ビジネス現場でもこうした事例を多く見聞きするようになってきましたが、実際、AIによってどの程度のことが可能になってきているのでしょうか。 みなさん、こんにちは。(株)Laboro.AI 和田です。AI(人工知能)について、できるだけわかりやすくお伝えすることを目指したコラム、3回目です。今回は、先日のコラム(こちら)でAIができることとしてご紹介した「認識」のうち、「画像を認識する」ということについて、その概要と可能性について考え

          日本流、AI活用。フィジカル産業に未来をもたらす「画像認識」の可能性。

          「AIが顔を認識します」…これ、実際、どゆこと?

          みなさん、こんにちは。(株)Laboro.AIの和田です。AI(人工知能)について、一般の方にとってもできるだけわかりやすくその中身や可能性をご紹介していくことを目指したコラム、2回目です。今回は、1回目のコラム(こちら)で、AIができることとして紹介させていただいた「認識」と「予測」のうち、「認識」にフォーカスを置いて、その内容と可能性を覗いてみたいと思います。 前回もお伝えしましたが、「認識」は人で言う五感に代わる分野だと思っていただくとわかりやすいと思います。五感は、

          で、結局、AIって何ができるの?

          みなさん、こんにちは。Laboro.AIの和田と申します。こちらでは、今何かと注目を集めているAI(人工知能)について、AI開発企業に所属している立場から、みなさんにできるだけわかりやすく、その中身や今起きていること、これからの可能性などをご紹介してまいりたいと思っています。 さて早速ですが、冒頭の質問、「で、結局、AIって何ができるの?」ですが、みなさんはAI(人工知能)と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか。ロボット、ALEXA、AI投資、自動運転、なんとなく未来的な