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2021年に観た映画

なんとなく記録を残すことにしました。感想は控えめ。それほどたくさん観る方ではないけど、観ない方でもないです。基本的には劇場で観たものを。映画は劇場で観たい派。そして邦画多めです。最近はAmazonプライムビデオにもお世話になってるので、時にそっちで観た作品も紛れ込むかも。

●1月1日(祝・金)『私をくいとめて』

主人公みつ子の「誰か私をくいとめてーー!!」の叫びが刺さる。大滝詠一の歌もよくハマっています。のんちゃんの演技、やはり好き。

●1月31日(日)『花束みたいな恋をした』

上等な、良質な映画を観させていただいたという気分。主演二人の演技が素晴らしいのは言うまでもないけれど、特に有村架純さんの普通を演じる様が素晴らしいです。普通は普通に演じても普通にならない。「サンキュー、押しボタン式」「社会性と協調性は、創造性の敵」刺さる台詞も多い(実際の台詞は若干違う可能性大)。昨年観た『罪の声』に引き続き土井監督作品。

●2月3日(水)『ヤクザと家族 The Family』

まさに「集大成」な作品。とはいえ、私が綾野剛さんの演技にはまったのはドラマ『MIU404』からなので、集大成かどうか正直分かるはずもないけれど。渾身の綾野剛だった、ということは間違いない。時々、伊吹藍(MIU404の役名)と言い方が同じだ、と思う瞬間もあったけど、つまりそれは綾野剛の言い方だということですね。普段この手の作品はあまり見ません。でもこれは単なるヤクザのお話ではない。社会の話、生きることの苦しさ、まっすぐであること、人と人との間で生きるということ、いろいろ詰まっていました。監督は『新聞記者』の藤井道人氏。

●3月1日(月)『あのこは貴族』

30代最後の日、休みを確保。ちょうどサービスデーなので何か映画を観ようと決めていました。『すばらしき世界』と迷って、東京生まれ東京育ちのアイデンティティが疼き、今回はこちらをセレクト。観てよかった。私は箱入り娘・華子とは違うし(当たり前か)、東京育ちにもいろいろある。かといって、上京組みの美紀とも違う。だからこそどちらにも共感できるし、全く違う感覚も抱く。誰もが何かしら共感できるんじゃないかな。男性はどうなんだろう?御曹司・幸一郎に共感できる男子は少なそう。

●4月29日(木・祝)『すばらしき世界』

2ヶ月ぶりに映画館へ。年度の切り替わりの時期は忙しかった。上映館がほぼ無くなってしまったものの、近場の映画館で奇跡的に上映していたので行ってきました。社会課題にフォーカスするか、一人の人間の生き様を観るのか、子ども時代のトラウマを背景に観るか、いくつかの視点の置き方があると思う。個人的には、偶然にも同テーマや時代を扱った『ヤクザと家族』に作品の濃さで軍配が上がるかな。長澤まさみさんととキムラ緑子さんのセリフがガツンと刺さった。セリフって奥深い。仲野太賀さん、今後注目です。

●5月4日(火・祝)『街の上で』

久々にミニシアター系を観た!という気分。そうそう、私は学生の頃この手の作品をよく観ていて、自分の心を読まれているようでヒリヒリしたものです。そして、今回は懐かしさとともに観てしまう自分がいました。ヒリヒリした感情は湧かず、あぁいいよねこういうのという気持ち。クスクス笑いながら穏やかな日々を感じされる作品。初心に返れました。

●6月6日(日)『まともじゃないのは君も一緒』

年度末の忙しい時期に見逃してしまった作品が、近くの映画館でたった2週間だけ上映される!ということで行ってきました。「普通」を追究?追求?するその姿に、20代の自分が重なりまして。当時、普通の仕事、普通の家族、普通の・・・ってよくこぼしていたら、とある人に「普通って追い求めてもたどり着けるものかな?」と疑問を呈されて。そうなんだよ、普遍的な普通ってどこにも転がってないんだよ。今ならわかる。にしても、清原果耶という俳優の存在感が半端ない。

●6月22日(火)『明日の食卓』

ようやく観にいけた作品。3人の女優が気になって観に行こうと思いました。一番印象に残ったのは高畑母。瑞々しい演技だった。関西弁の演技がとてもよかった。菅野母はリアリティが凄かった。化粧っ気の無さもリアルだった。尾野母は正直怖かった。子役のサイコパス感も。理解のできなさって怖さをもたらすことがよく分かりました。虐待する人と私は紙一重というテーマにそこまで衝撃ではなかったけど、こういう社会派映画は好みです。

●7月7日(水)『アジアの天使』

邦画の定義って何なんでしょうね…?配給が日本?主人公が日本人?監督が日本人?この映画を見ているとよくわからなくなる。日本人監督が韓国オールロケで撮ってて、メインの登場人物の6人のうち日本人3人、韓国人3人。撮影監督は韓国人だし。結局そんなことどうでもいいんですよね。『紙の月』で印象的だった池松壮亮さんが主演なので観に行ったのだけど、とてもとても良い作品でした。生きることの滋味みたいなものを感じられる。子役もとてもよかった。韓国人俳優のことは全然知らないのですが、3名どの方も魅力的でした。これからは韓国映画も見に行こうと思う。

