耳鼻科医の情報発信

診察室では口で説明することが多いです。説明を補足するために図や映像をまとめました。手術動画や写真については,「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に従って,説明と同意,情報の機密,匿名化など適切な対応をしています。

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マガジン

  • ALSと耳鼻科

    筋萎縮性側索硬化症の患者さんの受け持ちをして思うこと

  • 手術動画のまとめ

    扁桃腺、鼻、頭頸部、耳など手術のニュアンスが伝わるよう、短い動画をYoutubeにまとめています。自分の手術前に鑑賞すると、イメージが湧くと思います。https://www.youtube.com/channel/UCyIagZJ0pY6ETqLMn31auQw

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    子供の扁桃腺とアデノイド

    子供のいびきが大きい時、扁桃腺とアデノイドを手術しますか? よく紹介されますが、昭和の頃は大きければガイドラインもなく切っていました。今は、よく考えて手術します。
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    病気の説明
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    顔面神経麻痺のリハビリ

    顔面神経麻痺の時に自分でリハビリします。顔のマッサージです。医者がやり方を説明しますので、毎日リハビリしましょう。
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    睡眠の悩み

    日本人はどうしてよく眠れないのか。どうしたら良いのか。検査について説明します。
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耳かきは,ほどほどに・・・

耳かきは気持ちいい。耳が痛くて受診する人の多くが耳かきしすぎです。いくら口で説明しても分かってくれないので,このムービーを教えています。静岡県の耳鼻科の先生が作ってYouTubeにアップしています。お世話になっています。ありがとうございます。みなさんも知ってください。

    • 手の入力から視線入力にいたるまで

      ひとくちに同じALSと言っても、一人一人、進み具合が全く違います。ゆっくり進行して準備に時間をかけられる人、あれよあれよと急に進行して間に合わない人がいます。うまく準備できると、閉じ込め症候群にならずに、コンピューターを使って会話できます。 患者の多くは60歳代。コンピューターが苦手の人も多いです。しかし、少しずつ訓練すれば、動画のように視線入力もできます。元気なうちから、先を見越した準備が必要です。 病院にくる患者さんは、呼吸筋マヒのために、ささやき声も出なくなります。

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        CoeFont声フォントで失われた声を取り戻せ

        東京工業大学の学生が立ち上げました。診断書があれば無料で使えます。病気で話せなくなる前に録音すれば、ネット環境があれば、自分の声で話せます。

        • 耳鼻科のネブライザーは何のため?

          毎日やらなくては効果がない 薬液を鼻の隅々まで届けるネブライザー。効果があるのは分かっています。2010年の学会シンポジウムで明らかになったのは、 「やるなら治るまで、毎日やらねばならない」。 効果が続くのは、数時間だからです。現実的ではありません。毎日、混んでいる耳鼻科に通院することは不可能です。しかも、アンケートで18%の患者は、効果を感じていないのに、「次に受診してもネブライザーをするか?」の問いに、42%が「どちらでもよい、医師に任せる」の回答でした。患者さんは

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        • ALSと耳鼻科
          12本
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        記事

          意志伝達装置は優秀

          今、治療しているALSの患者さん。意志伝達装置を器用に使いこなしています。術後大変だったけど、夜勤の看護師さんを口説くまでになりました。 「カレシいるの? かわいいのにいないんだ。もったいない。オレのタイプだなあ」と入力していました。主治医としては、ひと安心です。 親指に貼り付けた小さなスイッチひとつで、文章を入力しています。 病棟には音声で認識するナースコールとマイクがありますが、手術後で声が出ません。しかし意志伝達装置がしゃべるので、ナースコールすることができました。

          意志伝達装置は優秀

          カニューレがいらない喉頭気管分離

          神経難病や筋萎縮性側索硬化症ALSで、気管切開を依頼されます。私は、在宅療養するなら、気管切開でなくて喉頭気管分離が良いと、内科の主治医には提案しています。 何年も気管切開して療養していました。異物のカニューレが首に入るので、首の穴に肉芽ができています。毎月の入れ替えで出血するし、痛いし、なんとかしてくださいと言われました。喉頭気管分離でしょう。 全身麻酔で手術します。 他の選択肢として、単純喉頭摘出術があります。穴を大きく作れますが、大きく皮膚を切って、栄養状態が悪い

          カニューレがいらない喉頭気管分離

          子供の扁桃腺とアデノイド、取る?取らない?

          「扁桃腺とアデノイドが大きいから、手術で取ってくだい」開業医から依頼されます。いびきが大きくて、母親も心配して、手術に前向きの家族もいますし、子供に手術なんて必要なの?と半信半疑の親もいます。 昭和の頃は、扁桃腺が大きいだけで「大きいから取ってしまえ」という、医者も多くいました。令和の今は、ガイドラインに基づいて適応を決めています。 そもそも、扁桃腺とアデノイドは意味があって大きいです。保育園で風邪に負けないよう、外から入ってくる細菌やウイルスを、大きなアデノイドと扁桃腺

          子供の扁桃腺とアデノイド、取る?取らない?

