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IST社とウェブサービス黎明期

 技術系スタートアップの立ち上げで困るのは技術系人材の確保だ。
 最初に立ち上げた会社ではウェブサービスを作れる人材やネットワーク構築の技術を持っている人間の採用ということになるんだろうけど、当時はそもそもウェブサービスってどんなプログラミング言語で作ったらいいのかも良くわかってない時代だった。
 ネットワーク部門は漸くPC/AT互換機でも使えるUNIXライクなOSが出始めた時期。LinuxやFreeBSDなど文献はもちろんないので、オンラインに落ちている数少ない文献(ほとんど英語)を読み解いて構築していかねばならない。どこにそんな人材がいるのか良くわからない感じなのだ。

 そんな手探りのなか、我々はperlというスクリプト言語に注目した。ラリーウォール氏によって作られたこの言語は、当時CGIと呼ばれていたウェブアプリの枠組みにフィットした。
 オライリー社から分厚い解説本が出ていたのも良かったし、やはり世界でもperlの可能性を見出した人が多かったらしく、既にちょっとしたウェブ系のライブラリを作る人が出てきた頃だった。頻繁に改変が必要で、いちいちコンパイルしていると時間がかかりすぎて生産性が悪いのでスクリプト言語の方が使い勝手が良いのだった。
 その後apacheという当時としては超速のウェブサーバーソフトがリリースされ、オンメモリでperlを動かせるmod_perlがリリースされ我々の選択は間違っていなかったと確信を得た。
 そしてラッキーだったのは、そのタイミングでdan kogai(小飼弾)というperlの日本語化、多言語対応のパイオニアに出会ったことだ。彼をCTOにするために、私は彼に私よりも多い役員報酬と十分なストックオプションを提示した。彼の返事は早く、すぐにジョイン。成長期の我が社を支えてくれた。
 ちなみに台湾のデジタル担当大臣として有名なオードリータン氏とも彼はかなり交流があるらしい。彼もperlハッカーなのだそうだ。

 もっと良かったのはその後の展開だ。日本最高のカリスマエンジニアを引き入れたことで、その後CTOを務める東大生バイトからジョインした宮川くん、その後のCTOとなるライブドアブログなどを作った池辺くんなどが続いてきた。もちろん、もっと多くのエンジニアが集まる基盤となったのである。

 そして今、インターステラテクノロジズで今エンジニア募集に苦戦している。
 特にエンジンを作る推進系、そしてエンジンの最重要部品であるターボポンプを設計するエンジニアが必要だ。
 今回は、ウェブアプリの時より数段採用のハードルは高い。
 なにしろ日本でターボポンプを作った人など数えるほどしかいないからだ。幸いなことに室蘭工業大学の内海教授と技術提携をして室蘭工業大学内の産学連携拠点に入居し、LE-7,9の開発にガッツリ入った内海教授の知見を思う存分浴びることができる。
 メンバーは全員ターボポンプの設計経験者ではない。機械設計や流体のシミュレーターを使ったり、工作機械の削り出しプログラミング最適設計とか、様々な分野の人が集まってターボポンプを一から作っている。

 そんな手探りの感じがウェブサービス制作黎明期になんとなく似ている感じがしていて、ワクワクするとともにちょっとでも気が抜けないあの感じがドキドキに繋がっている。
 この記事読んで少しでも興味持ったら採用ページから申し込んで欲しい。

▼ロケットのターボポンプ設計は何が難しい?JAXA出身の教授に徹底質問
【IST×ホリエモンチャンネル】
https://youtu.be/Illb0GFSRXs

▼IST社の採用申し込みはこちら
http://www.istellartech.com/recruit

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