『タリーと私の秘密の時間』が教えてくれる、「信頼」と「関心」の大切さ
ルーファス・ウェインライトの「Supermayer Lost in Tiergarten」に乗せて、授乳、オムツ替え、夜泣き、寝かしつけ……の無限ループを観せるシーンはそこらのホラーよりもゾッとした。徐々に短くしていくカットの連続によって、シャーリーズ・セロン演じるマーロの精神状態がどんどん追い込まれていく様子を見事に描いている。
『JUNO/ジュノ』で、我らがエレン・ペイジを世に送り出したジェイソン・ライトマンが、『ヤング≒アダルト』以来再びシャーリーズ・セロンとタッグを組んだ『タリーと私の秘密の時間』。やはり音楽の使い方が抜群に上手い。さすが、カーステにカセットを突っ込みティーンエイジ・ファンクラブの「The Concept」を大音量で流すオープニングで、我々90年代オルタナクソ野郎たちを咽び泣かせた監督である。
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