●7月31日(土)『茜色に焼かれる』

観に行こうか少し迷っていたら、石井裕也監督と尾野真千子さんの舞台挨拶があるという情報をインスタで目にして、慌ててチケットを入手、行ってきました。意識してなかったけど先日観た「アジアの天使」も石井監督。理不尽と一言で片付けてはいけないけれど、そういう中で生きる人への眼差しに共感する。息子役・和田庵さんの演技がとてもよかった。舞台挨拶の尾野さんも、飾らないしとっても親近感を持てる女優さんでした。

●8月4日(水)『SWANEE-野毛探偵事務所-』

クラウドファンディング運営事務局として数ヶ月サポートさせていただいた作品。無事に目標金額にも達し、心置きなく上映を楽しみにしていました。市川徹監督90作目にして引退作品。プロセスを知っていたり、スタッフの皆さんのことを知ってたりすると、正直純粋に作品として楽しむのは難しい。まして今私は脚本の勉強をしているので、その観点で観てしまう。でもトータルで映画を作るっていいよね、楽しいよね、ということを再認識できました。決定稿をいただけたのがめちゃくちゃ嬉しかった!勉強する。

●8月26日(木)『わたしは、ダニエル・ブレイク』

近場の映画館で1日1回限りで上映されると知って、慌ててチケットを取って行ってきました。斎藤工さんの特別リモート登壇もあったので。イギリスも日本も同じだなとしみじみ思った場面が多々。問合せ窓口に電話してもなかなか繋がらず牧歌的なBGMが流れ続けるとか、役所の杓子定規な対応にいらつくとか、シングルマザーの弱みに付け込んでくる輩とか。もちろん本当に親身に手を差し伸べてくれる人がいるというところも。一般的に重めのテーマなのだけど、ちゃんとエンターテインメントになっている。主役のダニエル・ブレイクが本当にいい人で、こういう人が割を食う社会なんだということをすごく感じた。

●8月31日(火)『サマーフィルムにのって』

夏の映画なんだから夏の間に見なければと思い、隙間を縫って映画館へ。前評判通りの良作。すがすがしいほどの青春。役者も素晴らしい。タイムトリップものだけど、あまりにあっさりとした扱いなのも好感。伊藤万理華という役者に興味津々で、東テレ『お耳に合いましたら。』も気になって今さら見始めました。

●9月23日(火)『浜の朝日の嘘つきどもと』

映画館で映画館にまつわる映画を観る。この映画を映画館に観に来ている人はほぼ間違いなく、映画館で映画を観る派。だから、同類がそこに集ってこの映画を観ているということがすでに面白い。この映画をシネコンで上映するのは無粋。話自体もとてもよかった。私も映画館で働きたくなった。ちなみに最近観る映画の高畑充希さん出演率高し。素敵な女優さんです。他の役者もいい味出てた。こういうジワッと染みる作品がやはり好きです。

●10月11日(月)『MINAMATAーミナマター』

ジョニー・デップといえばジャック・スパロウのイメージが強い(「スリーピー・ホロウ」「スウィーニー・トッド」とかも観た)。前評判でこの作品でのジョニー・デップの演技が素晴らしいとのことだったので、絶対に観に行こうと決めていました。水俣病といえば日本で教育を受ければ誰もが学ぶし、不勉強であっても名前を知らない人はいない。でも返って知ってて当たり前すぎて、今改めて考えることなんてなかったのが正直なところ。公害は加害者と被害者が分かれている一方、温暖化や気候変動は誰もが加害者であり被害者である。なんて話があるから、公害がまるで過去のものかのよう感じてしまうけれど、やはり現在進行形であり、世界中で同様の事象は起こり続けている。改めて喚起してもらい感謝。改めてジョニー・デップという俳優に興味津々。

●10月14日(木)『人と仕事』

予告編を観て本編を観に行きたくなる率高めな私です。この作品もそうでした。当初予定していた作品がコロナで撮影中止になり、ドキュメンタリーとしてカメラを回し始めたという経緯の作品。だからノンフィクションということもあるけど、どこかゴールや決まった落とし所に向かって作られている作品ではないと感じました。一方でそれは余白があるということ。観客に考える余地が与えられているということ。色々考えさせられました。今しか撮れない作品。

結局10月14日が最後になってしまいました。2ヶ月もあったのに映画館に行けなかった(行かなかった)理由は主に2つ。
・10月期のテレビドラマがめちゃくちゃ面白かったこと(アバランチと最愛)
・実家の断捨離がめちゃくちゃ大変で休み返上だったこと

ま、そんなこともある。
2021年、16本の映画に楽しませてもらいました!2022年も映画もテレビも楽しもうと思います!

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