          デュピクセントは製薬会社が儲かるが、病院は儲からない。

          あの手この手で、高額な薬を使わせる世の中です。1本6万円の注射を、月に2回打つ治療が、耳鼻科で流行っています。確かにすごく効きます。発売された時は、 「1ヶ月で12万円、3割の自己負担として月に3万6000円、年間だと40万円も支払う治療を誰がするんだ? 手術した方が安いじゃないか。」こんなに流行るとは思いませんでした。 理由は、お金の抜け道があり、私の患者さんは、年間に12万円にまで減額されているから続けているのです。 患者さんは「年28万円もお得で、手術よりもよく効

          デュピクセントは製薬会社が儲かるが、病院は儲からない。

          針やメスの再利用は禁止

          昔、昭和の頃は、針やメスは貴重でした。ブラックジャックもメスを研いで何度も使っていました。しかし、いくら綺麗に洗浄して殺菌したとしても、他人の血液はどこかに付着してます。使い回してはいけません。昭和の予防接種は、小学生を一列に並ばせて、順番に同じ針で刺しました。よって多くの日本人がB型肝炎に感染し、集団訴訟になりました。 群馬大学では10年前から、高崎医療センターは耳鼻科を始めた5年前から、鼓膜切開刀は使い捨て(ディスポ製品)を使っています(上写真フェザー製)。切れ味抜群で

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          メタクエストのVRアプリで、首の解剖を勉強しました。

          ゴーグル没入してこのアプリで勉強すると、解剖の3次元構造が良くわかります。Medicalholodeckで検索すると1週間だけ無料でした。医学生のために作ったのでしょうが、頭頸部外科医が血管、筋肉、神経の位置関係を再確認するのに、役立ちます。実際の手術は、ここまで攻めると血だらけで、こんなにきれいに見えないのですが。

          メタクエストのVRアプリで、首の解剖を勉強しました。

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          コロナのワクチン効果がなくなってきた

          国立病院に勤めています。コロナワクチン研究のため、定期的に採血して抗体価を測定してます。最後のオミクロン対応ワクチンを打ってから1年後、グラフの通り、どんどん値が下がってきています。ああ残念。 痛みと熱に苦しんだワクチンの効果も、限定的です。感染した時に、重症化はしないでしょうが、感染はしそうです。麻疹のように終生免疫(1度打ったら生涯安心)にはならず、インフルエンザのように毎年打たなくてはなりません。 もしくは、コロナは風邪と割り切って、何度も感染する。ワクチンの効果で

          コロナのワクチン効果がなくなってきた

          花粉症の目薬はどれが良いか

          花粉症の目薬、自分でいろいろ試してみて、1番良いものを発表します。なお、耳鼻科医の私が、個人的に感じたことです。製薬メーカーとの癒着もなく、お金ももらっていません。 去年から新薬が出ました。「0.1%アレジオンLX」これが最強です。私は去年から、これ1本で満足しています。薬価は高くて1mlあたり500円もします。 2年前までは、「0.1%パタノール」でした。1日に何度もさして、それでも痒い時は、ステロイドの点眼も追加していました。薬価が下がって1mlで100円台です。

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          舌下免疫療法が流行る理由

          昨年から、製薬会社の供給を上回る発注があって、スギの錠剤が不足しています。今年も鳥居薬品から通達があって、舌下錠を販売しないそうです。今、東南アジアに急ピッチで工場を作っていて、2025年から竣工予定です。原料は、花粉です。日本ではスギの花粉の採取が間に合わないので、海外でスギを植えて、花粉を集めているようです。 東南アジアで、スギ花粉症が始まらないでしょうか? 心配です。 販売しないと書きましたが、販売しています。販売しているのは8日目以降の5000単位の錠剤です。今ま

          舌下免疫療法が流行る理由

          顔面神経麻痺の治療

          アメリカ歌手のジャスティン・ビーバーも顔が曲がって、この病気が有名になりました。 麻痺の原因はストレスによるウイルス活性化 麻痺の多くは「特発性顔面神経麻痺」、ストレスのせいで顔が曲がります。報告した人の名前から「ベル麻痺」と呼ばれています。「特発性」は医学用語で、原因が分からないという意味です。子供からお年寄りまで、男女を問わず発症しますが、正しく治療すれば、良く治ります。単純ヘルペスウイルスが原因と言われています。ストレスで免疫力が落ちると、寝ていたウイルスが暴れ出す

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          口から食べられなくなったら終わりか

          とある地域の老人ばかりが入院する病院で、月に何度か嚥下回診をしています。あまりに誤嚥肺炎で入退院を繰り返す老人が多く、1人しかいないST(言語療法士)さん、看護師さん、栄養士さん、歯科衛生士さんと協力して、なんとかしようと格闘しています。 口腔ケア:お口の中を綺麗にして、バイ菌を飲み込まないようにする。 食事調整:その人が食べやすい形態に、病院食を工夫する。 嚥下リハビリ:筋力つけて、飲み込む力を取り戻す。 いろいろやっても、よくならない人はどうしてもいます。認知症がある

          口から食べられなくなったら終わりか

          HALはALSの福音になるか

          自分の意思に合わせて、下肢の動きをアシストする装着型サイボーグです。Hybrid Assist Limbの頭文字をとってHALと言い、国も多額の研究費をだしました。脳梗塞や下肢切断だけでなく、ALSをはじめ、神経難病にも保険適応があります。個人で使えるのか、調べてみました。 日本神経治療学会が発表している、適正使用ガイドです。医療保険が通ると、発表されるものです。 https://www.jsnt.gr.jp/img/hal.pdf 内容は、治験の結果、使うための条件で

          HALはALSの福音になるか