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(再掲)私が年末なぜミュージカルに主演し、プロデュースするのか

 私が初めてミュージカルに出たのは実は2010年のことである。
 当時動画の世界ではNo.1だったニコニコ動画初のリアル世界進出プロジェクトとして、『ニコニコミュージカル』というのが企画された。今や業界を席巻している2.5次元ミュージカルの生みの親片岡義朗氏を招聘してニコニコ動画の有名人を起用したミュージカルを作るという企画だ。
 芝居ビジネスの難しい所は席数以上の売上をあげるのは難しいという事で、それを有料ネット配信でカバーしようということだった。第一弾となった私に当て書きされたミュージカル『クリスマスキャロル』はその脚本、音楽の完成度や他キャストの頑張りによってまあ第一弾としては概ね成功だったと思う。
 ミュージカルの有料ネット配信は定着せずニコニコミュージカルも終わってしまったが、ニコニコ動画でのエンタメコンテンツの有料配信はいくつかの成功事例が出来てきて、よい刺激になったのだと思う。

 それから10年が経った。
 ネットとエンタメを取り巻く環境は日々変化してきた。そしてAIやロボティクスの進化により人々の働き方、生き方が変わらざるを得ない局面に来ている。
 そんな中HIUというオンラインサロンを主宰したりして辿り着いた結論の一つが、多くの人々は「今の基準で行くと遊んで暮らすしかない」という事だ。
 多くの人は今の仕事を失う。技術的には今すぐ失ってもおかしくない。それも大半の人がだ。単に惰性でみんなが仕事をするロールプレイを続けているのが現状の正しい認識。いきなり放り出されて「定年後のサラリーマン」状態になるとどうなるか。

 人間にとって一番の毒は「暇」なんじゃないかと思っている。暇になるとネガティブなことを考えがちだ。仕事も稼ぎも無くなったら尚更。そんな暇な人が増えると社会が不安定になるだろう。
 だからこそ隙を埋める何かを提供しなければならない。それがエンタメ、スポーツなのである。演劇は生涯楽しめるエンタメだ。
 こう書くと普通は見る側を考えるだろうが、実は演じる方が百倍以上楽しい。小劇場で稼げない役者が何十年もバイトしながら続けているのは大抵がそういう理由だ。多くの観衆に見守られながら千秋楽を迎えるのがたまらなく気持ちいいらしい。うん、体験したのでわかる。気持ちいい。

 カラオケと同じ構造だ。仲間と一緒にカラオケへ行って本気でずっと友達の歌声を聴いている奴はほとんどいない。自分で金を払って自分の歌を無理やり友達に聞かせるジャイアンのリサイタルなわけだ、あれは。
 私のような演劇素人がそこそこやれている事を見れば、「自分もやれる」と思うだろう。そう、頑張ればなんとかなるし、プロに囲まれれば感動して涙を流したりするレベルまで持っていけるのである。
 そして生涯続けられるのもいい。私のミュージカルをきっかけにHIUでも演劇部が始まった。

 そして今回の舞台の最大の特長は観劇しながら飲食をできるという事だ。
 不思議なことに多くの芝居は食事時に上演されるのに観劇前か後に食べなければならない。それどころか「飲食禁止」。つまり水すら飲むなということなのである。
 古くからある「歌舞伎」などは飲食OKだし、映画館もそうだ。なぜか芝居だけは役者の気が散るからとか色々な理由で飲食禁止なのである。美味しい料理を食べながら観劇できれば裾野が広がるのではないか。それも今回のミュージカルの目的である。
 場所探しは難航した。飲食スペースを取れ、そして飲食OKの施設がほとんどないのだ。苦労してやっと鶯谷にある元グランドキャバレーだった『東京キネマ倶楽部』で上演できることになった。今年は同様の施設で神戸の『月世界』でも上演する。

 アリーナ席にテーブルを配置し、和牛のフルコースディナーを楽しめるようにした。まるで結婚式の披露宴のようだが、時期が時期だけに忘年会の様相を呈する。私の友人知人も多いのでまるで結婚式の披露宴のように旧知を温め合う。「花より団子」とまでは言わないが、食事も楽しむことによってリラックスして観劇できる。
 多少の会話やヤジも芝居の楽しみの一つとすればよい。黙って水も飲まずに、腰が疲れての伸びすら注意されるような窮屈な場所での観劇など楽しめるはずもない。そんな流れを当たり前にしたいのだ。

 そんなこんなで今年も東京キネマ倶楽部で12/9~12/15まで、神戸月世界で12/24,25昼夜公演する。ミュージカルの楽しさをもっと多くの人に知ってもらい、たくさん観劇して感激してカラオケくらいカジュアルに自分でもやってみたいなという人が出てくる世の中を作ってみたい。
 買って欲しいチケットは4万円の和牛フルコースディナー付きアリーナ席のチケットです。ドリンクも基本的には飲み放題を予定しています。
 私もすごく楽しみです。

▼チケットはこちらから
https://christmascarol.jp/

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