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【COVID-19】運動不足の重症化リスク。感染後の運動促進、スポーツ復帰ガイダンス

・運動不足は重症化リスクを高める

運動不足と重症化、死亡率の関係を調査した研究結果がイギリスの医学誌British Journal of Sports Medicine(ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディシン)に掲載されました。
この医学誌は、スポーツ科学とスポーツ理学療法を含むスポーツ医学を取り扱う、医学雑誌です。

研究グループは2020年1月~10月の期間に、米国の4万8,440人の成人患者を対象に、ICU入院、死亡リスクの調査を行った。
対象者は、2018年3月~2020年3月に運動に関連した心拍や血圧などのバイタルサインの測定を3回以上受けた者とした。
平均年齢は47才、BMI(体格指数)は31で肥満評価が多かった。

結果は、2型糖尿病、肺疾患、心血管疾患、腎臓病、がんなどの基礎疾患を1つ以上持っている患者が50%となった(2つ以上の患者が32%)。

重症化と運動習慣の関係性は、全体を3つのグループに分けた割合を出している。
(1)運動不足(運動時間が週に0〜10分) 15%
(2)中程度の運動(週に11~149分) 78%
(3)運動習慣があり(週に150分以上) 7%

これらの割合で、重症化以上の症状となっている。

・感染後の運動とスポーツ復帰について

日本でも運動不足と重症化の関連性や、在宅ワークなどによる運動不足の状況などが問題視されている。
しかしCOVID-19は心肺機能に症状が出るため、安易なスポーツ復帰は難しい。
世界のスポーツ医学協会などからは、感染後のスポーツ復帰やアスリートのスポーツ復帰サポートのガイドラインが発表されている。

・COVID-19臨床ガイダンス

Graduated return to play guidance following COVID-19 infection.

※このガイダンスは、英国の公衆衛生ガイドラインおよび発行時に利用可能な専門家の意見を考慮に入れており、医療従事者が使用するためのものです。軽度から中等度の病気を患っているパフォーマンスアスリートに適用されます。入院が必要な人は、さらに評価する価値があります。


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・段階的復帰(GRTP)プロトコル

GRTPは、身体活動とスポーツを段階的に導入する進歩的なプログラムで、ケガなどからのリハビリのように段階的な運動により、スポーツ復帰と運動不足解消を目標にしています。

重要な考慮事項
GRTPを検討する前に、アスリートは日常生活動作を完了し、過度の倦怠感や息切れなしにフラットを500m歩くことができなければなりません。
開始する前に、少なくとも10日間休息し、7日間無症状である必要があります。
ゴルフのように有酸素運動が少ないスポーツは、より速く進行する可能性があります。経験によれば、一部のアスリートは回復するのに3週間以上かかります。GRTPの進行中に何らかの症状(過度の倦怠感を含む)が発生した場合、アスリートは前の段階に戻り、症状のない最低24時間の休息後に再び進行する必要があります。

内容はステージ6に分けられており、最大心拍数と時間を目安に、段階的に運動強度を上げていくものとしている。


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※アスリート向けガイドライン

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