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事故から始まる霊感体験・その1(プロローグ)

ちょっとだけ続き物になる感じですがお付き合いのほどを。真夏になる前には完結させたい・・・。

夏ではないが、小さい頃は霊感というものと無縁の生活をしていた。無論私は※大槻教授派だったからそもそも霊というものを信じない体質なのでコックリさんをやっても友達が勝手に操作していたんだとか、心霊特集とか見て心霊写真や霊体験が出てきてもそれはただの化学反応にすぎない、光の屈折や誰かの捏造だとばかり考える日々だった。……そう、あの日までは……。

※大槻教授はユーフォーで有名な矢追純一さんとユーフォーはありかなしか、心霊現象はあるかないかで議論をしていた教授です(うろ覚え)

ちょうど20年前私は車で大きな事故に遭った。

夜、サークルの練習の帰り道、うちに帰る道はだだっ広い畑道で、街灯はほとんどなく、ただ直線が広がっている見通しの良い道だった。

暗がりの中、私は車で家路を急いでいた。

次の瞬間何が起きたのかわからないくらいの眩い光に包まれ前が見えなくなった。光は二転三転し、気づくと私は漆黒の闇に包まれた田んぼに車ごとダイビングして止まっていた。その間数十秒だったと思うが私にはとても長い時間に感じた。体感的には夢の国のスパースマウンテンに乗った感覚だった。暗い中猛スピードでライドして光が無数に広がっているあの空間みたいな・・・。

あれ?私どうしたんだっけ?

って目を開けぼんやりとしていると割れた窓越しに話しかけてくる人がいた。

「あなた、大丈夫ですか?事故って田んぼに落ちてるんですよ…」

「え?事故?私が?」

「そうですよ、ぶつかったんですよ」

「ありえん…」

よく見渡してみると私の車は田んぼの端っこに落ちていてハンドルからはエアバックが出ていた。エアバックが出ているのを初めて見た(そりゃそうだ)あの眩い光の正体はぶつかった時の衝撃とエアバックが出て体がぶつかった時の漫画でよくある頭の上に星が出た感じだろうか?ってぼーっと考えていた。しかし気持ちは茫然自失だった。

目撃者の人と私にぶつかった人が警察と救急車を呼んでくれるというので私は力を振り絞って親に電話をかける。

「もしもし、どうしたん?」
母が出る。

「なんだか事故っちゃったみたい、かくかくしかじかでこの辺にいるから来て欲しい」

意外と意識ははっきりしていた。

「ええ?お母さんもお父さんも飲んじゃったよ、隣のうちの人に運転してもらえるか聞いてすぐ行くから、それよりくじらはわれた大丈夫なの?」

「どうにか、とりあえず大丈夫だけどなるべく早く来て」

そう言って電話を切る。
そうすると、なにやら頭から冷や汗が流れてきた。あれ、私なんで汗なんかかいてるんだ?って頭を触って薄暗いところで手を見たら真っ赤になっていた。冷や汗だと思っていたのは頭から流れ出た血だった。

ナンジャコリャー!!!!!

両手を剥き出しにし、まさにあの有名なドラマのセリフを口走っていた昭和な私。一気に血の気が引いた。

私はその時の数十秒の記憶があまりないのだが、後から聞いた話によると、交差点で止まれを無視した対向車と私の車がドンピシャにぶつかってしまったらしい。当時の私も家路を急いでいたので周りをよく見ていなかったかもしれない・・・。

程なくして警察と救急車が来た。時を同じくして隣のお兄さんとお父さんが現場に来た。

「お~い大丈夫か~死んじまったか~?」
ほろ酔い加減の父は私を見るなりそう言ってきた
「死んでない!!生きてるわ!!」
「何だ意外と元気そうだなぁ~」
「そうでもないよ、頭打ってるんだから」
「そうかぁ~痛かったなぁ~」
飲んでる父の軽すぎる言動に少しイラっとしながらも意識が朦朧としていたので聞き流すことにした。

それから救急隊の人に車から救出され、担架に乗せられ救急車の中に入った。一緒に付き添うのは父。心配しかないw

救急隊の人と父が何やら話をしている。
「近くの〇〇病院は受け入れが出来ないので隣の市の〇〇病院に運びますが」
「脳外のある病院に運んでくれよ、頭打ってるんだって」
「近くの方がいいと思いますが」
「いや、脳外にお願いします。聞いてみてくださいよ」
「わかりました」

ってしばらくして
「近隣の市の〇〇脳外科病院が受け入れてくれるようなのでこれから運びます」

この間多分20分位。

そして私は人生2度目の救急車に乗って救急搬送されるのだった。

※この2度目というのがみそで1度目は高校の時道を曲がってきたトラックと私が自転車で接触して一度家に帰るのだが救急車呼べって言われ現場に戻りぴんしゃんしてるにも関わらず救急搬送された経緯あり。

なので人生2度目の救急搬送だった。

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