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2012年夏、パリ ヨーロッパのファッション流通の激戦地を歩く①

インスピレーショントリップ初年度に選んだ都市はパリ、バルセロナ、ロンドンでした。

パリ、バルセロナ、ロンドンを選んだ理由は・・・
パリは世界のファッションのメッカであると共に、1998年に世界のファストファッションブームが始まった都市であったから。
バルセロナはZARAのインディテックスの本拠地であるスペインで同社が展開する8つのブランドを見たいと思ったため。
ロンドンでは世界のファッションチェーンの最激戦地でグローバルチェーンとローカルチェーンの競合関係を観察すると共に、世界的に注目されている急成長チェーンであるプライマークを見たかったからでした。

インバウンド消費と百貨店とファストファッションの共存

パリで最も印象に残ったのは2つ
ひとつは観光客による消費、もうひとつは百貨店とファストファッションの共存でした。

視察に行く都市では、まず商業地、主に
メジャー百貨店周辺、ファッションストリート、観光客が行き交う大通りは押さえることにしています。

パリでメジャーな百貨店と言えばギャラリーラファイエット、プランタン、ボンマルシェ・・・

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特にギャラリーラファイエットとプランタンが並ぶ地区では、百貨店を取り囲むようにH&M、ZARA、C&A、ユニクロの大型旗艦店が並んでいるのが印象的でした。

H&MやZARAについては、百貨店の別館や百貨店内のファッションフロアに入居しているくらいの近さ、共存度合いが印象的でした。(ヘッダーの画像は2つの百貨店の間にH&Mが出店している様子です)

H&Mがパリに進出した1998年から10年以上が経ってファストファッションはマーケットに浸透し、競合関係から共存関係に進んでいることがわかります。

当時は、日本の百貨店はユニクロをライバル視していましたが、
現在の日本では、ユニクロやZARAが百貨店の上層階に入居するのも普通に見かける光景です。

ファッションストリートでは、個性的なブティックが密集するマレ地区、問屋街のサンチエを歩き、その後、古着卸でも有名なキリウォッチ、またセレクトショップのメルシーやコレット(現在は閉店)などもチェックしました。

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H&Mが1998年、フランス1号店をオープンした大通り、リボリ通りでは、
フランスの地元のアパレルチェーン、H&M、C&A、ZARAグループの大型店がひしめき合い、各所、多くの来店客で賑わっている中に身を置きました。※画像はおそらくこの通りの最大型店C&Aの店舗

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日本で観光客需要、つまり「インバウンド消費」という言葉が一般化するのは2014年からですが、世界の観光地パリは、長年まさしくその需要に支えられているようでした。

そして、グローバルブランドというものは、そんな観光客需要にも支えられているのがわかりました。

グローバルブランドの本当の強み

観光客の地元にもあるのに、なぜ、観光地でブランドを買うのか?

高級ブランドであれば、ひとつは観光地の方が、地元よりも価格が安い、とか、品揃えが豊富ということもあるでしょう。

しかし、全く同じ品揃えであるはずの、決して高級ブランドではない、H&MやZARAを買うのは・・・逆に、おなじみのブランドであるがゆえにどこでも安心して購入できるという心理があると思います。
コカ・コーラやマクドナルドやスターバックスもそうではないでしょうか?

特にヨーロッパの観光客は長期滞在が多く、すると、服や日用品の買い足しが必要になることも少なくありません。
そんな時、服であれば、おなじみのブランド、サイズ感、しかもこなれた値段のファストファッションであれば、安心して、迷わず購入することができるわけです。

マーケティングにおいて、ローカライズすることも大事な時もありますが、
世界どこに行っても同じ品質、価格帯というのもグローバルブランドにとっては大事なことだと感じたことでした。

今では変わっているかも知れませんが・・・
パリでユニクロの商品を手に取った時、同じLサイズでも日本のLサイズよりも大きい感じがして、Mサイズを選んだのを覚えています。
実はロンドンでもそうでした。

H&MとZARAは世界中どこに行っても同じサイズ感、これもグローバルブランドの証のひとつではないか?現地需要だけでなく、観光客需要を取り込む上でもと感じたものでした。

ライフスタイル提案型スーパーマーケット MONOPRIX

海外に行くと、都心部ではスーパーマーケット、少し離れたところなら食品市場を訪れるのが好きです。
パリで何度かお世話になったのはMONOPRIXでした。

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感覚的には、グレードは日本の成城石井から紀伊国屋クラス、
そこに生活雑貨やコスメ、そして、ベーシック以外にちょっとおしゃれなカジュアルウエアがそろってて・・・
無印良品並みのカテゴリー展開(家具や家電はなかったかな?)です。

ソックスやエコバックは気の利いたお土産にピッタリです。

パリの均整のとれた街並み

パリの街並みはどこも綺麗で落ち着きます。建物の高さが揃えてあるのもあると思います。

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いろいろ事情があって、2泊3日も慌ただしく次の都市、バルセロナへ。


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