バレンタインデーに付き合うカップルって本当にいたんだって話【後編】 バレンタインデー告白編 【実録エッセイ】

↑こちら前編。こちらは後半。↓告白編。

さて、前編でラブコメ展開を経験した私だったが、いよいよ、自分の気持ちがlikeではなくloveなんじゃないか?私この人が好きなんじゃないかと核心に迫ってきた訳で・・・。その一部始終をこれまた親友にぶちまけてみた。
「かくかくしかじかでこうなった訳なのだよ」
「ほうほう、それはまさしく恋!!好きということなんじゃない?で、告白はいつするの?」
「まだ考えてないよ、こんな感じで告白してもOKもらえるかわからんし」
「いや、相手は彼女なし、脈ありありで告白しなかったら他の人にとられてしまうよ。決行ははやいほうがいい。そうだこの時期だからバレンタインデーにチョコ渡して好きって言っちゃえ!!」
「えぇ?バレンタインデーって1週間もないじゃないか??」
「そしたらさっそく本命チョコを買いに行こう!」

話が勝手に決められて私はどうやらバレンタインデーに告白をすることになったらしいと完全他人行儀な世界線に立たされていた。とりあえずチョコは買うよチョコは~って一緒に電車に乗って都会のデパートに買いに行くのだった。

デパートはやっぱり高級チョコばかりでいかにも本命にあげますみたいなチョコがずらりと並んでいた。

CENTHOのチョコ

因みにこちらは私が今日買った自分チョコ。お高いし、めちゃうんまな一粒だった。推しの輝さんがもらって食べていたらしく、同じものを食べたくて買ってみたが高くて買うの躊躇していたら売り子のおばちゃんがニヤニヤして包んでくれたからきっと本命にあげるのねと勘違いされたのだが今日買ったものは自分だけで食べる。勿体無くて一気に食べられないから1日一粒ずつ噛み締めて食べる。

…話は脱線したがw
当時もこのような高級本命チョコを買って帰りの電車でメールしろと親友から指令があったので、電車の中でメールした。

「14日のバレンタインデーにチョコあげたいのですが、空いてますか?」

って。は?これじゃ告白する気満々じゃないか?既に墓穴を掘った感満載なメールで途方に暮れていた私だったが、何駅か超えた頃メールが帰ってくる。

「ありがとう。14日仕事終わった後なら空いてます」

とな。私は電車の中で人目もはばからずガッツポーズをしていた。友達と握手を交わし嬉しさを共有すると共に、すでに告白するという戦は始まっていた。決戦は週末金曜日であった。

そしてなんのかんので14日を迎えた。バレンタインデー、女の子が男の子にチョコをあげて愛を告白する日。というのはチョコレートメーカーが仕立て上げたイベントに過ぎないと思っていたがまさか自分がそのイベントに乗っかって特別な日に告白をするとは生まれて初めての経験で一体どうなってしまうのかと不安で心が入り乱れ胃の調子は悪くなるわ仕事で失敗するわで散々だった。よく耐えてきたなと思った次第。意中の相手を呼び出して告白するとか根気と勇気がいることだなと思いつつ心臓が口から飛び出しそうな緊張に包まれて会社が終わって一目散に飛び出した。

知らない道を車で走り、夫を家の近くのコンビニに迎えに行きまずは夕飯を一緒に食べた。そこでは仕事の話とかたわいのない世間話をしていた。食事を食べ終わり、チョコを渡したいのだがこんなところで渡して告白するのもどうかと思い聞いてみた。

「あの、明日は休みですか?」
「うん、休みだけど・・・」
「じゃあ、ちょっとドライブしません?」
「あぁ、いいよ」
ちょっと私何を口走っているのやらと思ったのだが私は今日勝負しに来ている訳で、一路店を出てドライブに行く。もちろん運転は夫・・・といいたいところだが、迎えに行った手前、私が爆走していくのだった。一体どこへ行ったらいいのやらと思ったが、道をずっと走っていくと、山があるので小一時間車で走り、夜景の見ええる山の上に行くのだった。なんと無謀なと思ったのだが恋と一緒で走り出したら止まらないのだ、もう行くしかないと覚悟を決めた。しかしどうして告白は山なんだか・・・。夜景が見える山とかべた過ぎただろうか。

そして小一時間走り、小高い山の頂上付近の駐車場に到着した。季節は冬。途中雪が降っていたようで雪が凍って残っていたが、スタッドレスのおかげで乗り切った。運転できた私偉い子。ビバスタッドレス。ともかく山の上に来たのだからきれいな夜景が・・・と思ったら木が邪魔で見えない。出鼻をくじかれる。しかも歩いていると暗くてこけそうになるし最悪って思ったらちょっと移動した場所から木に邪魔されずくっきり夜景の見える場所があったのだった。バカヤロー無駄な10分間を返せ。しかし、そのきれいな宝石のほうな夜景を見ながら二人して無口になってしまいしばらく無言できれいな夜景を見ているのだった。夜景はものすごく綺麗。どこかに吸い込まれそうになるけどなぜか気まずい空気が漂う・・・。もう心臓はバクバクしているのにどうした私?後悔するぞ、何も言えず後悔するのは嫌だと思った瞬間私から口を開いた。

「あ、あのう、この前のメールの意味はどんな感じですか?」
と、けん制球を投げかける。

※この前のメールとは前編で書いた漫画展開フラグのこと。

「あ、あれね・・・。う~んそうなったらいいなと思ったらいれたんだけど」

その一言を聞いて私は行けると思ってさらに続けた。

「実は・・・私もそうかな~なんて思って・・・」
「えっ?」
「ちょっと好きかな~って」
「ん?それって」
「てゆうか・・・う~ん・・・好き・・・です」
ついに言ってしまった。告白した。もう撤回はできない。
「それが直球か~」
と夫。何のことかと思ったら。この間私がてんぱって話をしていた食事の時、告白するなら直球型ですと口走っていたのを覚えていたようだ。またもや恥ずかしい気持ちになってどうなるんだと夫の様子を見守っていたが・・・。

「でも・・・このままじゃダメかな?自信がないんだ」
なんですと??友達ってこと?ここまで言わせといてなんじゃその返事は?とお思いですがそれにも訳があって、夫はこの時すでに会社を辞めていて3か月ほど外国に行くことを決めていた。(留学とかではなくアウトドア的な)だから今付き合ってもすぐ離れちゃうんじゃないかって思ったらしい。そうは言うても私のこと抱きしめてますけど。私は友達のままで抱きしめられたり手を繋いでしまうのは嫌だと思ってもう一度食い下がる。そう、だってもう一緒にいたいと思ってしまったから。

「そんなことないって、私はちゃんと好きだから・・・一緒にいたいし、友達じゃ手なんてつながないですよ、ましてや抱きしめたりしません。ダメ元で付き合うっていうのもダメですか?」
「ごめんねはっきりしなくて・・・」
「嫌。やっぱり好きになった人だから一緒にいたい」
「困ったなぁ・・・」
「何も考えなくていいんじゃないですか?そんな遠い未来より今が大事だから、付き合ってください」
「そ、そうかなーーいいのかな?」
傾てきた!キタコレ。
「じゃあ、決まり。よし、決まり!!」
「そうだね・・・よろしく」
や、やったーーー!!手を繋いでブンブン振り回したらちょっとぶつかって痛かったけどそんな痛みも嬉しさのあまり忘れてしまう程だった。半ば私が押し切る形で夫が折れて?晴れて付き合うこととなった私たち。当時の私はもう嬉しくてたまらなかった。

そして夫が次に口を開く。
「あの、チューしてもいい?」
は??チュー?ネズミ?いやチューってあのチューですか?
「そう」
いやいやいやもう?今?本当に?リアリー?
「今だよ、どうする?」
ちょっと考えて・・・。でも秒で返す私w
「は、はいお願いします」
ってめちゃくちゃ緊張したのだが返事をした。これじゃ私が翻弄されとるやないかと思ったが・・・。お互い眼鏡を取って初めてのキスは歯がぶつかってしまいあららな感じだったが、もう1回唇が触れるくらいの軽いキスを交わし私は友達から恋人に昇格したのだった。で、
「すぐチューってするもんなの?」って聞くと
「そりゃするでしょ大人の付き合いだからさ」ですって

今思い出しても恥ずかしさ極まりない私だったのだが、夫も夫でかなり勇気を出したんだろうか?それとも付き合ってすぐキスするのは恋人の定石だと思っていたのだろうか?って今更聞けないような聞きたいような気がする。

で、最後にチョコを渡して
「じゃあ帰ろうか」ってなり
「これからなんて呼んだらいいかな?」とか
「これからよろしく」とか

車内でほっと胸をなでおろした私。夫も私と付き合って嬉しいと言ってくれた。こんな嬉しいバレンタインデーは後にも先にもこの日だけだ。バレンタインデーになると今でも思い出す告白イベントなのだった。めっちゃ勇気を振り絞ったかもしれないがこの出来事があったから私は今でも夫と一緒にいられるのが嬉しい。後日談なのだが夫も私のことを私が告白する前から好きでいてくれたらしい。両想いが初めてだったのでこれが私の人生最大のモテキだったのかもしれない。


この記事が参加している募集

#忘れられない恋物語

9,173件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?